群馬の地に爪痕を残した長崎のヒーロー・SHANK
SHANK
山人音楽祭2016 【榛名ステージ】 SHANK
さあ、早くもタイムテーブルが後半に差し掛かったところで、榛名ステージには長崎発の3ピースバンド・SHANKが見参だ。30分ほど前に同ステージに出演したMy Hair is Badの熱演による余韻が残っているようで、開演前のフロアは既にかなり蒸し暑いのだが、見渡す限り、人、人、人の大盛況。しかもみんな、いろいろな種類のTシャツを着ている。それだけ、どのバンドのファンからも一目置かれる存在になりつつあるということだろう。
SHANK
庵原将平(Vo/Ba)、松崎兵太(Gt/Cho)、池本雄季(Dr/Cho)が姿を見せると、何言っているか聞き取れないほどのスピードで庵原が挨拶してから、1曲目「Two sweet coffees a day」を投下した。小細工なしのド直球でバンド自身の生き様を曝け出していくサウンド。それを食らったオーディエンスは水を得た魚のように、ジャンプし、拳を振り上げ、手拍子し、シンガロングする(しかもこれ、1曲の中にすべて詰め込まれていたりするのだ。ドラマティックにも程がある)。聴き手の昂揚感が根こそぎ引っ張り出され、デッカい熱量の塊として結実していく。一体感を生みだしつつも、一人ひとりの胸の高鳴りを決して無視なんてしないこの感じは何だろう。どうしても、笑いながら泣きたくなってしまう。
SHANK
MCを除けば曲間はほぼ0秒、全11曲を次々演奏するスタイルだった本日のステージ。地元・長崎で『BLAZE UP NAGASAKI』を主催している彼らは、尊敬すべき先輩バンド・G-FREAK FACTORYについて「立ち振る舞いも姿勢も何もかも、リスペクトしかないです!」と興奮気味に語っていた。「みんな群馬は田舎だっていうけど、そうでもなかったよ」(松崎)、「いや、前橋は大概だった。同じ者同士、仲良くしましょう」(庵原)なんて言いながらオーディエンスと笑い合う場面もあったが、ロックバンドが地元発のヒーローとして強さと輝きを増していく様子は、いつだってカッコいいし、それは今日この場所に集まったみんながよく知っているはずだ。そんな彼らは「長崎、SHANKでした!」と叫んでからステージを去っていったのだった。
レポート・文=蜂須賀ちなみ 撮影=半田安政(Showcase)
SHANK
1.Two sweet coffees a day
2.Cigar Store
3.Take Me Back
4.Good Night Darling
5.620
6.Hope
7.Movie
8.TOP WATER
9.Departure
10.Set the fire
11.submarine