関西フィルハーモニー管弦楽団「2017年度定期・特別演奏会」ラインナップ発表!
-
ポスト -
シェア - 送る
関西フィルハーモニー管弦楽団 (C) s.yamamoto
先ごろ、関西フィルハーモニー管弦楽団の2017年度シーズン「定期・特別演奏会」のラインナップが発表された。
関西フィルは新しいシーズンが1月から始まることもあって、これまでも翌年のシーズンプログラムを関西のどのオーケストラよりも先に発表してきた。ファンやクラシック関係者が注目する中発表された来シーズンのラインナップは、関西フィルの現在を映し出すとても充実したものだ。
音楽監督:オーギュスタン・デュメイ (C)HIKAWA
関西随一の安定した指揮者陣を誇る関西フィル。現在、ポストを持つ指揮者は3名。
音楽監督のオーギュスタン・デュメイは今世紀最高のヴァイオリニストのひとりで、2008年に首席客演指揮者、2011年より楽団初の音楽監督に就任。インスピレーションと発見に満ち溢れた刺激的なリハーサルを重ね、関西フィルのサウンドを劇的に変えた。演奏会では自らヴァイオリンを弾き、指揮もする弾き振りのスタイルをとることも多く、ファンや関係者から大きな注目を集めている。昨年の楽団初となる欧州演奏旅行を大成功に終えたことは楽員の自信にも繋がり、両者の関係は極めて良好。以前にも増して充実した演奏を行っている。
音楽監督6年目のシーズンとなる来年度は、欧州でも評判となったブラームスの作品を中心に取り上げる。交響曲やヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲などデュメイが得意とするブラームスの魅力をいろいろな作品から触れることが出来る。また、デュメイ自身が演奏するフランクのヴァイオリンソナタを本編に組み込むなど、他のオーケストラでは真似できないユニークなプログラムを携え定期演奏会に3度登場する。
首席指揮者:藤岡幸夫 写真提供:大阪国際フェスティバル(C)森口ミツル
首席指揮者 藤岡幸夫は2000年に正指揮者、2007年より現在のポストに就任。関西フィルとは年間40回の共演を果たす。持ち前の明るいキャラクターからファンも多く、クラシック音楽を分かりやすく聴かせる努力を惜しまず、裾野拡大に貢献している。指揮だけでなくテレビのレギュラー番組の司会や企画にも携わり、幅広く活動中。独自のネットワークを駆使して常に新しい息吹をオーケストラに注入。作曲家 吉松隆や冨田勲、菅野祐悟など邦人作品をすすんで取り上げている事も、他楽団との差別化につながり楽団のカラーとなっている。
来シーズンは定期演奏会に2度登場。継続中のシベリウスツィクルスは6回目を迎え、CDにもなり好評を博した交響曲第5番を初めて定期演奏会で指揮。もうひとつは、こちらも得意とするイギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムスの交響曲第5番を取り上げる。自らSNSを使って聴きどころを呼び掛けるなど、ファンサービスも万全。いつものように笑顔あふれる演奏会になることだろう。
桂冠名誉指揮者:飯守泰次郎 (C) s.yamamoto
桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎は2001年に常任指揮者、2011年より現在のポストに就任。関西フィルとは楽団の顔として長きにわたり年間20回ほどの演奏活動を実施。その間、紫綬褒章、旭日小綬章、文化功労者、日本芸術院会員などを受賞・選出された。現在は新国立劇場オペラ部門芸術監督を務めるなど、日本を代表するクラシック音楽界の巨匠だ。
来シーズンの定期演奏会には2度登場。交響曲第1番から順に演奏してきたブルックナーツィクルスは、いよいよ人気の交響曲第7番に到達。ブルックナーファン待望の演奏会だけに、盛り上がることは間違いない。もうひとつはベートーヴェン晩年の大曲、ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)を取り上げる。オーケストラと関西フィルハーモニー合唱団、豪華ソリストによって作り出される華麗なる音絵巻が堪能出来るはずだ。精神性あふれる飯守泰次郎の音楽を体験するにはベストなプログラムが並んだ。聴き逃すわけにはいかない。
三ツ橋敬子(指揮) (C)Miyoshi Eisuke
3名のポストを持つ指揮者陣以外ではフレッシュな名前が並ぶ。これまでも関西のどのオーケストラよりも先に新進気鋭の指揮者を試してみたり、日本初演の現代曲を演奏したりと、関西フィルの意欲的な姿勢はファンにとって楽しみのひとつ。
ロシア、ヨーロッパを中心に活躍中の実力派指揮者ピエル・カルロ・オリツィオはプロコフィエフの交響曲第5番で定期演奏会デビューを飾る。また昨年、1位が出ないことで知られる難関の東京国際音楽コンクール〈指揮〉にて第1位受賞(1990年の下野竜也以来) に輝いた逸材ディエゴ・マルティン・エチェバリアは、シューマンの交響曲第2番でデビュー。第九特別演奏会を指揮するのは、近年活躍が目覚ましい三ツ橋敬子。関西フィルとの相性も申し分なく、満を持して第九の指揮者に選ばれた。
シュテファン・ドール(ホルン) (C)Monika Rittershaus
シプリアン・カツァリス(ピアノ)
