ゴジラの“中身”は野村萬斎!狂言の様式美をゴジラに注入
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7月29日、『シン・ゴジラ』の初日舞台挨拶がTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾らキャスト陣と、監督兼特技監督の樋口真嗣が登壇。イベント内で、狂言師・野村萬斎が本作の“ゴジラ役”を務めたことが発表された。
今回のゴジラはフルCGで制作されたが、そんなゴジラに「魂を入れたかった」という樋口監督。野村を起用した経緯を「狂言では、妖怪とかキノコとか、人間ではないものも人間が演じるんですよ。それを見たときに『萬斎さんだったらいける!』と思いました」と明かした。
モーションキャプチャー(現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術)で野村の動きをおさめ、それがゴジラに反映されたという。イベント中には野村からのビデオメッセージが公開され、「今回のゴジラには狂言や能の様式美が必要とされているのかな、と感じました。ゴジラは“神”に近いイメージ。ゆっくり、どっしりとした動きのなかで表現しようと意識しました」と撮影時を振り返った。
野村と親交のある長谷川は「『ゴジラになって長谷川さんを踏みつぶせる!』なんて言っていたらしいですよ(笑)」と野村の声マネをしながら裏話を暴露したが、「劇中のゴジラは、まさに萬斎さんの動きなんです!」と感心している様子だった。
竹野内は「完成した作品を観たとき、古き良き時代の日本映画のにおいがするなと感じました。それは、ゴジラに狂言のDNAが注ぎ込まれているところから来るのかもしれない。これは海外では絶対にマネできないことです」とコメント。
石原も「(ゴジラが)ただ歩いているだけ、ただそこにいるだけ。それなのに、何でこんなに切なくて苦しくなるんだろう…と思いました。何百年という歴史を持つ狂言の動きは、同じ一歩でも重さが違うんですよね」と熱く語っていたが、キャスト陣からも“野村版ゴジラ”は大絶賛だった。
最後は長谷川が「大役に配役していただき、日本を背負って立つ使命感を抱きました。この作品は、才能を持ったスタッフさんたちのチームワークが素晴らしかった。これは世界に誇れる、日本全体のチームワークの良さに繋がると感じましたし、いまこの映画を観てくださった皆さんも『日本はまだまだやれる!』と感じてくださったんじゃないかと思います」と、本編上映後の客席に向かって力強く挨拶。イベントは大盛況で幕を下ろした。【取材・文/トライワークス】