ニーナ・アナニアシヴィリ “最後のクラシック・ガラ” を語る

2016.9.9
レポート
クラシック
舞台

ニーナ・アナニアシヴィリ


初来日から約30年にわたってバレエ・ファンを惹きつける名花ニーナ・アナニアシヴィリが2017年3月、『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡~最後のクラシック・ガラ~』に登場する。それに先立ち8月上旬、記者たちとの懇親会が行われ公演への意欲を熱く語った!

ニーナ・アナニアシヴィリとの懇親会風景

アナニアシヴィリはジョージア共和国のトビリシ生まれ。ボリショイ・バレエ団でプリマ・バレリーナを務め(1985年~2004年)、米の名門アメリカン・バレエ・シアター(ABT)でも長らくプリンシパルとして活躍(1993年~2009年)するなど世界的名声を博している。華やかなオーラを放つバレエ界の至宝は、まだまだ現役で元気に踊っているが、“最後のクラシック・ガラ”と銘打つ真意とは?

「これで引退する訳ではありません。“最後のクラシック・ガラ”と名付けたのは、今回の演目に入っている『眠れる森の美女』『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』を来年以降踊らないのではないかと思うからです。自分の踊ってきたクラシック・バレエの代表的な作品を入れて古典作品を踊るのを最後にしたい。一幕物の現代バレエなどは踊っていきたいし日本でもお見せしたいと思います」

2004年から率いるジョージア国立バレエ団と共に(団員65名のうち40名が来日予定)、Aプロ、Bプロ2つのプログラムを披露する。

「芸術監督になって11シーズン目となります。レパートリーはマリウス・プティパの古典作品からフレデリック・アシュトンやイリ・キリアンの作品まで幅広く、祖国を代表するジョージ・バランシンの作品もたくさん導入しました。私が入れた重要で魅力的な作品をご覧いただきます」

ニーナ・アナニアシヴィリとの懇親会風景

現代バレエの先駆者バランシンの作品を「音楽的だが踊るのは難しい」と語るが思い入れは深く『セレナーデ』(Aプロ)、『モーツァルティアーナ』(Bプロ)を上演する。

「バランシンは現代の状況のなかでどのようにバレエを振付するのかの見本となる作品を振り付けています。Aプロは『チャイコフスキーの夕べ』といってもよく、まずクラシック・バレエの基本であるプティパの作品を、それからプティパをベースにしたバランシンの作品をご覧いただきます。『モーツァルティアーナ』は夫が私に踊る権利をプレゼントしてくれた作品で、(バランシンのミューズであった)スザンヌ・ファレルのもとで踊りました。チャイコフスキーの音楽にはモーツァルトへの畏敬の念がこめられています。バランシンの亡くなる2年前の作品で祈りをしている場面から始まり非常に明るい感じで終わる。自分たちの魂は天に行ってもずっと生きているということが感じ取れます」

古典名作や珠玉の現代作品を堪能できる。

「『白鳥の湖』は私にとっても日本の観客の皆様にとっても切り離せない作品だと思います。ボリショイ劇場でのデビュー作品でしたし、ABTでのデビューと最後の舞台も『白鳥の湖』でした。いつ踊っても飽きることのない魅力的な作品です。『眠れる森の美女』もすぐれた作品ですが、お客様に感動していただくにはクラシック・バレエのダンサーとして訓練され、踊りの作法や技法を身につけていないといけません。『ドン・キホーテ』は大好きです。しばらく踊っていませんが皆さんの前で踊りたい。キトリは明るく陽気で冗談を言ったりする女の子で自分に一番近いキャラクターだと思います。長年の友人でもあるキリアンの『小さな死』やアシュトンの『タイス』パ・ド・ドゥもご覧いただきます」

ニーナ・アナニアシヴィリ

クラシック・バレエを今まで踊り続けた理由とは?

「毎日レッスンをして体型を維持するのは大変ですが、あと1年は頑張ろうと思います。ボリショイ劇場で踊っていた頃はマイヤ・プリセツカヤ、​エカテリーナ・マクシーモワ、ナタリア・ベスメルトノワのような見本になる方がいました。それと同じように自分が踊ることによって若いダンサーの参考や学習になることがあると思います。現代のバレリーナには手足が長くアクロバティックに体を動かせる身体能力の高い人が多いのですが、バレエは自分の内的なものを表現することが大切で、クラシック・バレエを踊るためにはある程度のセンスが必要だと思います」

注目のゲストに関してアナニアシヴィリ自身の口から明かされた。

「ABTのマルセロ・ゴメスはパートナーとしてもアクターとしてもすぐれています。ボリショイ・バレエ団のアレクサンドル・ボルチコフはダンサーとしても人間としてもすぐれた青年です」

ジョージア国立バレエ団には日本人が女性2名、男性3名在籍しており彼らの踊りも楽しみだ。なかでも高野陽年はアナニアシヴィリと共演している。

「主役級の踊りを自分と踊っています。日本人とパートナーを組むのは3人目です(あとの2人はKバレエカンパニーの宮尾俊太郎と遅沢佑介)」

アナニアシヴィリが自ら率いるバレエ団と豪華ゲストと共にクラシック・バレエの精髄を余すことなくみせるだろう。来春が待ち遠しい。

(取材・文:高橋森彦)

公演情報
『ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡~最後のクラシック・ガラ~』


■出演:
ニーナ・アナニアシヴィリ
ジョージア国立バレエ団 ほか

 
■会場:東京文化会館 大ホール
■日時:
2017年3月16日(木)19時開演[Aプログラム]
2017年3月18日(土)15時開演[Aプログラム]
2017年3月19日(日)14時開演[Bプログラム]
2017年3月20日(月・祝)14時開演[Bプログラム]
■プログラム:
[Aプログラム]
『白鳥の湖』より第2幕・4幕
『セレナーデ』
『眠れる森の美女』より/ほか
[Bプログラム]
『タイス』パ・ド・ドゥ
『モーツァルティアーナ』
『ドン・キホーテ』より/ほか
■料金:
S席18,000円 A席14,000円 B席11,000円 C席8,000円 D席5,000円(税込)
一般発売:10月22日(土)

■お問い合わせ:スペース 03‐3234‐9999
■公式サイト:http://www.tbs.co.jp/event/nina-ananiashvili/