The LEGENDARY SIX NINE×BiSH 対バンツアー最終日、狂喜の競演をレポート
The LEGENDARY SIX NINE × BiSH
IDOL VS VISUAL vol.2[CHAOS PARTY]
2016.7.28(THU)高田馬場AREA
NIGHTMAREのドラマーであり、ソロプロジェクトではThe LEGENDARY SIX NINE(以下、LSN)を率いるRUKAが主謀し、今年2月に仙台と新宿で開催して話題を集めたLSNとBiSHの2マンガチバトルイベント『IDOL VS VISUAL』。イベント終了後、「もっとすごい地獄絵図を観たいよね」とRUKAとBiSHマネージャー・渡辺淳之介氏はすぐさま意気投合し、この夏、再びこの2組がタッグを組み、仙台、大阪、東京を巡る2マンライブ『IDOL VS VISUAL vol.2[CHAOS PARTY]』を開催した。ここでは、ツアーファイナルとなった7月28日(木)東京・高田馬場AREAで展開された地獄のCHAOS PARTYの模様をお届けしよう。
ファイナルの会場に選ばれたのは、何よりもRUKA自身の思い入れのある場所で、ヴィジュアル系、バンギャの聖地ともいわれているライブハウス・高田馬場AREA。そのせいか、この日集まったオーディエンスは清掃員(=BiSHファンの呼称)よりもバンギャの方が多い気がした。
渡辺淳之介×RUKA
開演時間になると、いつものようにふら~っとRUKAと渡辺氏が舞台に登場。そのあと「脱がない、脱がせない、BiSHはリフト禁止、写真はいいけど動画と録音はダメ」などの本イベントのマナーについて面白おかしく解説していく。NIGHTMAREのライブではほとんど喋らず無愛想キャラを通すRUKAが、マイク片手に舞台中央に立って、渡辺氏と終始笑顔でしゃべる姿は、このイベントだからこそ見られるシーン。早速バンギャたちは、この貴重なシャッターチャンスを逃すまいと一斉にRUKAの写真を撮りまくる。
そして、ライブはBiSHと同事務所に所属する5人組のアイドルグループ、GANG PARADEがオープニングアクトとしていきなり登場。「RUKAさんのご厚意で出させて頂きました。ありがとうございます。GANG PARADE、これを機にお見知りおきを」とカミヤサキが挨拶。フレッシュな空気をまといながら「Plastic 2 Mercy」や「Happy Lucky Kirakira Lucky」などド派手なシンセ音が飛び交うポップチーンを、元気いっぱいに歌い踊って見せた。
BiSH
そうしてフロアの空気があたたまってきたところで、この日の『CHAPS PARTY』はBiSHのステージからスタート。アイナ(ジ・エンド)の「わっせそ(忘れそう)! わっせそ! わっせそ!」のコールを合図にヘドバン&手拍子となだれ込み、ライブは「MONSTERS」で幕開け。メンバー脱退で5人編成になったBiSHだが、それを全く感じさせないど迫力のステージングで冒頭から観客を襲う。2曲目からは「BiSH-星が瞬く夜に-」を4連発。5人体制になってから、この曲の落ちサビではリンリンがお立ち台に立ち、これまでには見せなかったエモーショナルな歌を聴かせ、コマネチポーズを決める。そして、4回目の「星~」が始まると同時に、ハシヤスメ(・アツコ)のパフォーマンスがいきなり急変。他のメンバーが歌っているリードパートを、隣に寄り添うふりをしながら次々と勝手に奪い、歌い出したのだ。それに対して、アイナとモモコ(グミカンパニー)は、間奏が始まると同時にハシヤスメをしっかりホールドし、2人で彼女のおっぱいを触るという逆襲に出る。すると「胸はやめてー。ナマ乳ヤバイ」とハシヤスメが胸を隠し、観客は大爆笑。
BiSH
BiSH
