こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラ、木管五重奏のあたたかな音色が包み込む日曜の午後

レポート
2016.7.20

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こぱんだウインズ(木管五重奏) from ぱんだウインドオーケストラ登場! 第28回 サンデー・ブランチ・クラシック” 5.29ライブレポート

日曜日のお昼は、サンデー・ブランチ・クラシック。5月29日のeplus LIVING ROOM CAFE&DININGには、こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラとして、木管五重奏のメンバーが登場してくれた。ぱんだウインドオーケストラからは、コンサートマスターの上野耕平をはじめ、4組目の登場である。

オープニングは、ぱんだウインドオーケストラといえばこの曲! 木管五重奏バージョンで聴かせる前久保諒作曲「PANDASTIC!!」で華々しく幕を開けた。フルート(大久保祐奈)、オーボエ(山本楓)、クラリネット(藤田華)、ホルン(矢野健太)、ファゴット(皆神陽太)という編成で“さざれクインテット”と名乗った彼ら。グループ名は「国歌の中にも登場する“さざれ石”は、小さな石のかけらが長い年月をかけて溶け合って、ひとつの大きな石になっていると聞いたので、自分達も一人一人の力はまだ微力ながら、団結していい音楽をつくっていけたらいいなと思ってつけた」そうで、若々しいながら5本の木管が溶け合うチームワーク抜群の演奏を聴かせてくれた。

矢野健太(ホルン)、皆神陽太(ファゴット)、藤田 華(クラリネット) (撮影=鈴木久美子)

矢野健太(ホルン)、皆神陽太(ファゴット)、藤田 華(クラリネット) (撮影=鈴木久美子)

少々緊張気味に挨拶を終えると「次は楽器紹介メドレーを演奏したいと思います」と、各楽器のソロパートをメドレーに編曲したオリジナルを披露。演奏前には、「フルートはもともとは熊の足の骨を使って作られていて、4万年前から存在していた」、「オーボエのリードは手作り、天気や湿度で吹き心地がすぐに変わってしまう」、「木管五重奏だけど、ホルンは金管(笑)」、「クラリネットは、バッハの時代にはなかった比較的新しい楽器」、「ファゴットは別名バスーンと言い、楓の木で出来ている」などと各楽器の豆知識トークを聞かせてくれた。

メドレーには、ビゼー作曲『アルルの女』より「メヌエット」や、チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」、「クラリネットこわしちゃった」、「故郷」、「となりのトトロ」と、童謡からアニメソングまで、幅広い楽曲が組み込まれていた。

「続いては、映画『ニューシネマパラダイス』よりメドレーをお送りしたいと思います」と曲紹介のマイクを取ったのはフルートの大久保。このメドレーは、大久保が編曲を手がけたそうで「完全にこの五重奏メンバーへのあてがき」になっていると明かした。

大久保祐奈(フルート)、山本 楓(オーボエ)、矢野健太(ホルン) (撮影=鈴木久美子)

大久保祐奈(フルート)、山本 楓(オーボエ)、矢野健太(ホルン) (撮影=鈴木久美子)

皆神陽太(ファゴット)、藤田華(クラリネット) (撮影=鈴木久美子)

皆神陽太(ファゴット)、藤田華(クラリネット) (撮影=鈴木久美子)

楽器の音色はもちろん、演奏者であるメンバーの性格まで考えた上で書いてみたといい、「ファゴットの皆神くんは情熱的、クラリネットの藤田さんはおとなしいけどしっかり者、ホルンの矢野さんはここぞという時に締めてくれる裏ボス(笑)、オーボエの山本さんはしっかり者なんだけどどこか抜けてる……」と、大久保から見たメンバーの個性が語られた。実はこの編曲の意図について、練習中もメンバーは知らされていなかったそうで、「そんな風に思ってたのか!」と、後のインタビューで驚きを語っていた。演奏家として落ち着いた雰囲気を持つ若者たちだが、遠慮なく言い合う姿は等身大だ。

ラストは映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中に出てくる曲を、こちらもメドレーで。映画の中でも流れる「ドレミのうた」や「エーデルワイス」、CMでおなじみの「私のお気に入り」などが登場し、映画をぎゅぎゅっと凝縮したような優美な演奏が繰り広げられた。

1部は“どこかで聞いたことのある曲”をテーマとした演奏を届けてくれたが、2部はガラッとラインナップを入れ替え、ぐっと雰囲気を変えて“木管五重奏ならではのクラシック”のプログラムを展開。

こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラ (撮影=鈴木久美子)

こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラ (撮影=鈴木久美子)

芥川也寸志作曲「トリプティーク」、プーランク作曲「3つのノベレッテ」、ブルーメル作曲「木管五重奏曲」第一楽章、ビゼー作曲「カルメン組曲」(ダウィッド・ワルター編曲)、アンコールにルロイ・アンダーソン作曲「プリンク・プレンク・プランク」など、木管五重奏のための楽曲から、別の楽器のための曲を編曲し直したものまで、1曲ずつ丁寧に紹介し、あたたかな音色の魅力を余すところなく伝えてくれた。

最初は、かなり緊張気味の様子だったが終盤には笑顔も見られた5人。カフェでの演奏は初めてだったそうで、「もっとざわざわしているのかなと思ったら、お客様もすごく真面目に聴いてくださって、すごく演奏しやすかったです」とホルンの矢野。ファゴットの皆神も「お客様の顔がはっきり見えて距離がすごく近かったので、(客席の)温度もちゃんと感じ取ることができました」と環境を楽しんで演奏したようだった。

インタビューの模様 (撮影=鈴木久美子)

インタビューの模様 (撮影=鈴木久美子)

