おっちゃん&ミンジュの怪しいK-Pop喫茶[第13話] タイガー&ドラゴン

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龍虎 相まみえる

龍虎 相まみえる

 
 

ティファニー『Heartbreak Hotel(Feat. Simon Dominic)』

ミンジュ「はぁーん…これはしみじみええ歌やなぁ」
おっちゃん「うむ、確かにそれはええ。ティファニーのソロ曲の中じゃ、一番好きかも」
客「え、ティファニーて少女時代の? あの娘ソロ活動しとったん?」
ミンジュ「なんやねん、今頃。5月の中旬にデビューアルバム出してソロ活動始めたん、結構話題になったやん」
客「知らんかったわぁ。オレ、ティファニーちゃん、めっちゃ好きやのに」
ミンジュ「そら勉強不足やったね(ふふん)」
おっちゃん「SMは最近アイドルグループのバラ売りに力を入れてて、一昨年はスーパージュニアのキュヒョン、チョウミ、SHINeeのテミンがソロデビュー、去年はテヨン(第5話参照)、そんで今年はスーパージュニアのイェソンやf(x)のルナ、そしてティファニーがソロ参戦。さらに冬にソロデビューを目指してソヒョンも鋭意準備中ゆう噂や」
客「へー」

ティファニー『I Just Wanna Dance』

おっちゃん「ティファニーのデビュー曲はこれね」
客「おおっ、意外とゆうか、彼女らしいとゆうか」
おっちゃん「そうやねぇ。ティファニーって娘は15歳までロスで育ったせいで、見た目はアジアンやけど中身は完全なアメリカン。ピンク大好きで少女趣味のくせに、やたらセクシー衣装で肌を露出したがる。おしゃべりでのべつ考えなしにしゃべり倒す割に、メンバーいち大人の思考をするとしてみんなの相談役になったりしている。なかなか矛盾を秘めた魅力の持ち主やが、この曲も彼女のイメージからすると、らしい部分と相反する部分を包含しておるね」
ミンジュ「ティファニーねえさんはOSTなどソロやデュエットで歌うときはバラードが多かったけど、これはアメリカのティーン歌手が歌いそうな曲やね」
客「それにめっちゃ踊ってるやん」
おっちゃん「そうそう、そこも意表をついてたわ。グループの中ではあまりダンスが得意ではない彼女も、ソロデビューに向けてめちゃめちゃ練習したらしいで。激しい運動で日に日に痩せていったけど、ソロデビューすることは外部に内緒にしてたから病気やと思われたんやって」
客「へー」
ミンジュ「テヨンねえさんも、“振付を最初に見たときに心配になった”ゆうてたくらい難易度が高いダンスやもんね」
おっちゃん「練習の甲斐あって、きっちり踊れとるようやな。これ、膝あてしてないと、2~3回踊るだけで膝小僧が痣だらけになるんやて」
客「そやろなぁ」
おっちゃん「『I Just Wanna Dance』はテヨンみたいな爆発的な売れ方はせんかったけど、音楽番組で1位を獲ったし、まぁまぁソロデビューは成功ちゅう印象を受けた。だがしかし、ほぼ同時に恐るべきライバルがデビューしておったんや」
客「恐るべきライバル?」
おっちゃん「そお。かつての同僚、元少女時代のジェシカや」
客「ええーっ、彼女歌手をやめたんじゃ…」
ミンジュ「実はやめるとはひと言もゆうてなかったんよねぇ」
おっちゃん「少女時代離脱後も、ファッションデザイナーとして世界中を飛び回りながら、イベント開催したり中国の映画に出るなどしていたし」
ミンジュ「恋人のクォン・タイラー氏が手に入れた芸能事務所のコリデル・エンタに移籍したのも、芸能活動を続けたいちゅう意思の表れやろうね」
客「なるほど」
おっちゃん「そんで“ファンの要望に応えるため”って名目で、出したのがこの曲や」