ここからBiSHはどんどんモンスター化。5回目の「~瞬く」が始まると、(セント・チヒロ・)チッチが「もっといけんだろ! いい加減にしろ!」と清掃員を罵倒。さらにモモコが「どっちが“バケモノ“ですかー!」と激しく煽り立てると、清掃員とバンギャが応戦。リフトができない清掃員たちは背中を反らせて、水面から魚が飛び跳ねるように何度も激しいジャンプを繰り返す。そこに原曲よりもロックなヘドバンチューンに仕上げたLSNのカバー「怪」を投入。リンリンの高音デスボイスシャウトが凶器となってフロアに響き渡ると、場内は大興奮。
BiSH
そして、7曲目から再び「星~」のループがスタートすると、ハシヤスメがマイクを置き、今度は大胆にもRUKAのドラムを叩き出し、場内は騒然。しかし、曲の後半にはシシドカフカばりにロングヘアをバッサバサ振りながらエアドラムをクールに叩くパフォーマンスで観客を次々と魅了。続いて8曲目の「星~」が始まると、今度はチッチが観客を信じ、フロアから伸びたオーディエンスの手の上を歩いて、最後列までやってきた。そこからフロアとステージを見渡しながら、チッチはこの日一番の笑顔で「最高だよぉー!」と絶叫。さらに、次の「星~」では、モモコがフラフラになりながらもエンドレスでフロアをコロダイし続けた! 他のアイドルは誰も真似できないようなBiSHの振りきれまくったCHAOSなパフォーマンスに清掃員もバンギャも胸アツになり、10曲目の「星~」が終わった頃には、場内はものすごい感動と達成感に包まれた。
BiSH
メンバーが減ったにもかかわらず、前回以上に“楽器を持たないパンクバンド“という別名に相応しい、勇ましくかっこいいアイドル像へと振り切ったBiSHを堂々と見せつけた彼女たち。まさに、圧倒的なパフォーマンスだった。
BiSH
フロアでは前にいた清掃員が後ろへと移動、バンギャたちと場所を交代したところで、SEの「BELIAL」が流れ出し、観客の手拍子に迎えられ次はLSNが登場。「東京、ぶちかましていこう!」と揺紗(Vo)が叫び、「six nine」が始まるとフロアいっぱいのバンギャたちが髪の毛を振り乱し、見事なヘドバンの海を作ってみせる。それを後ろから笑顔で見渡している清掃員たち。「N.I.S.D-the name is strange desire-」でオイコールが沸き起こると、揺紗がバンギャのノリを後方で眺める大人し目の清掃員たちを指差し「後ろ、ここまで泳いできなさい!」と煽り立てる。
The LEGENDARY SIX NINE
そうして、清掃員にもお馴染の「怪」が始まると“ウォー”という歓声とともに清掃員とバンギャが一緒になって大はしゃぎ。LSNはリフトもコロダイも禁止されていないので、ここでは、男子清掃員に後押しされバンギャたちが次々と担がれていき、人の頭上を笑顔でコロダイし始める。それぞれのファン同士が、イベントの中でこんな素敵な連携プレイを見せるのも、このPARTYの素晴らしいところ。そして、こういうことが起こるときは、決まっていつもドラムしか見ていないRUKAが、前髪の隙間からちゃんとフロアの様子を観察しているところもぐっとくるところだ。
The LEGENDARY SIX NINE
この曲でみんなの距離感がぐっと縮まったことを示すように、演奏が終わると男子清掃員が一斉に「RUKAー!!」「RUKAさーん!」と叫び出す。そんな中、次に始まったのは「Cruel」。ヒップホップテイストのナンバーをアクセントに、揺沙が拡声器を持ってエフェクトした声で歌う「MONSTER inc.」、 続いておなじみの「PARTY」と曲中どんどんテンポチェンジしていく曲で会場を揺らした後の「memento」、「Fly」は、本当にくるものがあった。奇策満載の攻め攻めのセトリで、アグレッシブにCHAOSを表現してきたBiSHに対して、この日のLSNは一枚上手。中盤に、RUKAらしいメランコリックなナンバー「memento」と、BiSのカバー「Fly」を2曲続けて届けることで、清掃員、バンギャの心の奥底をぐしょぐしょに濡らし、CHAOSにしていったシーンは実に感動的。曲が終わった後は、自然と場内に拍手が広がったのも印象的だった。
