the GazettE ライブを重ねるたびに“最高”を更新してきた証

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2016.10.4
the GazettE/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE/PHOTO BY KEIKO TANABE

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the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 GRAND FINALE DOGMA-ANOTHER FATE-
2016.9.27(TUE)幕張メッセ国際展示場ホール10

派手な特効もなければ、大規模ライブには必須の大型モニターもない。幕張メッセ国際展示場のホール10という一面だだっ広い空間に設えられたステージは、限界まで客席との距離が詰められ、the GazettEという生き物の赤裸々な姿を目、耳、そして心と多方面から刻みつけていった。

昨年8月のアルバム『DOGMA』リリースに伴い、2本のホールツアーにワールドツアー、夏は国内スタンディングツアーと、『DOGMATIC』の名のもと、進むにつれて変化を重ねてきたロングツアーのグランドフィナーレ。それは『DOGMA』の完全生産限定盤に隠された“GOLDENTICKET”を、2月28日に代々木第一体育館で行なわれたワンマンライブ『漆黒』でエントリーカードに引き換えた者だけが入場できるフリーライブという、素晴らしく画期的な形で行なわれることとなった。つまり、ここに集うオーディエンスは全員がアルバムを聴き込んでライブに足を運んだ生粋のthe GazettEファン――即ち“SIX GUNS”と呼ばれる6人目のメンバーということ。必然的に生まれた桁違いの熱量は、1年超、全69本という一大ツアーで積み重ねてきた5人の経験値と濃密な化学反応を成して、the GazettEに潜む正真正銘の真核を白日のもとにさらけ出した。これこそ一連のツアーで彼らが目指した究極の目的であり、それを成し遂げたことで彼らは『DOGMA』という一つの作品を見事に完成せしめたのである。

the GazettE RUKI(Vo)/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE RUKI(Vo)/PHOTO BY KEIKO TANABE

「無償の権利を獲得した皆様、the GazettEからのプレゼントを存分に楽しんでください!」

この日ならではのアレンジがなされた開演アナウンスから無数の手がメンバーを迎え、真っ赤なライトとRUKI(Vo)の咆哮、そして怒涛に分厚いバンドサウンドが「DOGMA」を鳴らすと、ジャンプとヘッドバンギングの嵐が吹き荒れる狂乱の宴へ――。幕開けの情景は今ツアーでは見慣れたものだった。しかし、グランドファイナルが“いつも”と同じわけがない。逸る心に煽られたのか、RUKIはアウトロも終わらないうちに、こう叩きつける。

「思いっきり暴れてこうぜ! さぁ、やっちまえ!」

その瞬間を待ちかねたようにREITA(B)がステージ前方へとせり出し、激怒を意味する「RAGE」をタイトルのまま暴力的に放てば、続く「DAWN」では葵(G)も頭を振ってエモーショナルにギターをかき鳴らす。アルバム『DOGMA』序盤の3曲を引き締まったプレイで隙なく畳みかける5人からは、69本で鍛え上げてきた進化と同時に、抑えきれないアドレナリンの放出を確かに感じ取ることができた。それは長いツアーのグランドフィナーレという事実のみならず、自らの能動的な行動で入場の権利を勝ち取ったオーディエンスの沸騰するような熱気により引き起こされたものであることは間違いない。

the GazettE 麗(G)/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE 麗(G)/PHOTO BY KEIKO TANABE

「野郎ども、待たせたな! 今日はこのような広い会場を借りて、皆さんに暴れていただこうかと。ここにいる人たちは相当なイカれ者だと聞いてます。なので今日は目いっぱい楽しんじゃって。俺らも楽しんじゃうから。一緒に大打ち上げってことで盛り上がろうぜ! 気合い入れてかかってこい!」(RUKI)

以降、「GABRIEL ON THE GALLOWS」を皮切りにファンの支持も厚いタフなナンバーが並び、それぞれを麗(G)のギターソロが多色かつクレイジーに彩る。今ツアーではお馴染みの「BIZARRE」からは妖艶なムードが場内に漂い、「DEUX」でヘヴィに響く哀愁の奥底からせり上がる戒(Dr)のドラムの熱さときたら! その情念の籠った音に、RUKIも喉がかき切れんばかりの叫びを聴かせる。そして圧巻だったのは、やはり「OMINOUS」。冒頭でアコースティックギターを切なく鳴らしたギター隊は、間奏で麗が空から降るような、アウトロで葵が地の底から湧き上がるようなソロで聴く者の心を揺さぶり、RUKIのどこか悟ったようなクリアな歌声と、フロアを眩く照らし出すミラーボールの強い光量が、この楽曲に横たわる闇の深さを逆に際立たせる。さらにアウトロでは戒の火花散るようなドラミングに、大きく身体を揺らすREITAのシルエットが映えて、一瞬のうちに静寂へと。あまりにもドラマティックな展開に息を呑むが、驚くべきは楽曲の持つパワーと濃厚な世界観のみならず、何度繰り返し観てもなお、その度にクライマックスと魅入ってしまう事実である。それこそ彼らが69本というツアーにおいて、ライブを重ねるたびに“最高”を更新してきた何よりの証だ。

the GazettE 葵(G)/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE 葵(G)/PHOTO BY KEIKO TANABE