ジェシカ『Fly』

客「おー、これはいかにも彼女らしい軽やかな曲やね」
おっちゃん「そやね。ただ、問題はこれがティファニーのソロデビューの翌週にリリースされたってことや」
客「ぴゃー。それは露骨な…」
ミンジュ「やっぱ、露骨にぶつけてきたって思うよねー。タイミング的に」
客「え、ちゃうの?」
おっちゃん「そのことに関しては、ティファニーのリリース時期がずれ込んだせいもあるし、真相は藪の中や。ただ少女時代の中でも人気のあるふたりやし、同じカリフォルニア出身、それどころか産院まで同じとゆう因縁浅からぬ仲やから、いろいろと妙な憶測が飛び交ったのは確かやな」
ミンジュ「図式的には因縁の対決、龍虎の激突って感じで、いかにもマスコミが喜びそうなタイミングになったからね」
客「ふたりはそのことについてなにかゆうてるの?」
おっちゃん「ティファニーはSMを背負ってる関係上、はっきりとはゆえへん立場やけど“ウチ以上に努力した人もおるはず。ウチも含めみんなうまくいったらええと思う”と遠回しに質問に答えたな。ジェシカはもっとはっきりと“ティファニーの曲を聴いてMVも観た。ええと思う。素敵に活動して欲しい”と、まぁ互いにエールの送り合いって感じやな」
客「で、激突の結果はどおやった?」
おっちゃん「音源配信はどちらも1位になってドロー。テレビでは、さっきもゆうたけどティファニーは積極的に活動して音楽番組で1位獲った。一方ジェシカは本格的な復帰やなくこの曲で活動した訳やないけど、1位候補にはあがった。つまりテレビ的には僅差でティファニーの勝ち。一方CDの売り上げではジェシカが今年のソロ歌手としては1位となる7万枚を売り上げて勝利ってところやね」
客「ほー、さすが少女時代および元少女時代。ミンジュちゃんとは全然ちゃうな」
ミンジュ「放っとけや」
客「マスターはどお思うてるの?」
おっちゃん「この対決を? そやなぁ、CDは両方買うて聴き込んだけど、ティファニーは少女時代の中におったらええけど、ソロやと厳しいかもと思うた」
ミンジュ「お、いきなり辛口批評(笑)」
おっちゃん「ティファニーはホンマに歌うのが大好きな娘でなぁ。親の反対を押し切って家出同然に渡韓して来たくらい歌手になりたかったんや。その気持ちは十分わかってるけど、ちょっと声に問題があるような気がする」
客「問題? 可愛ええ声やないの」
おっちゃん「普通に話してる時や、ちょっと聞いてる分にはハスキーで独特の色があって、少し舌足らずで魅力的やとワシも思うんやけど、声を張るととたんに硬くなって角が立つよおになることに、今回アルバムを聴いて気づいたんや」
ミンジュ「あー、ゆわれてみれば」
おっちゃん「刺激的ゆうか、耳に刺さる響きになるねん。そおゆうたらコンサートで“みんな一緒にーっ!”とか叫ばれると耳がキンキンしとったなぁーって思い出した」
客「へー、ワシ気づかんかった」
ミンジュ「その点ジェシカねえさんは対照的やね」
おっちゃん「そやね、ジェシカはどこまでも澄んだ甘い響きで、声を張っても決して刺激的にならない。まさに天上の声のようや。音程やリズム感も含め、歌手としての資質はジェシカの方に分があるのは間違いない」
客「まぁジェシカちゃんの声は唯一無二やからね。ほな、おっちゃんは今回の勝負、ジェシカちゃんの勝ちやと?」
おっちゃん「ところがそお簡単やないんよ」
客「(かくん)なんやねん、もお」
おっちゃん「ジェシカのアルバム『With Love,J』は、グラミー賞受賞の実力派プロデューサーのケイマックが製作の手助けをしとるし、タイトル曲はジェシカ自ら作ってて、それなりに力が入ってるけど、全体におとなし過ぎる気がする。ジェシカは少女時代随一のアイドル力を誇ってた娘やから、『バービーガール』とか『冷麺』とか歌わせたら絶品なんやけど、そうゆう類の歌が今度のアルバムにはまったく入っておらん」
客「そらもお28歳(韓国年齢)やからねぇ。露骨にアイドルアイドルした歌は歌わんやろう」
ミンジュ「おっちゃんは辛口なことゆうけど、アルバムの売れ行きは良かったんでしょ?」
おっちゃん「良かったけど、その大半は既存のファンが買うたもんやろ。新たなファンを獲得するためにも、もっと彼女の魅力を押し出して欲しかった」
客「まぁダンスがゆるゆるなのはワシでもわかったけどな」
おっちゃん「そおゆうとこやねん。今回のソロ活動は全体に“ご挨拶”って感じで、ジェシカはまだ本気出してない気がする。そこゆくとティファニーの方はダンスパフォーマンスを見ても全力で勝負かけてるやん」
ミンジュ「常に全力なのがSMの伝統やからね。たぶん社長が藤岡弘、なんやろな」
客「全力学園か!(©島本和彦)」
おっちゃん「アルバムの出来としても、金のかかり方も楽曲の出来もサウンドも、ティファニーのアルバムの方が確実に出来がええ」
客「ティファニーの持ち味を生かしとると?」
おっちゃん「いや、歌手が誰であろうと、や。楽曲とサウンドはええ」
ミンジュ「(こけ)あかんやん」
客「金はかけてるけど、ティファニーにマッチしてないゆうてるようなもんやないか」
おっちゃん「まぁワシの心の中のティファニーは、今でもこんな感じやからな」

少女時代『It's Fantastic』(2009年)

客「あら可愛ええ」
ミンジュ「ジェティヒョン(ジェシカ・ティファニー・ソヒョンのユニット)かぁ、懐かしいなぁ」
おっちゃん「この頃はティファニーが天然エロエロ娘になるとか、シカとパニがタイガー&ドラゴンになるとか、思いもしなかったなぁ(さめざめ)」
ミンジュ「結局、ティファニーねえさんのアルバムもそんなに気に入ってない訳やね」
おっちゃん「ま、そゆこと(えへへ)」
客「ほんならこの対決、どっちの勝ちやねん?」
おっちゃん「んー…ドローっ!」
ミンジュ「(ずるっ)内村プロデュースかよっ!」
おっちゃん「とにかく少女時代すらバラ売りとなったこの掟なき時代に、彼女らのソロとしての課題は母体である少女時代を超えられるかってことやったんやが、残念ながらそこまでは到達できなかったようや」
客「あら、厳しい」
ミンジュ「そやけど、おっちゃんがゆうように、ジェシカねえさんは“まだ本気出してないだけ”やし、ティファニーねえさんはSMのデジタルチャンネル『STATION』から早くも2枚目のシングルを出したし、勝負はこれからやないかなぁ」
客「その2枚目のシングルが最初に聴いてた『Heartbreak Hotel』なんやな」
ミンジュ「そおそお。この曲もそおやけど、ティファニーねえさんは海外で売り上げがええみたい」
客「なるほどー。因縁のふたりのソロ対決、今後が楽しみやなぁ」
おっちゃん「まぁその永遠のライバルも、テヨンが今月出したアルバムに売り上げであっさり抜かれちゃったけどな(笑)」
客「(ずるっ)あかーん」
ミンジュ「今までの話が台無しやないか(呆)」

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