百戦錬磨のSAが繰り広げる極上のパンクロックショー
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SA
山人音楽祭2016 【榛名ステージ】 SA
客電が落ちると、フロアからは歓声と共に熱烈なSAコールが巻き起こり、メンバーがステージに颯爽と現れる。このコールがないとSAのライブは始まらない!
「もっと前に来い!」とフロアを煽るボーカルTAISEIの「行くか? 行くか? 行くぜ!」という合図とともに、「START ALL OVER AGAIN!」をプレイ。パンクロックショーの始まりだ。SAのファン“コムレイズ”を中心にのっけから熱いシンガロングで盛り上がる。SAを初めて観ているであろうキッズにも「なんでもいいから楽しんじまえ!」と猛烈なエネルギーでグイグイ引っ張っていく。
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続く「KIDZ IGNITE」ではさらにテンションを上げ、後方で様子見をしている観客をも巻き込む。ベースはぶっとく、ドラミングもハード、ギターもかなりアグレッシブだ。しかし、そんなサウンドに乗っかるポップなメロディが実に人懐っこい。強面なビジュアルにビビっているのはもったいないのだ。
MCではこんな一幕があった。TAISEIが「初めてSA観たヤツ、手を挙げてみろ!」と促すと、いくつもの手が挙がる。すると彼は「想像以上に多い…」と軽く凹んで笑いを誘う。しかし、「そんなにSAは怖くないっていうことを分かってもらえるはず!」と、“否定をするな、受け入れろ”という思いを込めた「DON'T DENY, GIVE IT A TRY!!」をプレイ。しかし、そんなことはみんな既に分かっていたのかもしれない。いつの間にかフロアには人が増え、SAコールのボリュームも格段に上がっている。こうなるともう百戦錬磨のSAペース。演奏も歌も人間も全てにエネルギーが満ちている。彼らが今でも多くの若手バンドにリスペクトされている理由のひとつだ。
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「今日初めて見るヤツがどれだけやってくれるかなー!」と演奏前にTAISEIが気にしていた「GO BARMY KIDS」では、「隣の奴と肩組めよ! 先輩の言うことは聞け!」という煽りと共に、見ず知らずの隣モン同士が続々と肩を繋いでいく。なんて美しい光景だろうか。皆が拳を左右に突き上げ、興味半分でやってきたように見える女のコも楽しそうに手を振っている。
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最後は「DELIGHT」。誰もが知ってるバッハの名曲のパンクカバーでフロアはひとつとなった――。パンクロックには危険な香りが漂うが、SAは仲間と一緒に共鳴すること、楽しむことを一番に考えている。それがSAのパンクロックショウなんだ。客電がついた後も、フロアにはSAコールが響いていた。
レポート・文=阿刀“DA”大志 撮影=半田安政(Showcase)
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2.KIDS IGNITE
3.DON’T DENY,GIVE IT A TRY!!
4.GO BARMY KIDS
5.DELIGHT