T.M.Revolution 西川貴教 戦国BASARAと共に歩んだ10年を語る 楽曲作りに込めた作品への愛
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T.M.Revolution 西川貴教 撮影=大塚秀美
CAPCOMの人気アクションゲーム「戦国BASARA」シリーズの最新作『戦国BASARA 真田幸村伝』が8月25日に発売される、これまで戦国BASARAの主題歌等を手掛けてきたT.M.Revolutionは今回も新曲「Committed RED」を主題歌として提供。新たな世界観を構築しているが、今年20周年を迎えたT.M.Revolution 西川貴教に話を聞いた。作品とともに歩んだ年月と新作に対する思いを語ってもらった。
――今回『戦国BASARA 真田幸村伝』の主題歌「Committed RED」がどのようなイメージで楽曲作りをされたのかを、注目していただきたい歌詞なども踏まえて教えて頂ければ。
今回、10周年を迎えた直後に新しく烈伝シリーズというのが始まるということで、真田幸村の生涯を描くと聞きまして。にわかに真田にまつわるものに注目が集まっているじゃないですか。特にBASARAでの幸村は真っ直ぐで、正直で、まあそれ故にどこかコミカルに映ることもあるかと思うんですけれど(笑)。
――たしかに幸村はそういう部分もありますね。
幸村はあまり理屈で考えずに、自分の思いに正直に。それが逆風だとしても、流れに逆らうことだとしても、自分が向かいたい方向に身を投じるというか、そこらへんは歌詞にも反映したりしているので、その辺りを聴いて貰えると嬉しいですね。
――今回の新曲を作る時は「戦国BASARA」シリーズプロデューサー、小林裕幸さんとは、どのようなやり取りがありましたか?
制作の中で注文をもらう時もあったりするんですけれど、今回はナンバリングタイトルとは違う烈伝シリーズで、自由度は高かったかもしれませんね。あまり細かい設定を気にせず、幸村の人間性とかを曲に落とし込んでいけば大丈夫なんですよね?っていう感じのやりとりをしました。
――出来上がった時の小林プロデューサーの感想などはどうでしたか?
「ばっちりです! ありがとうございます!」みたいな(笑)。人の苦労も知らずに!(場内爆笑)
――「Committed RED」では、MV制作がProduction I.Gということでアニメーションになっています。こちらの見どころは?
せっかくなんでBASARAとの関係性の中で、色んなことができたらいいなと思っていたんです。TVアニメファーストシーズンの戦国BASARAがとても素晴らしかったので、Production I.Gさんにお願い出来ないかなぁと。いつかひょっこりアニメになったら良いなと密かに思っているんです(笑)。いつか単発オリジナルアニメみたいな感じでも良いから、ひっそりやってもらえると嬉しいですよね(笑)。
――更に、『戦国BASARA 真田幸村伝』ではT.M.Revolutionの名曲の数々がダウンロードコンテンツとして、合戦場でBGMとして流すことが出来るということですが。これを聞いた時如何でしたか?
ありがたいですね。それこそ10年前から楽曲を担当させていただいていますが、戦国BASARAってプレイしながら楽曲を楽しむっていうプレイスタイルが定着していると思うんです。だから戦国BASARAにまつわる楽曲は勿論なんですけど、T.M.Revolutionも20周年を迎えたので、今回はベスト盤の方からも何曲かチョイスさせてもらいました。
――今回のダウンロードコンテンツの中で、プレイしながらマッチしそうだなと思う曲はどれでしょうか?
うーん、「魔弾 ~Der Freischütz~」とかは雑賀孫市に合いそうですよね。逆に「HIGH PRESSURE」とかは……合うのかなあ……(笑)。
――そこら辺のケミストリーも不安もありつつ楽しみにしているという印象でしょうか。
そうですね、もうこればっかりはプレイしていて楽しんでもらえるかどうかだけなので。「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」あたりはぶっちゃけ不安ですね(笑)。
――選曲に関してはなにかコンセプトがあるんでしょうか。
ベスト盤『2020-T.M.Revolution ALL TIME BEST-』には40曲入っているんですが、その中で4分の1はBASARA楽曲になってるんですよね。10年作り続けてきているんで、それなりに曲数と歴史があるなと。なのでBASARAから僕を知ってくれた方が聴いたことのない曲がいいんじゃないかなと思って、あえてそういう曲を選ぶ感じにしています。
撮影=大塚秀美
――昨年の『戦国BASARA4 皇』発売の時のインタビューで、戦国というテーマで10年頑張った自分を褒めたい、というコメントが凄く印象に残っているんですが、今回特に強く意識した部分はどこかあるんでしょうか。
作品をきちんと表現していきたいっていうのもあるんですが、その中の凄く大きい要素として、ゲームの中での、ある種のキーパーソン的な存在が一人ないし二人必ずいるんですよ。そのキャラクターを曲に投影していくことでそれが反映されて、自然にテーマソングになっていく感じを意識しながら制作しているので、今までの作品との色合いの違いを感じてもらえるといいなと思っています。
――確かにそう言われると毎シリーズ主要キャラというのはいますね。
後はゲームのシステムなんかを意識したりもしますね。戦国BASARAではプレイ中に楽曲を聴きながらプレイするのでこちらもそれを意識するというか。スピード感もそうですし、プレイするときに、バサラ技が出た時の迫力ある音などに負けないような音作りとかも考えていますね。プレイしながら心地よくなってもらえたなら、それが一番作品に曲がハマっているということだと思うので、そんなふうに聴いて貰えたら嬉しいですね。
――今回、『戦国BASARA 真田幸村伝』ということで、ゲームの感想だったり、今回幸村をフィーチャーした作品、「烈伝」シリーズですが、ビジュアルを含めてお気に入りのキャラとかいれば。
実はまだ今回のタイトルはさわれていないんです。でも、BASARAの中では大現役の幸村ですが、今作は幼少期とかを扱うこともあって、そこら辺がどのように表現されているかっていうのが、注目だと思いますね。幸村や政宗がどこらへんからああなっちゃったのかっていうとこが気になりますよね(笑)。 転機があったのかな、そこら辺が描かれているのかな? っていうのが気になります。
――では、西川さんプロデュースで新作のBASARAシリーズ、何でも作れます。となったら、どんな作品を作りますか?
