『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』日本初のアリーナショー、果たしてその初日公演は

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2016.7.23
ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

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SPICEにて半年以上追いかけていた『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』が7月22日にさいたまスーパーアリーナにて初演を迎えた。アリーナという会場を使った大規模なこの公演は、どんなに説明を受けても想像ができず、製作発表からこの日に至るまで幾度となくキャスト・スタッフへインタビューや、稽古場のレポートをおこなってきたが「追いかけ続けたのは間違いじゃなかった」と、胸を張って読者の皆さんにお届けできるショーに仕上がっていた。

会場に到着すると、入場を待ちわびる人々であふれていた。待機列の他にも、場外に設営された道具屋(グッズ売り場)、スライムタワーのかき氷に並ぶ人もいる。この道具屋は場内に入ると売っているアイテムが限定されてしまうので入場前に購入する事をオススメしたい(特に「ステテコパンツ」はこの冒険のマストアイテムだ)。

会場の外の様子  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

会場の外の様子 (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

フォトエリアも!  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

フォトエリアも! (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

座席へつくと何やら丸くて白い時計のようなブレスレットがかけてあるので、失くさないように装備しよう。耳をすませると色々なところからドラクエにまつわる話が聞こえてくるが、やはりみんな場内に入った瞬間に「すごい!」と大きな声を出す。何がすごいのか・どのようなストーリーなのかは前回の公開リハーサルレポートをご覧頂けると幸いだ。

開場から開演までの時間はなんとなく退屈しがちなものだが、本公演では開演20分ほど前から舞台でキャストによるちょっとした余興がある。このショーの面白いところはこういった余興から物語のスタートが区切られることなく、本当に自然な形で観客を物語へ引き込んでいくことだ。冒頭のストーリーテラーを務めるトルネコ(芋洗坂係長 ※7月28日~31日のさいたま公演・福岡公演は我善導)の違和感のなさといったら。どこからどう見てもゲームに登場する商人・トルネコでしかない。

トルネコ  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

トルネコ (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

トルネコの語りから『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』が始まる。スクリーンに映し出されるドラゴンクエストのロゴと、アリーナに響き渡るすぎやまこういち氏の音楽、目の前で喋り動くキャラクターたちの姿に「ああ、これはドラクエだ」と開始10分で理解した。周りを見渡すと家族連れが多く、おそらく初代からのプレイヤーであろうお父さんは感動で涙し、子どもは楽しそうに舞台に向かって大きく手を挙げる。世代を超えて受け継がれる想いを客席からも感じてしまい涙する筆者。

親から子へ受け継がれる意思  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

親から子へ受け継がれる意思 (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

本公演のストーリーのベースとなるのは『ドラゴンクエストⅢ』だ。魔王バラモス討伐のために勇者(松浦司)は、テリー(風間俊介)、アリーナ(中川翔子)、パノン(田中精)、ヤンガス(田尻茂一)の4人の仲間と共に旅に出る。6つのオーブを手に入れる事でバラモスの城までの道がひらかれるというのだが……。

細部まで再現されたモンスターたち  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

細部まで再現されたモンスターたち (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

作り込まれた舞台の上を端から端まで走り、映像と音楽を完全にリンクさせて挑まなければならないキャストの労力は半端なものではないと思う。しかし、舞台にたつキャストたちからは本当にこの舞台を楽しんでいるという印象しか受けない。観客がドラゴンクエストが好きでこの公演を見に来たように、舞台に立つ者たちもドラゴンクエストが好きで、自分が憧れのキャラクターとして冒険に出ている事が楽しくてたまらない。そういった気持ちが表情に、動きに、台詞にあらわれる。だからこの公演のキャストたちには“役を演じている”という違和感がないのだ。

これほどまでに『ドラゴンクエスト』という作品を猛プッシュしているわけだが“ドラゴンクエストをプレイしたことがない”という人も、キャラクターたちがしっかりとドラクエの世界に連れて行ってくれるので何の心配もいらない。最初はキャラクターの名前を覚えるのが大変かもしれないが、そこは初めて見る映画のようなもので見ているうちに覚えるから大丈夫。

もちろん作品を知っていればこそ楽しめる部分もありつつ、メインのキャラクター以外が繰り広げるポールダンス・エアリアル・マーシャルアーツなどはストーリー無しでも充分に楽しめる。“ドラゴンクエストを知っていないと楽しめない”そんなショーは本物のエンターテインメントではない。

