石橋史生(ピアノ) 深遠なるピアノ音楽世界のエッセンス
2016.7.5
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石橋史生(ピアノ)
北海道教育大学を経て東京芸術大学大学院やミュンヘン国立音楽大学マイスタークラスに学び、ドイツのギムナジウムで講師として音楽教育に携わった経験もあるというピアノの石橋史生。1993年に帰国し、翌年にリサイタル・デビューを果たして以降、ソリストとしてはもちろん、声楽や管弦楽器奏者のパートナーとしても卓越した能力を発揮するなど、精力的な活動を続けている。その一方で、現在は東京学芸大学教授として、後進の指導にも力を注いでいる。
毎回、時空を超越するような感覚が味わえる、個性的な選曲で知られる石橋のリサイタルだが、今回はさながら“鍵盤楽器のための音楽の歴史”を俯瞰するプログラム。バッハのパルティータ第5番とバロックに始まり、ベートーヴェンのソナタ第4番と古典派、ロマン派からはショパンの即興曲第1〜3番、そして近代の作品であるスクリャービンのソナタ第3番と時代を下ってゆく。それはまた、石橋の深遠な音楽世界のエッセンスでもある。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)