SAKANAMON 『SAKANAMON MOT AGE TOUR 2016』ツアーファイナル公演公式レポート
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SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
『SAKANAMON MOT AGE TOUR 2016』
2016.7.18 SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
SAKANAMONが、4月20日にリリースした4枚目のフルアルバム『HOT ATE』を引っ提げ全国8ヵ所を回ったワンマンツアー『SAKANAMON MOT AGE TOUR 2016』のファイナル公演が、7月18日にSHIBUYA TSUTAYA O-EASTで行われた。『HOT ATE』は初めてほぼセルフ・プロデュースで作られたアルバム。相変わらず楽曲の振り幅も広く、ジャンルも方向性もバラバラな曲が集まった『HOT ATE』だが、不思議と“SAKANAMON”というジャンルが確立されたような手ごたえを感じた作品。この楽曲たちがライブでどのように鳴らされるのか、非常に楽しみである。
SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
開演18時、SEに乗って藤森元生(Vo/G)、森野光晴(B)、木村浩大(Dr)が登場すると、藤森の「SAKANAMONです!」という勢いのいい宣言後「アイデアル」でファイナル公演がスタート。続く「幼気な少女」「ミュージックプランクトン」で早くもフロアは大合唱。『HOT ATE』から、SAKANAMON独特の和的なサウンドに歌詞が弾ける夏の曲「お祭りランドスケープ」、ヘヴィなサウンドに軽快なメロディがクセになる「ラストボス」や森野の作曲による「A」をプレイ。まだまだ序盤にも関わらず、惜しみなく『HOT ATE』の新曲を投下。ライブで初めて聴くオーディエンスも多いはずだが、そんなことは微塵も感じない。フロアはすでに物凄い一体感に溢れていた。
SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
おなじみのメンバー紹介後、藤森の奇抜なダンスがこの曲が始まる合図となっている「ぱらぱらり」では、海の日にちなんで様々な水泳の技法を披露しフロアは爆笑に包まれる。「1年に約8,000種類の新種の生物が発見されている」という藤森の博学なMCに続くのは「UMA」。ジャズやファンク要素もある『HOT ATE』の中でもチャレンジングな藤森お気に入りの一曲だ。
今作『HOT ATE』について、「“プレイリスト”って好きな曲だけを並べていくでしょ?最新作が最高って言う人もいるけど僕は人生のプレイリストみたいなアルバムを作りたい」という藤森の語りかけに次ぐ曲は「アステリズム」。メロウなダンスチューン「スティッキーフィンガー」を経て、アルバムではラストに収録されている「追伸」。この曲について、制作期限が迫る中歌詞も出来ずに、お酒を飲みながら一晩中近所を放浪している時に出来た曲だと静かに語り始めた藤森。「普段はうっぷんやムカつきを曲にするけど、お客さんへの感謝や、待ってくれているメンバー、日常への感謝を忘れちゃいけないな、とふと浮かんできた」。壮大な曲に身を任せた後は、打って変わってSAKANAMONのパリピこと木村の“AGE(アゲ)”コーナーへ突入。「HOT AGE」で木村もフロアも全身全霊の“AGE”を放ち、「マジックアワー」「アリカナシカ」と狂騒のダンスタイムへ。
SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
そして興奮冷めやらぬフロアへ「5年後も10年後もずっと聴き続けられる曲を3人で作り続けて行きます。これからもSAKANAMONについて来て下さい!」と森野が熱く告げると、すべての音楽好きへ捧げる『PLAYER PRAYER』を投下。続けて藤森がハンドマイクでフロアを煽りまくる「TOWER」、“僕らのような社会不適合者も捻くれ者も駄目な人もすべて受け入れるから、皆一緒に突き進もう”というSAKANAMONのテーマ曲とも言える「UTAGE」で本編は終了。
SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
アンコールは、観客の拍手の大きさでプレイする曲を決めるというイベントでスタート。選ばれた“ピコピコした曲”=「脳内マネジメント事情」で盛り上がった後は、名盤「浮遊ギミック」のリリース5周年を記念して下北沢BASEMENT BARで企画を行うこと、秋に東名阪の対バンツアーを行うことを発表。そして、どうしてもファイナルでファンの皆に聴かせたくて制作した「先週出来たばかり」という新曲を披露。ラストは会場全員の「つまんねえよ!!」という渾身のコールが巻き起こった「TSUMANNE」で締め括った。全23曲、振り幅の激しい「HOT ATE」の収録曲すべてを披露、このツアーがいかに充実したものだったのかが窺い知れる3人の表情だった。SAKANAMONの楽曲にはポジティヴとは違う、駄目なところも情けないところも弱さも、すべて受け入れてひたすら前に突き進む、天然とも言えるある種の揺るぎない強さみたいなもので私たちを引っ張って行ってくれる、不思議な魔力のようなものがある。このツアーでその力がさらにパワーアップし、相変わらず卑屈も全開ではあるけれど、今の彼らからは自信も感じる。秋の対バンツアーも期待せずにはいられない。
SAKANAMON 撮影=Taku Fujii
2016.7.18 SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
02. 幼気な少女
03. ミュージックプランクトン
04. ばかたれ
05. お祭りランドスケープ
06. 開放レシラソミー
07. ラストボス
08. A
09. ぱらぱらり
10. ケセラセラ
11. UMA
12. アステリズム
13. スティッキーフィンガー
14. 追伸
15. HOT AGE
16. マジックアワー
17. アリカナシカ
18. PLAYER PRAYER
19. TOWER
20. UTAGE
[ENCORE]
21. 脳内マネジメント事情
22. 新曲
23. TSUMANNE
9/21(水)@下北沢BASEMENT BAR・
FC先行受付 7/19(水) ~7/25(月)
一般発売 7/30(土)
ローソン
※問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
11/13(日) 心斎橋Music Club JANUS
11/14(月) 名古屋CLUB QUATTRO
11/30(水) 渋谷CLUB QUATTRO
※ゲストバンド後日発表