江本純子が初監督映画『過激派オペラ』( R15+指定) で劇団員たちを狂おしくエロエロに描く
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『過激派オペラ』ポスター(C)2016キングレコード
劇団「毛皮族」主宰の江本純子による初監督映画作品『過激派オペラ』( R15+指定)が、10月1日よりテアトル新宿にてレイトロードショーとして公開される。〝女たちが繰り広げる15分に1度の剥き出しの愛―。”とのキャッチコピーどおり、観客は女たちの過激な剥き出しをふんだんに目の当たりにさせられることだろう。
監督を務める江本純子は、劇団「毛皮族」を2000年に旗揚げ以来、主宰・作・演出・出演を担当。『エロエロ大作戦』(2001年)、『エロを乞う人』(2002年)、『小さな恋のエロジー』(2010年。岸田戯曲賞候補作)など、国内外で露出度の高い猥雑な舞台を次々に発表し、人気を集めてきた。劇団公演は2015年より休止中だが、「財団、江本純子」と銘打った、「毛皮族」とは一味違った演劇プロデュース公演を引き続き続行させている。
そんな彼女、今回、初めて長編映画を監督するにあたり、2006年に本人が書いた自伝的小説『股間』を原作とした。“女たらし”の女演出家が一人の女優と出会い、劇団も恋愛も成功し、やがて挫折していく様を、辛辣かつユーモラスに描いた。狂熱的な主人公を取り囲む女優たちの嫉妬や欲望、剥き出しの感情が交錯する、独自の青春群像劇として仕上がっている。
『過激派オペラ』(C)2016キングレコード
主演は『ケータイ刑事銭形雷』『怪談新耳袋絶叫編』で主演を務め、小出早織から改名後も『百円の恋』『瀬戸内海賊物語』など話題作に出演する早織と、『ゾンビアス』で主演を務めた、元・天才テレビくん出身の中村有沙。乳房もあらわにディープキスや激しいベッドシーンに挑み、感情も肉体も全て剥き出しにさせたダブル主演の二人の熱演ぶりは特に注目だ。
個性溢れる劇団員を演じるのは、桜井ユキ、森田涼花、佐久間麻由、後藤ユウミ、石橋穂乃香、今中菜津美。加えて演劇界から宮下今日子、遠藤留奈、梨木智香、大駱駝艦、安藤玉恵、高田聖子が参加し、脇を強力に固める。さらにはライバル役として趣里、増田有華が華を沿えるのも見逃せない。
レズビアンの過激な性描写が話題となったフランス映画『アデル、ブルーは熱い色』を彷彿とする向きもあるかもしれぬが、そういうことも含めて江本ならではの赤裸々感をたっぷり堪能しようではないか。「毛皮族」や江本のファン、あるいは小劇場演劇ファンにとって必見なのは当然である一方、フツーの恋愛では物足りないイマドキの女子たちにも見届ける価値のある作品といえそうだ。
■監督:江本純子
■原作:『股間』江本純子(リトルモア刊)
■脚本:吉川菜美、江本純子
■製作:重村博文
■プロデューサー:梅川治男、山口幸彦
■音楽:原田智英
■撮影:中村夏葉
■照明:大久保礼司
■美術装飾:SAORI
■録音:深田 晃
■編集:小林由加子
■企画・製作プロダクション:ステューディオスリー
■製作:キングレコード、ステュ-ディオスリ-
■配給:日本出版販売
■宣伝:キャットパワー
ビスタ|デジタル|90分|5.1ch|2016年|日本映画|R15+|©2016キングレコード