来シーズンの定期演奏会で特筆すべきは、すべての回で取り上げる協奏曲と、充実したソリストの顔ぶれ。ルーカス・ゲニューシャス(Pf)、シプリアン・カツァリス(Pf)、シュテファン・ドール(Hr)、横山幸雄(Pf)など世界で活躍する奏者から、郷古廉(Vn)、松田華音(Pf)といった新進気鋭の人気者まで、すべて音楽監督のデュメイが太鼓判を押したソリストだけに、その実力は折り紙付き。特にベルリンフィルの首席奏者シュテファン・ドールは、モーツァルトとR.シュトラウスの協奏曲2曲を演奏。これは楽しみだ!
関西フィル「2017年度定期・特別演奏会」の充実したラインナップの魅力は伝わっただろうか。各演奏会については下記の一覧表をご覧いただきたい。 来シーズンの「関西フィル友の会」(定期会員)募集開始は10月初旬の予定。
■日時:2017年2月24日(金) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:ピエル・カルロ・オリツィオ
■独奏:ルーカス・ゲニューシャス(ピアノ)
■曲目:
ベッリーニ/歌劇「ノルマ」序曲
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
プロコフィエフ/交響曲第5番
■日時:2017年3月31日(金) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:飯守泰次郎
■独奏:若林顕(ピアノ)
■曲目:
モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番
ブルックナー/交響曲第7番
■日時:2017年4月29日(土・祝) 14:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:飯守泰次郎
■独唱:畑儀文、ほか調整中
■合唱:関西フィルハーモニー合唱団
■曲目:ベートーヴェン/ミサ・ソレムニス
■日時:2017年5月17日(水) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:藤岡幸夫
■独奏:シプリアン・カツァリス(ピアノ)
■曲目:
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲第5番
■日時:2017年6月22日(木) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:オーギュスタン・デュメイ
■独奏:郷古廉(ヴァイオリン)
■曲目:
ブラームス/悲劇的序曲
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
シューベルト/交響曲第5番
■日時:2017年7月5日(水) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:ディエゴ・マルティン・エチェバリア
■独奏:シュテファン・ドール(ホルン)
■曲目:
モーツァルト/ホルン協奏曲第3番
R・シュトラウス/ホルン協奏曲第2番
シューマン/交響曲第2番
■日時:2017年9月20日(水) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:オーギュスタン・デュメイ
■独奏:岩谷祐之(ヴァイオリン)、パヴェル・ゴムツィアコフ(チェロ)
■曲目:
ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ブラームス/交響曲第1番
■日時:2017年10月19日(木) 19:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:藤岡幸夫
■独奏:松田華音(ピアノ)
■曲目:
グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調
シベリウス/交響曲第5番 ほか
■日時:2017年11月23日(木・祝) 14:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮&独奏:オーギュスタン・デュメイ(ヴァイオリン)
■独奏:横山幸雄(ピアノ)
■曲目:
フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調
サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番 ほか
■日時:2017年12月16日(土) 14:30 (開演予定)
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:三ツ橋敬子
■独唱:調整中
■合唱:田辺第九合唱団
■曲目:
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」
「第九特別演奏会」のみS席¥6,000 A席¥5,000 B席¥4,000 C席¥3,000 学生席¥1,000
■オフィシャル・ホームページ:http://kansaiphil.jp/
※ 「関西フィル友の会」(定期会員)の受付開始は10月初旬予定。
「定期演奏会・第九特別演奏会」の1回券の発売については未定。