日本初公開の原画多数、ディーン・フジオカによる音声ガイドも 『ピーターラビット™展』をレポート
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ビアトリクス・ポター™生誕150周年ピーターラビット™展
生き生きとした動物たちと、美しい自然の描写で世界中を魅了し続ける「ピーターラビット」の絵本シリーズ。その作者ビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念した日本最大規模の原画展が日本で開幕した。
8月9日(火)から渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『ビアトリクス・ポター™ 生誕150周年 ピーターラビット™展』プレス内覧会より、その全貌と見どころをたっぷりとご紹介しよう。
ビアトリクス・ポター™生誕150周年ピーターラビット™展 会場入り口
日本初公開作品の多さに注目!
本展が特別な展覧会である理由のひとつに、日本初公開となる作品の多さがある。ビアトリクスの故郷・イギリス湖水地方にあるヒルトップ農場から門外不出となっていた作品たちが、生誕150周年のいま特別に日本に大集結する。
ピーターラビットの世界観を再現した展覧会場内
ビアトリクス・ポター『こわいわるいうさぎのおはなし』草稿 英国ナショナル・トラスト所蔵
はじめまして、"最初の"ピーター
初公開作品の中でも注目したいのが、ビアトリクス自らが自費出版した、最初の『ピーターラビットのおはなし』(私家版)の原画44枚だ。
なかなか良い出版社と出会えずにいたビアトリクスが、やっとの想いで作ったのは手のひらに乗る小さな絵本。私たちのよく知るカラーの絵とは異なり、墨色一色の繊細な線によって描かれたピーターたちの、生き生きとした姿が印象的だ。
ビアトリクス・ポター 私家版『ピーターラビットのおはなし』挿絵 英国ナショナル・トラスト所蔵
本展監修・河野芳英氏(大東文化大学教授)は、これらの原画の楽しみ方を次のように話す。
「ビアトリクスは絵もストーリーもひとりで作っていました。だから、挿絵と添えられた文章が実にピタリとはまるんです。ぜひお子さんと原画をご覧になる際は、絵の下に書かれた文章はあまり気にせず、じっくりと“絵を読んで”ほしいですね。」
本展監修・河野芳英氏(大東文化大学教授)
最初で最後のピーターラビットカレンダー
もうひとつ、おもしろい初公開作品がある。1929年用の『ピーターラビットの暦』、つまりカレンダーのような暦本の原画14点だ。この原画をもとに刷り上げられた暦本の色に納得のいかなかったビアトリクスは、「暦本を販売するのはこれが最初で最後」としたのだ。彼女が本来表現したかった美しく繊細な原画が見られるのは、非常に貴重な機会だ。
ビアトリクス・ポター 『ピーターラビットの暦:1929』 英国ナショナル・トラスト所蔵
ビアトリクス・ポター『ピーターラビットの暦:1929』表紙絵、裏表紙絵 英国ナショナル・トラスト所蔵
ビアトリクスの人物像にせまる、ゆかりの品々も
本展では、絵本作家としてのみならず、自然保護活動家、農場経営者、商品プロデューサーという多様な顔を持ち合わせていたビアトリクスの人物像にもせまる。会場内には、ビアトリクスが晩年を過ごした家である「ヒルトップ・ハウス」の一部も再現されている。大事にしていた人形や、絵付けの陶器、愛用していたデスク、眼鏡などが並ぶ。
ヒルトップ・ハウスを再現した空間
中には、版権を守るために自らデザインしたキャラクターグッズの数々も。ビジネスウーマンとしての商才も伺い知ることができる。
ピーターラビット:ナーサリー・ウェア・コレクション 1947年/陶器 英国ナショナル・トラスト所蔵
デルマー・バナー(左)『若き日のビアトリクス・ポターの肖像画』1948年頃/(右)『晩年のビアトリクス・ポターの肖像画』1938年頃 英国ナショナル・トラスト所蔵
ディーン・フジオカによる音声ガイドは必聴!
本展の音声ガイドは、俳優のディーン・フジオカが務める。流暢な英語で原文をさらりと聞かせる、耳に心地よいガイドは必聴だ。また、この機会にディーンは自ら湖水地方を訪れ、ビアトリクスの生涯に触れる旅を敢行したという。会場では、その時の様子を収めた映像作品も見ることができるので、こちらも併せてチェックしてみては。
生誕150周年記念限定グッズも盛りだくさん!
展覧会場を出た後は、広々としたショップスペースで生誕150周年限定グッズなどが買える楽しみも。ぜひ、"本物の"ピーターラビットに会いに、渋谷へ遊びに行ってみてはいかがだろうか。
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)