Versailles「みなさんの期待を背に、馬に乗って駆け巡りたい」KAMIJOインタビュー
Versailles
活動休止から3年8カ月ぶりに完全復帰したVersaillesがすごいことになっている。完全復帰すると同時に、彼らはバンド結成10周年イヤーとなる2017年2月14日に初の日本武道館単独公演『Chateau de Versailles』を開催することを発表。続けて、先日はその武道館で4年ぶりのオリジナルアルバムを観客に無料配布することを伝え、世間をアッと驚かせた。その真意を確かめるべく、リーダーのKAMIJO(Vo)に話を訊いた。
2017年も“Versaillesならなんかやってくれる”というみなさんの期待を背に乗せ、僕たちは馬に乗ってこの10周年イヤーを駆け巡りたい。
――とにかく、復帰後から世間を騒がせてばかりのVersaillesですが、なかでも先日発表になった「Versailles4年ぶりのオリジナルアルバムリリース。価格はゼロ! 手に入れる方法はただ一つ。2月14日(火)日本武道館に集結せよ!」というニュースには本当に驚かされました。これは、どういうことなんですか?
ファンの誰もがもっとも期待しているのはVersaillesの新譜、オリジナルアルバムだと思うんです。オリジナルアルバムとなると、前作から4年ぶりですからね。それを、日本武道館にいらしてくれた来場者のみなさんにお配りするということです。
――武道館先行発売、というのではなくて?
あげます(微笑)。
――つまり、当日を買って武道館に来てくれた人は会場でVersaillesの最新オリジナルアルバムをタダ、無料でゲットできるということ?
はい(微笑)。そうなりますね。
――新作はどんな作品になるんでしょうか。
ミニアルバムを予定しているのですが、1stミニアルバム『Lyrical Sympathy』制作時のように、ある種初期衝動に近い感覚で作ることができています。フルアルバムという形をとらなかったのも曲数を絞ることで、より密度の濃い作品にするためでもあります。あくまで企画盤とかではなく、本気のオリジナルアルバムとして制作しています。Versaillesとしてちょうど2017年は10周年を迎える節目だからこそ、大きな城を建てるつもりで大切に作り上げたい作品なんです。
――薔薇の末裔として活動してきたVersaillesが、ついにヴェルサイユ宮殿を具現化するということですね?
そうです。そして、このアルバムはこの日、日本武道館にいらした方しか手にすることはできません。
――後日発売はしないんですか?
後日発売は予定していません。あくまでファンの方と一緒に完成の瞬間を迎えたいんです。その瞬間が日本武道館公演だと思っています。しかし僕たちは世界中のファンの皆さんに支えられています。どうしても来れない方もいると思うのですが、そういった声や想いも何かしらの形でこの作品の内容に反映出来たらと思っています。とにかくこの作品はこの後の未来のライブにつながっていくものですから、まずは武道館に来ていただいて、なんとしても手に入れていただきたいですね。
――武道館でニューアルバムを無料配布すること自体、前代未聞だと思うんですが。やはり、Versaillesにとって今回の日本武道館公演はバンドとしてそれぐらい特別な思い入れがあるということなんですよね?
メンバーと“復活とは何か?”ということを考えていくなかで、Versaillesが復活するということは“日本武道館”という自分たちのインディーズ時代からの目標を、まず過去の出来事にしなければならない、と。ですから、僕たちが復活するということは日本武道館をやることだというのは2014年からメンバーのなかで話していたんですね。
――つまりVersaillesが復活する=日本武道館をやる、ということだったと。
ええ。だから、僕たちは日本武道館公演が決まったから復活を発表したんですよ。日本武道館が決まらなければ復活する気はありませんでした。
――日本武道館公演がVersailles復活の条件だった訳ですね?