CDデビューも果たし、プロの団体として歩み始めたぱんだウインドオーケストラ。デビューを経て、「学生の時は、在学中は学園祭や自主公演がメインだったので、それに向けてみんなでがんばる。という感じだったんですが、今は『演奏会』という形でお客様に来て頂いて、駆け出しですがプロの団体なんだという意識がすごく強くなりました」とその心境の変化を語っていた5人。

発売中のCD (撮影=鈴木久美子)

発売中のCD (撮影=鈴木久美子)

7月6日にサントリーホールで行われる『イマジン七夕コンサート2016』で、山田武彦(ピアノ・独奏)、橘直貴(指揮)ともに、ガーシュイン作曲 旭井翔一編曲「ラプソディー・イン・ブルー」の演奏を控える。

様々な活動を行う上でフルートの大久保は「5人で集まると、5人とも違う意見を持っているので勉強になりますし、ディスカッションすることで偏らずにインプットできるのがいいですね」とグループとしての活動の良さを語っていた。

ぱんだウインドオーケストラとして、そして1人の演奏家として。「吹奏楽の楽しさを広めていけるよう、ぱんだウインドオーケストラが先陣を切っていきたいなと思っています。こういった小編成のコンサートなども行いながら、管楽器の魅力を感じて頂けるような活動をしていきたいなと思います」と、口々に語っていた5人だった。若き演奏家たちの挑戦が、これからも楽しみである。

こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラ (撮影=鈴木久美子)

こぱんだウィンズ from ぱんだウインドオーケストラ (撮影=鈴木久美子)

サンデー・ブランチ・クラシック、次回もお楽しみに!

プロフィール
こぱんだウインズ(木管五重奏)fromぱんだウインドオーケストラ

■ぱんだウインドオーケストラ
2011年、同年の東京藝大入学生を中心に結成。楽団名は時を同じくして上野にやってきた二頭の“パンダ”に由来。所属する団員は続々と国内外のコンクールで入賞を果たしてきており、まさに次世代を担う管打楽器プレイヤーがそろう新進気鋭の吹奏楽団である。これまでにTV朝日「題名のない音楽会」に出演。2016年6月にはNHK-Eテレ「ららら♪クラシック」に出演予定。
最新CDは2015年12月発売「PANDASTIC!!~Newest Standard~」(日本コロムビア)。2016年3月に山田和樹らをゲストに迎えて開催した記念コンサート(東京藝術大学奏楽堂)は全席完売となった。結成当時より、新時代のウインドオーケストラとして管打楽器ならではの熱意ある活動を続けている。

◆大久保 祐奈(フルート)
京都市出身。東京藝術大学大学院に在籍。京都市立京都堀川音楽高校を卒業、東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。学内にて安宅賞、アカンサス賞、三菱地所賞受賞。モーニングコンサート、室内楽定期、新人紹介演奏会に出演。平成26年度青山財団奨学生。第15回びわ湖国際フルートコンクールアドヴァンス部門第2位併せてオーディエンス賞受賞。 これまでに幸脇直人、中川佳子、小久見豊子、中務晴之、高木綾子、神田寛明、各師に師事。ぱんだウインドオーケストラ団員。

◆山本 楓(オーボエ)
栃木県出身。東京藝術大学を卒業後、現在、同大学大学院音楽研究科修士課程に在籍中。 2010年第7回日本管弦打楽器ソロ・コンテスト高校生木管楽器部門グランプリ受賞。2013年第18回コンセール・マロニエ21木管部門第2位。大学在学中、室内楽定期演奏会、モーニングコンサート、同声会新人演奏会等に出演。平成26年度公益財団法人青山財団奨学生。平成27年度公益社団法人日本演奏連盟宗次エンジェル基金奨学生。これまでに斎藤享久、田渕哲也、河野剛、青山聖樹、小畑善昭、和久井仁の各氏に師事。ぱんだウインドオーケストラ団員。
 
◆藤田 華(クラリネット)
兵庫県出身。12歳よりクラリネットを始める。兵庫県立西宮高等学校音楽科を卒業。今春、東京藝術大学音楽学部を卒業。芸大モーニングコンサートにて澤和樹指揮、芸大フィルハーモニアと共演。これまでにクラリネットを藤井一男、池松郁、鬼頭典子、山本正治の各氏に師事。室内楽を十亀正司、小池郁江の各氏に師事。ヴェンツェル・フックス、ミシェル・アリニョン、タラス・デムチシン各氏のマスタークラスを受講。ぱんだウインドオーケストラ団員。

◆矢野 健太(ホルン)
東京都出身。13歳よりホルンを始める。日本大学豊山高校を卒業。今春、東京藝術大学音楽学部を卒業。これまでにホルンを守山光三、西條貴人、日高剛、伴野涼介の各氏に師事。室内楽を岡本正之、日高剛、伴野涼介の各氏に師事。またウォルフガング・トムベック、アンドレカザレの各氏のマスタークラスを受講。ぱんだウインドオーケストラ団員。
 
◆皆神 陽太(ファゴット)
1993年 茨城県ひたちなか市うまれ。中学校の吹奏楽部でファゴットをはじめる。2011年 茨城県立佐和高等学校普通科を卒業後、2015年 東京藝術大学音楽学部器楽科ファゴット専攻を卒業。卒業時に同声会賞と茨城県新人賞を受賞。第13回東京音楽コンクール木管部門入選。これまでにファゴットを岡崎耕治氏、吉田將氏に師事。ぱんだウインドオーケストラ団員。  

 

サンデーブランチクラシック情報
7月24日(日)
鈴木雅美/ソプラノ
第1部 13:00~13:30 / 第2部 15:00~15:30
会場:eplus LIVING ROOM CAFE&DINING
MUSIC CHARGE:500円


公式サイト:http://eplus.jp/sys/web/s/sbc/index.html​
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