ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の日向役須賀健太さんと、影山役木村達成さんを直撃インタビュー!
-
ポスト -
シェア - 送る
撮影:平田貴章
共演経験もあるお2人が語る演劇「ハイキュー!!」にかける思いとは。
11月14日の東京を皮切りに大阪、宮城を回り、そして東京凱旋公演を行うハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。
その舞台で、主人公・日向翔陽役を務める須賀健太さんと、日向のライバルであり同学年のよきチームメイトでもある影山飛雄役の木村達成さんに話を聞いた。
――須賀さんは原作がお好きだそうですね。
須賀 ジャンプに連載される前に掲載された読み切りから実は読んでいたんですよ。連載になってからは1話からずっとかかさず毎週読んでいます。アニメも見てますよ。「ハイキュー!!」のアニメは唯一家族で見ているアニメですね。
――「ハイキュー!!」の魅力はどんなところだと思いますか?
須賀 登場人物が純粋にバレーボールを大好きで、だからこそ彼らが言う言葉がすごく響くんですよね。一生懸命やることの格好よさというか、物凄くストレートに描いているマンガはなかなかないなと思って。それを、この作品はバレーボールを通してのことですけど、それはバレーボールに限ったことだけではなく、色んなことにもあてはまるので。そういう部分がいいなと思えました。言葉にするのがなかなか恥ずかしいような台詞も、彼らが言うと格好良く感じるんですよね。
――説得力がありますよね。
須賀 それって、全力だからこそだと思うんですよ。それがちゃんと伝わるマンガなのかなぁという印象がありますね。
日向翔陽役を務める須賀健太さん 撮影:平田貴章
――木村さんは原作はお読みになっていたんですか?
木村 オーディションのお話をいただいた時に初めて読ませていただきました。やっぱりやりたい役は影山だったし、この役をやってみたい! と思っていました。もう気付いたら影山としてマンガに入って、のめり込んで見ていました(笑)。自分をこの役にあてはめながら見ていたんですよ。
――それは自分の性格と似ているところがあったとかでしょうか。
木村 単純に格好いいなって思いました。こういう風になれたらいいなって思いましたね。自信がすごいあるし。
影山飛雄役を務める木村達成さん 撮影:平田貴章
――須賀さんの好きなキャラクターは?
須賀 翔陽ですね。これはもうバツグンに。群を抜いて翔陽が好きです。すごくこれだけうまい選手が多いというか。ほぼみんな強豪校の生徒だったりとか、ここにいる同じチームのメンバーもみんなそれぞれうまい中で、ほぼ初心者というか。なのにあれだけ食らいついて行ったりするじゃないですか。それでみんなと一緒に成長しているのを見ると、気持ちで動いている感じがすごく魅力的に感じます。
――オーディションに向けて、原作を読んで気持ちを高めたりだとかの秘訣はありましたか?
木村 やっていることに常に自信を持つということを心がけてやったつもりです。
須賀 すごく影山らしかったんですよ。
木村 あ、本当に? でもそれは健太にも言えることでしたよ。
須賀 そう?(笑)。僕はアニメを見ていたので、声とかのイメージが先行し過ぎていたところもあったんですが、自分が演じる場合はということで考えながら、やるというのを大切にしました。しっかりとその言葉を伝える、見てくれるいろんな人に伝わるように演じました。
撮影:平田貴章
現場には天然が多い?
――いざ日向としてメインビジュアルを撮影した時はいかがでしたか?
須賀 めちゃくちゃ嬉しかったです。ユニフォーム着れたのがものすごく大きかったですね。やっぱり。ユニフォームを着ると身が引き締まるし、その世界に入れるアイテムのひとつなので。
――木村さんは影山としての姿のご自分はいかがでしたか?
木村 これからもっと役に近づけていきたいと思いました。顔も変わってくるとは思うし、もっとみんな生き生きした状態になるんだろうなと、最初見て思いましたね。自分の姿を見て、「ああ、これはもっとイケるな」って。
――チームメイトの皆さんとはもう会ったりされましたか?
木村 会いましたね。
須賀 そうですね。
――これから一緒にやっていく仲間との感触はいかがでしたか?
須賀 うーん、まだそこまで深くお話とかしたわけじゃないんです。でもこの間ちょっと何人か集まれる機会があったので、少しバレーボールの練習をしたんですけど。その時に全員ではなかったですけど、少しずつお互いのことを知れて、同世代なんだなというのはその時に実感しましたね。とても近い空気感がありました。そこはお芝居をする上でも、お互いにいろいろと言いやすいですし、いい環境でできるかなと思っています。……あとは天然多い説が(笑)。
――それはお2人も含めて?