そうです。日本武道館はVersaillesとしてインディーズの頃からライブをやりたかった場所なんです。でも、そのときはちょっとハードルが高すぎたんですね。しかし、それから時間が経ち、気がついたら僕たちは世界中でツアーをやらせていただいたり、そこでは何万人もの方にライブに足を運んでいただくようになってきた。じゃあそろそろ、日本のみなさんにも最高の景色を見せてあげるべきなんじゃないか、と。よく考えてみたら、僕たちはNHKホールまでやって次の一歩を頑張れば日本武道館もやれるだろうと。そういうところから、じゃあ日本武道館をやらなければならないねということになりました。
復活というのは、前に進むこと。
新しい未来を作ることが可能なことを復活と呼ぶんだと思うんです。
――なるほど。復活するならこれぐらいはやらなければという使命感もあったんですかね。
そうです。復活して、過去の曲を演奏して“懐かしいね。やっぱりいいね”といわれただけでまたフェードアウトしていく。そういう復活劇を僕たちはもう散々見てきたんです。そうじゃないんですよ。僕たちがいっている復活は。復活というのは、前に進むこと。新しい未来を作ることが可能なことを復活と呼ぶんだと思うんです。過去の曲が聴けるだけでは復活ではない。それならCDでいいんです。自分たちの新曲であったり、自分たちのよりパワーアップした姿をお見せすることが復活だと思いますので。その舞台としては、日本武道館がもっともふさわしいのかなと。
――自分たちの前に進んだ、パワーアップした姿を見せることが復活という考えが根底にあったからこそ、9月に発売したリテイクベストアルバム『The Greatest Hits 2007-2016』では過去の曲をすべてリテイクして、新曲2曲も加えてたし。そして、ライブ当日には自分たちのもっとも新しい姿を届けるために、まっさらのニューアルバムを配るんですね。
ええ。そうなんです。
Versailles KAMIJO(Vo)
総理夫人の安倍昭恵さんを始めものすごい方々から応援コメントをいただいたので、日本を代表する気持ちでステージに立ちたいと思います。
――では、武道館はどんなライブになるんでしょうか?
ドラマティックな映画を観るような、もしくはテーマパークのショーでも観るような、それぐらい一つの物語のなかに入ってこられるような劇的なロックショーを見せられたらなと考えいます。ショーのタイトルである『Chateau de Versailles』という大きな宮殿を一つの作品として、セットリストで見せられたらと思ってますね。
――ショーという意味では、Versaillesの徹底的にこだわり抜いた耽美な世界観を見せるショーは、ライブを体感しつつも、物語を見ているようでもありますからね。
僕は、音楽とか舞台とかドラマ、映画、漫画、小説……そういう風にカテゴライズするのがあんまり好きじゃないんです。例えばミステリー、ファンタジー、ラブストーリー……そんな風に伝えているメッセージであったり世界観で、僕たちは自分の好きなものを選んでいると思うんですよ。みなさん、自分の好きな音楽とか映画を思い浮かべてみて下さい。きっと自分のアンテナに引っかかるものって、なにか共通点があると思うんです。そこで、Versaillesというものがアンテナに引っかかる人というのは、もしかしたら昔のレッド・ツェッペリンが好きだったり、またイングヴェイ・マルムスティーンに憧れるロック好きかもしれないし、もしかしたらオペラやクラシックが好きなおじい様おばあ様かもしれないし、もしかしたらお姫様に憧れるちっちゃなお子さんかもしれない。事実、Versaillesは様々な方に応援していただいているんですね。なので、今回日本武道館をやるにあたって、ファミリーシートや託児所といったものも用意したんです。
――これは、Versaillesとしては新しい試みとなるんですか?