舞台全体  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

舞台全体 (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

そして、このショーの最大の魅力はスケールが大きいのに距離を感じないこと。アリーナサイズの会場だと2階席以上離れてしまうとキャストが見えないのでは?という不安もあると思うが、写真を見て頂いて分かるように舞台が凄まじく大きいので、フロアの席からは自分の近くで起こっている動きはばっちり見えるだろうが全体の動きを見ると難しい。

舞台に近い席で臨場感たっぷりの冒険を見るのも良し、離れた席から舞台の全体を見るも良し、楽しみ方は無限にある。ショーの合間に発生する観客参加型のイベントでは、キャストたちは舞台だけでなく客席まで来てくれるのでハイタッチだって可能だ。そして、1度このショーを見た人のなかでもう一度見る機会があるという方は、是非1度目とは反対側のエリアから見てほしい。1度目の公演では見れなかった動きや新しい発見がきっとあるはず。


本番への意気込み  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

本番への意気込み (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

また、公演直前のマスコミ向けにおこなわれた取材ではキャストたちが意気込みを語った。

勇者役:松浦司
お客様から見えている映像は、僕たち(キャスト)はスクリーンの中に入っていると見えないんです。立ち位置と映像、そして音楽をちゃんと合わせていく作業は本当に難しかったですが、沢山の稽古をして、演劇でもなくライブでもなく全てがひとつになってみんなの想いが集まった素敵なショーになったなと感じています。ここから伝説が始まるんだというわくわくとした感情があふれています。

テリー役:風間俊介
ついに電源を入れて冒険をスタートさせる時がきました。テリーは、ずっと前から知っているキャラクターなので役作りが必要なかったです。イメージで入れるというか。歴史上の人物を演じているような、演じるよりもすんなりといけたのが不思議な感覚でしたね。「風間はテリーじゃないだろ」と言うのは当然だと思いますが、それは普段の風間をイメージするからだと思います。僕は今回、風間を捨てたので(笑)。皆さんに格好いいと思っていただけるようなテリーでお待ちしています!

アリーナ役:中川翔子

この公演のためにアクションやバレエのトレーニングをしてきたんですが、なんと1週間の合宿で3キロ痩せました。でも食べないと倒れてしまうので自分で料理をするようになって「あれ、女子力上がってきたんじゃない!?」と(笑)。でも髪の毛を切ってから色々と面倒で、お風呂に入って髪も乾かさずにすっ裸で筋トレをするというおじさん度もあがりました(笑)。女子力とおじさん力、レベルアップです。父が早くに亡くなったんですが、ドラクエの音楽を聞くと父とドラクエについて話した思い出がよみがえります。興奮しすぎるとケガにもつながるので『いのちだいじに、ガンガンいこうぜ』で40公演を乗り切りたいと思います。


トルネコ役:芋洗坂係長
ここにいる3人の中で唯一、私だけが外からお客様が見ているのと同じように舞台を見ることが出来るんですが本当にね……良いよ(笑)。これから何万人というお客様がこのステージを見てくれると思いますが、それぞれが自分の意志で会場に集まって盛り上がる。そして本当にここから伝説になっていくのではないかと思うと楽しみでなりません。



再演なしのこの夏だけの一発花火、今年はみんなで旅にでよう。

撮影=原地達浩 文=田口紫穂
ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアーをより楽しむための情報
道具屋  (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

道具屋 (c)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.


1. 道具屋(グッズ売り場)にて「ステテコパンツ ハンドタオル」を手に入れるべし
2. 座席に置かれている時計のようなブレスレットは必ず手首につけるべし(※持ち帰り不可)
3. 開演前からキャストたちが舞台で色々なお話をしているので時間に余裕を持って来場するべし
4. 開演すると場内の明かりは非常灯含め消灯されるので開演時間前には着席するべし
5. 途中20分間の休憩は、お手洗いが混雑するのでなるべく来場時に済ませるべし
6. ガンガン行くべし

 

イベント情報
『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』

■公演日程/会場
さいたま公演
2016年7 月22 日(金)~31 日(日) さいたまスーパーアリーナ ※7月25~27日休演
福岡公演
2016年8 月5 日(金)~7 日(日) マリンメッセ福岡
名古屋公演
2016年8 月12 日(金)~14 日(日) 名古屋 日本ガイシホール
大阪公演
2016年8 月18 日(木)~22 日(月) 大阪城ホール
横浜公演
2016年8 月26 日(金)~31 日(水) 横浜アリーナ ※8 月29 日休演

料金
S 席 大人9500 円(税込)/子ども7500 円(税込)
A 席 大人7500 円(税込)/子ども5500 円(税込)

発売中
詳しくは公式WEBサイトをご覧下さい。

【公式サイト】
http://dragonquestlive.jp/

 
 

 

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