ミスチル、矢野顕子ら出演、くるり主催10年目の『京都音博』はスペシャルなエンディングに

2016.9.20
レポート
音楽

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』くるり 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

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今年9月1日にバンド結成20周年目を迎えたくるりが、地元・京都で2007年から開催している『京都音楽博覧会』。記念すべき10年目の開催となった今年は、Tété、矢野顕子、Mr. Childrenという多彩なラインナップを迎えて9月18日(日)に開催され、途中、悪天候によるアクシデントがありながらも盛況のうちに終了となった当日の模様を、オフィシャルレポートでお届けする。


『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』くるり 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

12:00。例年通り、くるりの岸田と佐藤による開会宣言ではじまった10回目を迎える『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』。初回の2007年より大きく発展したこの梅小路公園は、2012年3月には京都市初の本格的な水族館「京都水族館」がオープンしたほか、2016年4月には、日本最大級の鉄道博物館「京都鉄道博物館」がオープンしている。ちなみに、先日リリースされた、オールタイムベスト『くるりの20回転』のジャケット写真などが撮影されたのも、この京都鉄道博物館である。

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』くるり 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』くるり 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

12:05。開会宣言の後、ステージへ呼びこまれたのは、オリジナルドラマーの森信行。さらに1曲目に繰り出されたのは「東京」。雨天模様の中、デビュー当時のメンバーによるファーストシングルで、記念すべき10回目の京都音博がスタートした。その後も「虹」「さよならストレンジャー」他、バンドの初期を支えた5曲を披露。奏でるシンプルかつ重厚なバンドサウンドに、会場に集まった12,000人の観客も釘付けとなり、トリオ編成こそが、くるりの原型であることを改めて見せつけると共に、時折3人が見せる表情に、当時の記憶がよみがえるような心温まるステージとなった。

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』Tété 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

13:05。セネガル出身のフランス人シンガーソングライター、Tété。4本のアコースティックギターをバックにステージへ1人で登場。フォーク、ロック、ブルースのエッセンスがちりばめられたサウンドは、時にストンプを交えながら観客を躍らせ、時に哀愁帯びたメロディとその歌声に会場中が酔いしれた。来月リリースされる3年ぶりのニューアルバムから披露された「PERSONA NON GRATA」他、8曲を披露。「あいにくの雨だけど、心の中は晴れています」とステージ上で話したTétéの歌声は、その曇天を突き抜けるかのように、どこまでもしなやかで優しく響き渡った。

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』矢野顕子 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

14:00。黄色いドレスを身にまといステージに登場したのは、2009年以来2度目の京都音博出演となった矢野顕子。ピアノ弾き語りというスタイルで臨んだ矢野は、代表曲「春咲小紅」「ひとつだけ」の他、くるり「ばらの花」、そして谷村新司作詞作曲による名曲「いい日旅立ち」のカバーなど、その類まれなるピアノアレンジと、唯一無二の美声を場内に響き渡らせた。終盤では岸田が登場し、二人の共作で2006年に発表された「PRESTO」を共演。今年音楽活動40周年をむかえた日本を代表するミュージシャンが紅一点として、記念すべき10回目の『京都音博』に花を添えた。

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』Mr. Children 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

15:15。『京都音博』初登場となる、Mr.Childrenがステージへ。国民的ロックバンドの登場と同時に沸き起こる歓声が鳴りやまない中、冒頭から「名もなき詩」「Tomorrow never knows」といったシングルナンバーで会場を一気に沸騰させる。中盤で桜井和寿(Vo)は「錚々たるメンツが並ぶ、この『京都音博』にようやく出演することができました」と初出演を喜び、最新作『REFLECTION』からも「Melody」「足音~Be Strong」を披露。圧倒的なポップネスとオリジナリティを持つ新旧織り交ぜたセットリストで、会場を魅了した。

『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』桜井和寿&くるり 撮影=久保憲司/KENJI KUBO

16:30。雨脚がこの日一番に強まった時間に登場したのは岸田、佐藤、そしてMr.Childrenから桜井。ステージに現れた3人が披露したスペシャルコラボは、1996年にMr.Childrenが発表したアルバム『深海』より「シーラカンス」を披露。桜井のシャウトまじりの歌声は、地面をたたきつけるような雨に負けじと高らかに鳴り、それに呼応するかのように、岸田のボーカルとギター、佐藤のベースもうねりを上げ、力強いグルーヴが印象的なシーンとなった。

17:30。この日の最後のアクトとしてQURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchesterが出演する予定だったが、天候悪化のためイベントは終了となった。

19:45。京都音楽博覧会Twitterアカウントで告知されたのは「くるり音博からの緊急配信」。記念すべき10回目の京都音博でステージングを披露できなかった彼らによる簡易ライブの生中継をLINE LIVEで行うことが急きょ告知された。

20:15。LINE LIVEの画面には、QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchesterの面々が登場。披露された楽曲は「JUBILEE」をはじめ4曲。視聴者からは、くるりのこの粋な行動に大きな反響が寄せられた。そして京都音博のラストナンバーとも言うべき「宿はなし」を、岸田、佐藤の2人が弾き語りで演奏した。急な告知にもかかわらず、視聴者は27,000人を数え、10回目の京都音博はメモリアルかつスペシャルな形で幕を閉じた。

撮影=久保憲司/KENJI KUBO

セットリスト
京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園
2016.9.18(SUN)京都・梅小路公園 芝生広場

■くるり with森信行
M1 東京
M2 虹
M3 尼崎の魚
M4 夜行列車と烏瓜
M5 さよならストレンジャー

■Tété
M1 LA REALITE
M2 L’AIR DE RIEN
M3 L’ENVIE & LE DEDAIN
M4 WHEN SHIT HITS THE FAN
M5 N’ETRE QUE SOI 
M6 PERSONA NON GRATA
M7 MADELEINE BAS DE LAINE
M8 A LA FAVEUR DE L’AUTOMNE

■矢野顕子
M1 春咲小紅
M2 ばらの花
M3 ISETAN-TAN-TAN
M4 いい日旅立ち
M5 ひとつだけ
M6 PRESTO (with 岸田 繁)

■Mr. Children
M1 名もなき詩
M2 Tomorrow never knows
M3 Melody
M4 PIANO MAN
M5 ランニングハイ
M6 しるし
M7 足音~Be Strong
M8 僕らの音

■桜井和寿&くるり
M1 シーラカンス
天候悪化のためイベント終了

■QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchester ※LINE LIVE中継
M1 JUBILEE
M2 さよなら春の日
M3 デルタ
M4 ブレーメン
M5 宿はなし(くるり)

 

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