The LEGENDARY SIX NINE
しかし、場内に広がった感動的ムードをすぐさま蹴散らすように「もういっちょういくぞー!」と揺沙が雄叫びをあげ、BiSHのカバー「ウォント」のイントロがフロアに鳴り響くと、清掃員があちこちでバンギャたちをリフト。リフトされたバンギャはRUKAや揺紗に向かって美しく咲き乱れ、指で作ったハートマークを飛ばしまくる。そうして、ラストの「怪」が始まると、前方だけではなくフロアの後方でもリフトが上がり、客席がコロダイまみれになったところでLSNのライブは終了した。
THE LEGENDARY SIX NINE
アンコールを受け、再びRUKAと渡辺氏がステージに姿を現した。渡辺氏が「ここまでは準備運動。これからが本番です」と話すと、RUKAからは「この“サイコパス渡辺”からOKもらえるまで今日は終われませんから」と告げられる。そのあと、この日RUKAのドラムを勝手に叩いたハシヤスメを呼び込み「どう落とし前をつけるんだ」と2人で説教(笑)。すると、RUKAとRUKAファンに正座して謝りだしたハシヤスメを見て「いつもみたいに逆ギレするかと思ったのに、すげぇ真面目に謝ってるよ(笑)」と渡辺氏はびっくり。
渡辺淳之介×ハシヤスメ×RUKA
そして、アンコールはBiSHとLSNがステージで共演するので「ここからはBiSHじゃない何かなので、禁止事項はありません」と渡辺氏が告げると、清掃員が絶叫。BiSHに続いて、RUKAが優しく「カモーン」といって(←RUKAファン悶絶)LSNを呼び込む。ここで揺紗が、今日の気合いと本気を表すために赤い下着をはいてきたと伝えると、「ハシヤスメは?」とBiSHのメンバーにふられ、またまたハシヤスメが餌食に。「今日の?(清掃員「おぉ?」)ハシヤスメの(清掃員「おぉ?」)下着の色は(清掃員「おぉ?」)」とコールまで入れて盛り上げ、返ってきた答えは「ベージュ!」。これにはメンバーも観客も一斉にずっこけた(笑)。「ごめん、正直に答えた」と苦笑いするハシヤスメを横目に「アンコール気合い入れてくぞ!」と揺紗が叫び、「怪」をパフォーマンス。
BiSH×THE LEGENDARY SIX NINE
BiSH×THE LEGENDARY SIX NINE
THE LEGENDRY SIX NINE
続いて「星~」が始まると、清掃員男子の土台の上に男子一人がバンギャを肩車して立ち、ピラミッドのような3階建てリフトが登場! これにはRUKAもびっくり。そのあとは、フロアを左右に分けてヘドバン、折りたたみ合戦を行ない、RUKAとモモコがCO2を噴射するとフロアはさらにCHAOS状態に。その中でハシヤスメはマジックで鼻の下に変なちょび髭を描かれたり(本人は終わるまで気づいていなかった)、RUKAは渡辺氏に“UFO見たことある?”“輝いてる、すごく輝いてる”などと書いたカンペを見せられ大笑いするなど、スタッフのテンションまでCHAOS状態に。そうして、気づけば煽りパートを30分近くノンストップでリピートするという、まさに『CHAOS PARTY』ならではの狂気のパフォーマンスを見せ、最後はBiSHのパンクチューン「DEADMAN」でバシッとエンディングを締めくくってみせた。「ファイナル、最後の煽りはめっちゃ楽しかった。最後までついてきてくれてありがとう」と揺紗が挨拶して、ファイナル公演は幕は閉じた。
BiSH×THE LEGENDARY SIX NINE
レポート・文=東條祥恵
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開場17:00/開演18:00
S席 ¥30,000(税込) ※当日限定SPECIAL LIVE鑑賞権+お土産
A席 ¥10,000(税込) ※お土産付き
B席 ¥5,000(税込)