植田圭輔、平野良がマフィアの親子役を熱演、舞台『インフェルノ』稽古場レポート
平野良(左)、植田圭輔(右)
今秋シアターGロッソでの上演が決定している、舞台『インフェルノ』。原作コミック(原作:高殿円、漫画:RURU)は講談社ARIAで絶賛連載中で、裏社会のマフィアたちの抗争をシリアスに描いた人気作品となっている。舞台では、主演のリッカ役を植田圭輔、ノエル役を平野 良といった豪華な面々が担当する。今回は、そんなフレッシュな役者たちが集う、舞台『インフェルノ』の稽古場の模様をレポートしたい。
稽古場風景
稽古場を訪れたのは、8月半ば。この日は、メインキャストの過半数がそろっての稽古が行われた。植田、平野の主演ふたりのほか、藤原祐規(オリーブ役)、山内圭輔(クラウド役)、桑野晃輔(スネーク役)、中村龍介(ブラック・サンタ役)らが顔を並べた。それぞれが台本を片手に、探りながらの演技でシーンが進行していく。
植田圭輔
植田が演じるリッカは、ロシア系マフィアであるコーザ・ファミリーの御曹司。学生の身ながらも、かなりの切れ者で、株などの投資にも通じている。また、リッカは幼い頃、食事に毒を盛られて、その後遺症で脚を悪くしているという設定だ。そのため、稽古中も植田は杖を持っての演技となっていた。
以前SPICEでは、舞台の見どころやキャラクターへの想いについて、植田への単独取材も敢行した。ファンにはぜひ、そちらもチェックしてほしい。
人気コミック『インフェルノ』が舞台化!主演の植田圭輔にインタビュー
平野良
幼い頃リッカに拾われ、親子縁組をしたことで彼の“息子”となったのが、平野演じるノエル。リッカより一つ年上なのだが、父としての彼を慕い、冷静ながらも従順な態度を見せる役柄だ。
平野はこの日、別作品の舞台の本番中でもあり、忙しいスケジュールの合間を縫っての参加だった。しかし、疲れたような表情は見せず、稽古の合間にニコニコと笑顔で場の空気を和ませる瞬間も多く見られた。
桑野晃輔
中村龍介
藤原祐規(左)
コーザ・ファミリーの次期幹部をロシアンルーレットで決めようとするシーンでは、緊迫した空気が流れる。「近未来サスペンス・アクション」と謳われているだけあって、脚本には、銃やナイフなどの小道具を使ったアクションシーンも存分に盛り込まれていた。この日は立ち位置の確認などが中心であったが、大人数がそろう本番のアクションシーンでは、かなりの迫力が期待できそうである。また、ノエルは「ナイフの名手」という設定なので、ナイフを使った平野の演技にも注目したい。
山内圭輔
演出・西森(右)からの指示を受ける植田(左)
舞台脚本は、原作と同じく高殿 円が担当し、演出を務める西森英行(Innocent Sphere)は、この日稽古場で役者たちの演技に目を光らせていた。ワンシーンを終えたのちに、西森から細かい演技指導が入る。それに応え、植田をはじめとするキャスト陣も積極的に意見を述べている姿が印象的であった。こうした話し合いの結果、セリフが変更になる場面も見られた。
稽古場風景
取材当日は、緊張感溢れるシーンが続くなか、ふいに誰かがおどけて場の空気がやわらぐ瞬間もあり、これから本番へ向けて細部をつめていくなかで、それぞれがキャラクターとどのようにシンクロしていくのか、とても楽しみだ。現在刊行されている原作コミックスは二巻までと手に取りやすいので、まだ原作を読んでいないという方は、9月までにサクッと予習しておくといいだろう。
撮影・文=まにょ