朝海ひかる、安西慎太郎らが魅せるイプセンの会話劇 舞台『幽霊』公開稽古
2016.9.30
レポート
舞台
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朝海ひかる
9月29日(木)から紀伊國屋ホールにて上演がスタートする舞台『幽霊』の公開稽古が同日日中に行われ、朝海ひかる、安西慎太郎、吉原光夫、横田美紀、小山力也が熱のこもった芝居を見せた。
朝海ひかる、小山力也
本作はノルウェーの劇作家、詩人、舞台監督であり「近代演劇の父」と呼ばれるヘンリック・イプセンの作品。
ノルウェーの西部、大きなフィヨルドに臨むアルヴィング夫人(朝海)の屋敷で起こる物語。翌日に控える孤児院の開院式の準備のため、屋敷にはマンデルス牧師(小山)が立ち寄っていた。愛する一人息子のオスヴァル(安西)もパリ生活から数年ぶりに帰省し、夫人はたいそう上機嫌。しかしそんな中で、夫人が恐れていた<幽霊>が屋敷に再び現れる。屋敷を出入りする指物師(木工品の職人)のエングストラン(吉原)や、夫人の小間使いのレギーネ(横田)とアルヴィング夫人の屋敷との関係が徐々に明るみになっていく。夫人が長年ひた隠しにしてきた因襲の幽霊とは――
吉原光夫、横田美紀
安西慎太郎、横田美紀
安西慎太郎、朝海ひかる
重くたれこめた厚い雲から雨が降り注ぐ中、薄暗い屋敷の一室を中心に繰り広げられるセリフ劇。冒頭、比較的静かに言葉のやりとりが続いていくが、隠されていた真実が浮き彫りになるにつれ、一人ひとりの感情の激しい動きが停滞していた屋敷の空気を震わせる。物語の進行がゆっくりと進んでいくので、ぜひ腰を据えて登場人物たちの言葉一つ一つに耳を傾け、「幽霊」が何を意味しているのかを考えながら楽しんでいただきたい。
吉原光夫
朝海ひかる
公演情報