須賀 いや、俺らは全然!
木村 違いますよね(笑)。
――うまくみんなをまとめられそうですか?
須賀 今回は座長ということでやらせてもらってますけど、僕はそういう経験も全然ないので。そういうことも全然意識するつもりもないし、1つの作品を通してみんなと団結できるのが1番だと思っています。
――お2人は共演の経験もあって、お互いに分かりあっているところも多いので、そういうところでも頼もしいところはありますか?
須賀 それはもうすごく。単純にまた一緒にお芝居できるのが嬉しいですし。一から作り上げるよりは何千倍もいいと思うし、言いあえる環境というのが最初からできて、すごく嬉しかったです。
――木村さんはどうですか?
木村 いきなり初対面の人とマジ喧嘩してみろって言われても、無理だと思うんです。多少知った仲でやれるのは、本当にありがたいですし、もっと深いところまでいけそうな気がするから、良かったと思っています。
撮影:平田貴章
――「ハイキュー!!」はバレーボールを題材にしていますが、お2人はバレーボールの経験はありますか?
須賀 僕は一応あります。
――授業でもあるんですよね。
須賀・木村 授業でもやりますね。
須賀 僕は中学校の2年生までは、バレーボールやってました。部活で2年間だけ。ほぼ幽霊部員でしたが。
――あんまり行ってはいなかったんですね。忙しくて?
須賀 そうなんです。忙しくて。でも、出るときはピンチサーバーだったんです。
――では、ここぞという時に出て行くかっこいいポジションですね。
須賀 いや、ピンチを呼ぶサーバーって言われてましたね(笑)。
――ピンチを呼ぶほうなんですね(笑)。
須賀 おいしいといえばおいしいんです。こっちが23点ぐらいのときに投入されるんで。なんか、勝ち試合みたいな時に(笑)。
木村 でもピンチを呼ぶんでしょう?
須賀 呼ぶ呼ぶ。
木村 こっちが有利なのに、ピンチ呼んじゃうんでしょ?(笑)
須賀 でも僕が出ることにより、みんな空気が和むんですよ。自分より下手な人間が出てきますから、緊張しなくなる(笑)
木村 監督もよくそこで「行け」っていうよね。
須賀 めっちゃ怖いんですよその監督。「お前、アップしとけぇ」って。むちゃくちゃ緊張しますね。だから、実は山口の気持ちが1番わかります。
木村 サーブ入れなきゃって?
須賀 そう。サーブ入れなきゃってなる!
木村 (笑)。
撮影:平田貴章
独りでは見ることの出来ない『頂の景色』とはー
――木村さんはバレーボールとの触れ合いはいかがですか?
木村 バレーボールは高校の時の授業やスポーツ大会とかで、やったことはありますね。それで思ったのが、まずセッターはやりたくない。っていうか、まず選ばなくない?
須賀 選ばない。楽しんでやるなら打つ方を選ぶよね。
木村 アタッカーが一番やってて気持ちいいし、勝った実感も一番湧くし。でもこのマンガを読んで、セッターもいいなって思いました。
――今回の舞台は「ハイパープロジェクション演劇」ということなんですが、そのあたりのお話はすでに聞かれているんですか?
須賀 まだ僕らも未知の部分多いんです。そこはお客さんと同じで、でも演出家のウォーリーさんが、「これが全部うまくハマれば、みんな見たことがない舞台で、見たことのないスポーツをお客さんに見てもらえる」って仰っていて。もちろんバレーボールのマンガなんですけど、バレーボールを越えた、「新しいものを見せていける」というのがすごく楽しみですね。実はちょっと情報をもらえているところもあって、相当面白くできるかなと思っています。
――「ハイキュー!!」はジャンプ作品ということで、お2人は『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』などもやってらっしゃると思うのですが、原作が人気の作品に出るというプレッシャーとかはあったりしましたか?
須賀 それは少なからずはありますね。それだけ多くの人が愛している作品なので、僕たちが関わる前からこの作品を好きでいるお客さんたちが、受け入れて下さるかなということは思います。でもそれに縛られ過ぎるのも面白くないし、きっとお客さんもそれを求めているわけじゃないと思うので。僕らなりの視点でやれたらいいなというのは、常に思うようにしています。
木村 ファンはこの作品を愛しているだろうし、キャラを愛しているだろうし。それを壊しちゃいけないというプレッシャーは今までやってきた作品からでも感じます。でもその中で、自分が演じたことによって新たな発見を与えられたらいいなとも思います。
――「ハイキュー!!」原作の中に、「独りでは見ることのできない頂の景色を見る」という台詞がありますが、お2人にとって舞台をやる上で、「独りでは見ることのできない景色」それはなんだと思いますか?
