SOIL&”PIMP”SESSIONSのツアーファイナルレポ「音楽が鳴る場所を絶やさないように」
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SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
SOIL&”PIMP”SESSIONSが、2016年4月にリリースした約1年半ぶりのオリジナルアルバム『BLACK TRACK』のリリースに際して行った全国ツアー『TOUR 2016 "BLACK TRACK”』より、6月22日に東京、恵比寿LIQUIDROOMで行なわれたツアーファイナルのオフィシャルレポートが到着した。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
超満員で膨れ上がった会場が暗転し元晴(Sax)、タブゾンビ(Tp)、丈青(Pf)、秋田ゴールドマン(B)、みどりん(Dr)、社長(Agitator)、6人のメンバーが登場する。アルバム『BLACK TRACK』の冒頭を飾る「Introduction」が流れ、そのままバンドの演奏に雪崩れ込む心憎いオープニング。アルバムの“クロさ”を象徴する「BLACK MILK」、パンキッシュでハードコアな「表nothin'裏girl」、WOWOWで放送された新感覚時代劇「連続ドラマW ふたがしら」のメインテーマであやしいムードが溢れる「THEME FROM ”FUTAGASHIRA”」、フロア全体が一体となりハンドクラップする「POP KORN」と、全11ヵ所をまわったメンバーによる、全国のオーディエンスから受け取ったパワーを一気に放出するかのようにストレートに疾走感溢れるナンバーが続く。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
続いて、前半のアッパーなムードから一転、中盤は「Black & Mellow」がテーマであるアルバムのメロウなエッセンスを強調する。ニュー・アルバムから「One For Carmen」そしてアレックス・ノースの「Spartacus Love Theme」では丈青が「MY FAVORITE THING」のフレーズを挟むなど、アドリブも効いたソイル流のブラックジャズを披露する。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
ラテン・フレイヴァーが踊らずにいられない「Papaya Pai Pai」を皮切りに、壮大なスケール感を持つ「Fantastic Planet」では、サビのコーラスのパートを社長とオーディエンスが大合唱!さらに「みんなと繋がりたい」という言葉に続き、スペシャル・ゲストにペトロールズの長岡亮介をヴォーカルとギターに迎え、2016年のソイルを代表するアンセム「Connected」。新作でグッと90年代アシッド・ジャズや近年のJazz The New Chapter周辺の新しいムーヴメントに奇しくも接近した彼らだが、殊にライヴに関しては、リリースされた作品のコンセプトにこだわらない多様性を表現してきた。この夜のビシっと一本筋が通っていながら、アドリブをふんだんに盛り込んだアンサンブルは、音楽の自由と豊かな実りを体現するものだった。それには、彼らが「ホーム」だと形容するLIQUIDROOMというハコの持つムードと、オーディエンスのヴァイヴも欠かせなかったことは言うまでもない。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
丈青のペンによるドラマ『SUITSシーズン5』エンディングテーマの「SOILOGIC」から、ライブでの定番曲「SUMMER GODDESS」。「サマー!」「ゴッデス!」とバンドとオーディエンスのコール&レスポンスで場内が最高の一体感に包まれ、踊り歌い楽しんだ本編は終了した。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
アンコールの拍手に応えステージに現れた社長はカナダツアー、そして『FUJI ROCK FESTIVAL』をはじめとするフェスの出演も目白押しとなる今年の夏のスケジュールを発表し、「途切れることなく楽しませていきます」と自信をのぞかせた。丈青、タブゾンビ、元晴、ミドリンそして秋田ゴールドマン、ひとりずつメンバーを呼び込み、ふたたび6人が揃ったアンコールは「88 9th Avenue」、さらにアルバムではTAHITI 80のグザヴィエ・ボワイエをフィーチャーしたアシッド・ジャズな「In2 My Soul」を6人バージョンでプレイ。翌日の6月23日から施行となる改正風営法についても触れ「音楽が鳴る場所を絶やさないように」と熱くメッセージを送った。
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
アンコールの最後には、長岡亮介を再度招き入れラテンダンスチューンの「Mature」。各メンバーが縦横無尽に絡み合い最強のグルーブを生み出す。社長がメンバーを代表して「世界最高のお客さん」「最高の拳、最高の愛に感謝します」と感謝の念を伝え、「SATSURIKU ニューウェイブ」でツアーファイナルは大団円を迎えた。
撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER) レポート・文=駒井憲嗣
SOIL&”PIMP”SESSIONS 撮影=橋本 塁 (SOUND SHOOTER)
4, 表nothin' 裏girl