代官山LOOPに天使の歌声が響く アーティスト・ELISAが奏でる声音に会場中が大絶賛

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2016.7.9
ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

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ELISA Live 2016 “ANICHRO” 2016.6.25(SAT) 代官山LOOP

2016年6月25日(土)代官山LOOPにて、『ELISA Live 2016 “ANICHRO”』が開催された。当日は300人近くのファンが会場に集まり、アーティスト・ELISA(エリサ)の登場を今か今かと待つ様子が伺える。こんなにもオーディエンスの心を惹き込む彼女のライブとはどのようなものなのだろうか。彼女はクリスタルボイスと言われる美声を持ち、その姿からは、どこかあたたかな、優しさを感じることができる。ステージに立つ光景は、まるで天使が降臨したかのようだった。

ELISA 撮影=野島亮佑

ELISA 撮影=野島亮佑

幼少期からピアノを習い始め、高校1年生から声楽の勉強を開始する。培ってきた経験を活かし、これまでアニソンアーティストとして、代表作にテレビアニメ『ハヤテのごとく!!』オープニングテーマや『魔法科高校の劣等生』エンディングテーマを担当してきたELISA。その功績から、アニメ音楽の祭典『Animelo Summer Live』に2008年から4年連続で出演するという快挙を成し遂げた。その後、2013年にはテレビアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』のエンディングテーマ「そばにいるよ」を自らの作詞でリリースするなど、ELISAにしか歌えないオリジナリティあふれる楽曲を武器に、国内のみならず海外でも人気のあるアニソンアーティストだ。

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

開演と同時に会場の照明が落とされ、バンドメンバーに続いて暗闇の中からELISAがステージに登場した。彼女の登場に、会場中から歓声が沸き起こる。「行くよ!」というELISAの一声と同時に、1曲目の「忘れない記憶は、キミの物語」からワンマンライブがスタート。観客の掛け声と色とりどりのサイリウムが場内を照らしていく。透き通った歌声に力強さを感じながらも「Special“ONE”」「Reminiscence」と、2曲続けてポップかつ迫力ある歌で見る者を圧倒した。

ELISA 撮影=野島亮佑

ELISA 撮影=野島亮佑

歌い出しから盛り上がりを見せるフロアに、彼女は笑顔を向けて応えていく。普段は白色の衣装を身にまとっているイメージが強い彼女だが、今回は新譜の『ANICHRO』に掛けて黒い衣装で登場した。いつもと違う衣装にELISAが「どうですか?」と少し緊張気味に問いかけると、会場から拍手が炸裂。熱気が高まったところで、カバーミニアルバム『ANICHRO』から「君をのせて」「プラチナ」「ジョジョ~その血の運命~」「秘密基地」に加えて「愛・おぼえていますか」とカバー曲を連続で披露していく。バンドメンバーの奏でる音色にソプラノボイスが共鳴し、オーディエンスの鼓膜を揺らしていった。

ELISA 撮影=野島亮佑

ELISA 撮影=野島亮佑

中盤に入るとテレビアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』のエンディングテーマとしても起用された「そばにいるよ」を熱唱。この曲は、ELISAのアグレッシブな一面を見せたと言っても過言ではない。そのまま立て続けに「REALISM」「God only knows」とオペラの経験を活かした白熱した雰囲気を醸し出していった。魂を込めて放たれるその歌声には、オーディエンスも思わず静観してしまうほど。

MCでは、解禁情報をなかなか焦らして言わないELISAに、バンドメンバーから「全然天使じゃない!」とツッコミを入れられる場面も垣間見えた。それに対して「あとでバンドメンバー紹介しないんだから!」とあどけない会話を交わし会場が笑顔で包まれていく。

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

続いて7月放送のテレビアニメ『91Days』エンディングテーマの「Rain or Shine」を初披露。ジャズテイストのリズムに1番は「ラララ」だけという歌い出しに驚いた。もちろん、この部分には意味があり、ELISAから「言葉を入れないことで作品の世界観を表現したかった」という想いが告げられる。

その後、本編はラストスパートへ。各ナンバーを持ち前のポテンシャルと煽りで盛り上げつつ曲中に「みんな、一緒に歌ってください!」と全員のシンガロングで気持ちを一つにする光景はまさに圧巻。ライブの集大成を目の前で見せつけられた瞬間だった。興奮と感動を一度に体験したかのような感覚を覚えつつ、ライブが締めくくられる。

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

ELISA 撮影=Smile Company Ltd.

ELISAがステージから去った後、会場中は「ELISA」コールで満たされた。“まだまだ物足りない!”というファンの気持ちに応えるように、ライブTシャツを着たELISAとバンドメンバーが再びステージに姿を現して彼女のデビュー作でもある「euphoric field」を「ebullient future」とのメドレーで歌い上げる。「みなさん、アンコールありがとうございます!」と感謝の言葉を露わにする彼女からは“聴いてほしい”という想いを感じ取ることができた。ライブハウスという場所で、観客との距離が近いからこそ伝えられる気持ちがある。「Dear My Friend-まだ見ぬ未来へ-」とライブの最後を締めくくる「ミレナリオ」は、フロアのファンとの絶唱に“ライブ”というものの在り方を再確認させられた。

ELISA 撮影=野島亮佑

ELISA 撮影=野島亮佑

優しい音色で視聴者すべてを魅了するアーティスト・ELISA。歌いながらも、会場の隅々を見渡し、一番後ろの人にも楽しんでもらおうとする姿勢が本当に気持ちいい。会場にいるすべての人が笑顔になることができたのは、ELISAの感謝の想いがライブに表れているからだと思う。


文=野島亮佑
 
リリース情報
シングル 「Rain or Shine」
Rain or Shine

Rain or Shine


発売日:2016年8月31日(水)
~TVアニメ『91Days』エンディングテーマ~
■期間生産限定盤 CD+BD
品番:SECL1980-1
価格:1,389円(税抜)
■通常盤 CD
品番:SECL-1982
価格:1,111円(税抜)
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