そうです。多くの方がいらっしゃれるお席をと考えて、初めて取り組んでみました。あとは、これを機会に若い学生の方にも観ていただきたいなと思って、学割も用意させていただきました。学割というのは美術館、博物館では当たり前のことですからね。
――では、今回初めてVersaillesのライブに行ってみようと考えている方々に向けて、KAMIJOさんからアドバイスをお願いします。
そうですね。『The Greatest Hits 2007-2016』は自分たちが選曲した“これがVersailles”という作品ですから、このCDを聴いてくればすごく楽しめると思います。それから、Versaillesのライブはメタルサウンドで耳が痛いんじゃないかという心配をされている方もいると思うんですけど。音の迫力はあっても、そこはしっかりとプロが作った聴きやすい音になってますから安心して下さい。ライブが始まったら音に身を任せていただくだけで大丈夫です。自然と体が動く感じになると思いますので、なにもご心配なさらずいらして下さい。
――KAMIJOさん自身は当日、どんな気持ちで武道館のステージに立ちたいと思っていますか?
なんといっても日の丸がある、由緒正しい場所なので、胸を張って、自信を持って立ちたいですね。今回日本武道館公演をやるにあたって、総理夫人の安倍昭恵さんを始め、ものすごい方々から応援コメントをいただいたので、当日は日本を代表する気持ちでステージに立ちたいと思います。
――それでは、最後にファンの方々に向けてメッセージをお願いします。
いま、いろいろなミュージシャンやバンドがいるなかでVersaillesのような存在のバンドは少なくなってしまいました。だからこそ、これからも僕たちの音楽が世界中の多くの方々に支持され、みなさんに愛され、これからの未来のミュージシャンに影響を与えられるような活動をしてきたいと思います。2017年も“Versaillesならなんかやってくれる”というみなさんの期待を背に乗せ、僕たちは馬に乗ってこの10周年イヤーを駆け巡りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、日本武道館でお待ちしております。
取材・文=東條祥恵
2017年2月14日(火) 日本武道館
OPEN 17:30 / START 18:30
VIP ¥15,000 (グッズ付)
指定席 ¥7,800
ファミリー1 (12歳以下のお子様1名と同伴) ¥9,800
ファミリー2 (12歳以下のお子様2名と同伴) ¥11,800
学割(中・高・大学生・専門学校) ¥3,000 学生証提示必要
※ファミリーの場合は1枚のみのとなります。
※お一人様4枚(4セット)まで。
※システム上5券種お申込みいただけますがご当選はどれか1券種のみとなります。
VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten
2016年10月16日(日)
幕張メッセホール 9-11ホール
【開場 / 開演 / 終演】開場8:00AM / 開演9:00AM / 終演9:00PM(予定)
【official web site】:http://visual-japan.com
・一般発売日 2016年9月3日(土)10時
【料金】
・1日券(オールスタンディング) 14,000円(税込)
・3日通し券(オールスタンディング) 39,000円(税込)
発売中
【初回限定盤CD+DVD /三方背BOX仕様】
Versailles『The Greatest Hits 2007-2016』初回盤
DVD内容:ドキュメンタリームービー「Versailles Documentary 信じる力を信じて」
【通常盤CD】
Versailles『The Greatest Hits 2007-2016』通常盤
<収録曲>
1.Melodic Thorn ~美の暴力~ ※新曲
2.The Revenant Choir【インディ・2ndアルバム『NOBLE』収録曲】
3. ASCENDED MASTER 【メジャー・デビュー・シングル曲】
4.Shout & Bites【インディ・デビュー・アルバム『Lyrical Sympathy』収録曲】
5.DESTINY-The Lovers-【2ndアルバム『Holy Grail』収録曲】
6.The Love from a Dead Orchestra【インディ・デビュー・アルバム『Lyrical Sympathy』収録曲】
7.zombie【インディ・2ndアルバム『NOBLE』収録曲】
8.After Cloudia【インディ・2ndアルバム『NOBLE』収録曲】
9.Serenade【メジャー・デビュー・アルバム『JUBILEE』収録曲】
10.MASQUERADE【2ndアルバム『Holy Grail』収録曲】
11.Philia 【2ndアルバム『Holy Grail』収録曲】
12.Aristocrat’s Symphony 【インディ・2ndアルバム『NOBLE』収録曲】
13.Chandelier ※新曲