NHKのBS「プレミアムシアター」でオランダ国立バレエの新作公演『マタ･ハリ』を放送

NHKのBSプレミアム「プレミアムシアター」では、7月31日（日）深夜24時20分（8月1日午前0時20分）から、今年（2016年）2月にアムステルダムのミュージックシアターで上演されたオランダ国立バレエの新作公演『マタ･ハリ』を放送する。

マタ・ハリ(本名：マルガレーテ・ゲルトルード・ツェレ)は、実在したマレー系オランダ人の踊り子で女スパイ。第一次世界大戦中ドイツは敵国フランスの動向を探るために、フランス社交界で話題を集めていた美人ダンサー（高級娼婦でもあった）マタ・ハリをスパイとして雇う。ドイツ軍からスパイとして雇われていた彼女は、フランスからも買収され、やがて二重スパイ容疑でフランス軍によって処刑された。しかし彼女が本当に有罪だったのか真相は謎に包まれている。死後100年にあたる2017年には、フランス政府がこの「世紀の女スパイ」に関する機密資料を公開する。

そんな死後100年を目前にした2016年、マタ・ハリを題材とした舞台作品が世界で二つ上演された。一つは韓国で創作されたミュージカル『マタ・ハリ』（作曲：フランク・ワイルドホーン、主演：オク・ジュヒョン／キム・ソヒャン）。そして、もう一つがマタ・ハリの母国オランダで作られたオランダ国立バレエの『マタ･ハリ』だった。こちらは同バレエの芸術監督であるテッド・ブランセンが振付を担当。今イギリスで最も注目を集める若き俊英作曲家タリク・オリーガンに音楽を委嘱した本作は、2016/17シーズンの目玉として大きな反響を呼んだ。

マタ・ハリを演じるのは、オランダ国立バレエ団首席ダンサーとして活躍しているロシア出身のアンナ･ツィガンコーワ。マタ・ハリのダンスを妖艶かつミステリアスに踊り、観衆を虜にした。オリーガンの楽曲の美しさと共に、ぜひトレイラーで様子を確かめていただきたい。

なお、番組後半では、ロンドンで空前のヒットとなったマシュー・ボーン振付によるニュー･アドベンチャーズのバレエ『眠りの森の美女』のテレビ向け演出版（2013年収録）が放送される。現代バレエを愛好する者にとって、いずれも必見のプログラムといえよう。