須賀 この作品を成功させることですね。まさにその台詞の通りだと思うんですけど。その台詞が示しているのは、試合に勝つということだと思うんです。それと同じで、舞台という試合をしっかりと形にして、お客さんに楽しんでもらった先の景色が僕たちの「頂の景色」じゃないかなと思っています。
木村 うん。勝つことも「頂の景色」かもしれないですけど、僕はそれまでにやってきた過程も大事だと思うので、みんなで血反吐を吐くような練習をし、それまでに築き上げて来た関係性を今この試合で発揮するぞって、それがもし負けてもその関係は終わらないわけで。それもまた違う景色から見た「頂の景色」なんじゃないかなって、僕は思います。
須賀 過程を大事に、そして勝つ!
撮影:平田貴章
自分たちが選ばれたことを感じながらー
――昨今は舞台ブームだと思いますが、見せ方やアプローチなど何か意識していることはありますか?
須賀 ないですね。やっぱり客層とかターゲットは僕たちが意識することではないと個人的には思っているので。原作を好きな方がきっと集まる場だと思うし。だからそこを僕たちが意識してやるよりはただ素直に感じたことを、出して行けたらなって思います。でもこれは舞台全般において僕が意識していることですけど。感情をしっかり表に出すということは意識します。舞台は映像以上に伝わりづらいものがあるので。
――木村さんはなにかありますか?
木村 右に同じですね。
須賀 ここは右に同じなんですね? 急に息があったかな(笑)。
――ファンの方が見てくれているから、舞台をやっている自分たちを押し上げてくれるだとか。みんな熱心に感想を言って下さると思いますし、そういうところで一緒に作ったなっていう感覚ってあったりしますか?
木村 ありますね。
須賀 見てくれるお客さんがいないと成り立たないですから。そういう面では、最初からというかスタートの段階からお客さんの支持じゃないですけど、お客さんが注目してくださっていますし、頑張ろうって思いますよね。
木村 それがあれじゃん。「独りでは見ることのできない頂の景色」!
須賀 おお!
木村 すみません、良いこと言いました(笑)。
全員 (笑)。
――ここを見て欲しいという注目ポイントはありますか?
須賀 どうなってくるのかがまだ……。
木村 わからないんですよね。
須賀 でも僕たちがお話の軸になるかと思うので、この関係性は確実に注目していただけるようにしたいと思っています。やっぱり原作の持つエネルギーとかをしっかり伝えていけるといいなと思いますね。
木村 もし僕たちじゃなかったら、その台詞は違ったように聞こえていたかもしれないと思うし。僕たちが選ばれている意味を感じながら、僕たちにしかできないものを作っていけたらなと思います。
須賀 この1本を全力でやり切った後にどう思うか。それも楽しみですね。チームメイトのみんなとも切磋琢磨して作った作品になるはずですし。どんなものが待っているのか。
――ステージ上でもボールさばきってあるんですか?
須賀 これはどうでしょうね(笑)。僕たちも本当に知らされてなくて、いつなにがあってもいいようにはしていますけど。
――ぜひ素晴らしい試合を見せていただきたいです。
須賀・木村 頑張ります!
――ありがとうございました。
撮影:平田貴章
終始にこやかに、でも作品のことや演技の事になると真剣な眼差しで言葉を選びながら伝えてくれた二人。
きっと二人を中心にした素晴らしい作品が生まれる予感がする、その『頂の景色』を楽しみに公演を待ちたい。
文:海梨
<公演日程・会場>
東京:2015年11月14日(土)~23日(月・祝) AiiA 2.5 Theater Tokyo
大阪:2015年11月27日(金)~29日(日) シアターBRAVA!
宮城:2015年12月5日(土)~6日(日) 多賀城市民会館 大ホール
東京凱旋:2015年12月10日(木)~13日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
<スタッフ・キャスト>
原作:古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
演出:ウォーリー木下(ウォーリーキノシタ)
脚本:中屋敷法仁(ナカヤシキノリヒト)
出演:
■烏野高校
須賀健太/木村達成/
小坂涼太郎 三浦海里 塩田康平 橋本祥平
川原一馬 田中啓太 猪野広樹 冨森ジャスティン/
■青葉城西高校
遊馬晃祐 平田雄也 坂本康太 有澤樟太郎
和田雅成 齋藤健心 金井成大 畠山 遼/
■烏野高校 顧問&コーチ
内田 滋 林 剛史
<
発売日:2015年9月27日(日)10:00~
◆公式ホームページはこちら