TVアニメ版の方で、浅井長政とお市のお話が凄いお話だったのが印象的なんですよ、だから恋愛シミュレーションにしましょうか!
――恋愛シミュレーションですか!
お市を落とすんですけれど、凄い暗い感じになっちゃったり、すぐ死なれたり(笑)。 もともとBASARAは女性キャラが少ないですから、ちょっと成り立つのはなかなか難しいかもしれませんけどね。
――まさかのチョイスにCAPCOMさん側も笑っておられますが(笑)。
ミニゲームでもいいんで、「フランス製マフラーを買う」とか選びながら、それでお市を落とし続けるゲームを作りたいですね。本線とは全く関係のないところであったら面白いと思うんですよね。
撮影=大塚秀美
――今お伺いしているだけでも面白いアイデアが出てきましたが、改めて西川さんと言えばアニメやゲームに博識でいらっしゃると思うんですけど。
いやいや!とんでもないです、好きなだけで。
――あえてこれだけは絶対見て欲しい、やってほしい作品と言うのをがあれば教えて頂きたいんですが。
難しいことを……!(笑) アニメだったら……あえて7月クールは『B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~』をよろしくお願い致します!(笑)。
――勿論拝見させていただいてます!切り口がとても面白いですね。
あれはだれも期待していないところがいいんですよ。期待値が低い所が良いんです。
――そうなんですか? そんな気はしていませんが……。
一部にアツい方がいらっしゃるので、ジワリジワリとキテる気はしていますけどね。例えば『KING OF PRISM by PrettyRhythm』は話題にもなっているし、有名になりましたよね。それでもあまりアニメに詳しくない人からしたら、知っているアニメって『エヴァンゲリオン』や『ONE PIECE』とかだと思うんですよ。それと比べたら認知度が低い。だからもっとみんなに知ってもらえるように頑張っていけるといいなって思っています。頑張ります!
――先ほど仰っていたように、BASARAも10周年、西川さんもT.M.Revolution20周年です。21年目を控えて何かビジョンを持ってらっしゃるのでしょうか。
毎度期待値を越えていくっていうことの大変さというのはあるんですけれど、きちんと自分の思うカラーというのを見極めながら、いい意味で踏襲し、いい意味で裏切って、次のアクションを起こしていきたいと思いますね。「相変わらず楽しいな」とか、「面白いことやっているな」って思ってもらえる存在になれたらいいなと思います。
撮影=大塚秀美
――そして8月にマキシシングル『RAIMEI』がリリースされます、こちらどんな楽曲に仕上がっていますでしょうか。
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』という、虚淵玄さん原作の作品の主題歌になっています。布袋戲っていう台湾の人形劇を、台湾と日本のプロダクションが日台合同映像企画として扱う、異色の作品なんですけどね。
――今期の作品の中では確かに異色ですが、内容の面白さも相まって注目作品になっていますね。
虚淵さんからご指名を頂いて担当させて頂くことになったんですけれども、実はBASARAシリーズの楽曲を虚淵さんが聴いてくださっていて。『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』もBASARAと同じ剣戟なんですよね。そういうところで僕に白羽の矢を立ててくださったみたいです。お国柄で台湾と日本のテイストの違いはありますけれども、面白い作品になっているので、楽曲と一緒に応援してほしいですね。
――最後にファンや読者の方に向けて一言お願いします。
BASARAシリーズも11年目に突入ということで、新たな「烈伝」シリーズもスタートして、次は政宗の烈伝が来るのかな……? とか、いろんな期待が出来るのではないかなと思っています。いちファンとして、これから新たなBASARAシリーズへの期待も持っていますし、T.M.Revolutionとしては20周年ということで、いまのツアーでも、BASARA楽曲をたくさんプレイさせてもらっています。来年の5月まで20周年続きますので、良かったらぜひライブにも一度足を運んでいただけたりすると嬉しいですね!
撮影=大塚秀美 インタビュー・文=加東岳史
■対応ハード: PlayStation®4 / PlayStation®3
■ジャンル: スタイリッシュ英雄(HERO)アクション
■発売日: 2016年8月25日発売
■希望小売価格: 未定
■プレイ人数: 1人
■CEROレーティング:B (12歳以上)
■公式サイト: http://www.capcom.co.jp/basara_yukimuraden/
■戦国BASARAシリーズ公式Twitter: @BASARA_CAPCOM
■著作権表記: ©CAPCOM CO., LTD. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.
■発売日:2016年08月31日