この日は大掛かりな舞台セットも特殊効果もなく、まさしくライブハウスを極限までスケールアップしたようなシンプルな作りだったが、それ故にいつも以上にクリアな姿と音を楽しむことができた。それはまさしく“the GazettEとは何か?”を掲げて一連のツアーで追い求めてきた、彼らの一つの“答え”であっただろう。飾ることなく本能と感情を剥き出したパフォーマンスは、後半戦ではさらにヒートアップ。「INCUBUS」でパワーコーラスを気持ちよく炸裂させる弦楽器隊は、その立ち姿のフォルムだけでワイルドなオーラを放ち、「LUCY」では客席の手拍子を受けた戒の神速ドラムに花道の先で麗が鳴らす華麗なギターソロで、場内のテンションは否応なしに上がってゆく。また、この日はREITAがセンターへと駆け寄りRUKIと並ぶシーンもしばしば見られたが、それも彼の前のめりな姿勢の表れに違いない。続く「ATTITUDE」で“until die!”と叫ぶオーディエンスの声もこれまで以上に厚いが、それでも「もっと腹から声出せ!」とRUKIが求めるのはココに辿り着いたツワモノたちへの信頼感ゆえか。そうして声を振り絞り、楽しげにジャンプするフロアの様を、葵は感慨深げにジッと見つめていた。

the GazettE REITA(B)/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE REITA(B)/PHOTO BY KEIKO TANABE

選び抜かれたオーディエンスたちと心通わせた果ての終盤戦は、言わずもがなの熱狂へ。“オイ! オイ!”と一斉に拳上がる「UGLY」では、激しく身体を振るフロアとバンドの動きが加速度を上げてシンクロしてゆく。そこから「今日のお前らは最高にヤバいぜ!」と雪崩込んだ「BLEMISH」で暗から明への鮮やかな変転を魅せると、ラストの「UNDYING」ではシャウトからクリーンとアグレッションを爆発させながらもブレのないRUKIのボーカルで圧倒。演奏を終えて一人、また一人と去るステージに残された戒が赤くスポットに照らされ、目いっぱい腕を振り上げて豪快な音を轟かせる様は阿修羅の如き。今ツアーではお馴染みの締めくくりではあるが、これまた何度観ても目が釘づけになってしまうのだから脱帽だ。そんな彼がマイクレスで「かかってこい!」と真っ先に檄を飛ばして幕を開けたアンコールでは、RUKIが驚くほどの素直さで最終日の心境を語る。

「すっげーわかりづらい、でも気持ちの籠ってるアルバムで。いろんなことがあって、あのアルバムが生まれて……それでも、たくさんの人がついてきてくれたことに感謝します。今日で『DOGMA』ツアー終わりますが、また、良いものを作って、長いツアーを回れたらなと。こうやって最後を迎えて、残る言葉は“ありがとう”くらいしかなかったので……もう一度、ありがとうございました」

the GazettE 戒(Dr)/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE 戒(Dr)/PHOTO BY KEIKO TANABE

そして「お前らのために歌うぜ!」と贈られた「TOMORROW NEVER DIES」でエネルギッシュな一体感を生み、the GazettE流の感動の内にライブが終了しても鳴り止まない声に応えた「関東土下座組合」では、もちろん広いフロアの其処此処に土下座でヘッドバンギングするオーディエンスの姿が。ステージ上を自由に駆け、煽るだけ煽り尽くしたメンバーから、さらに演奏終了後にはメッセージが贈られる。

「69本やったって、今、改めて実感してます。長かった! 今日は『漆黒』よりもアットホームな感じでライブができて、楽しめました」(麗)

「ありがとう! それしかない。また、みんなと会える日を楽しみにしてます……来月じゃんね!(10月28日にZepp TokyoでFC限定のハロウィンライブを予定)」(葵)

「このツアーで僕たちのことが少しわかってもらえたと思うし、君たちのことも少しだけわかった気がします。俺たちはいつでもココにいるんで、また安心してライブに来てください。ありがとうございました!」(REITA)

「終わってみたらアッという間……それだけ良かったのかなと思います。それも皆さんのおかげ。また、長いツアーやりましょう。そのときはまた、お願いします」(戒)

「1本1本大切にしてきました。今日来てないファンにも、ありがとうって言いたい。このツアーに参加してくれた皆さんに感謝してます。最高でした」(RUKI)

the GazettE/PHOTO BY KEIKO TANABE

the GazettE/PHOTO BY KEIKO TANABE

こうして一人ひとりの率直な声が聞けたのも、もちろんグランドフィナーレだからこそ。この後、フロアをバックに記念撮影するというサプライズまで。最後は全員で手を繋いでジャンプし、ロングツアーを大団円に終えた彼らの足は、しかし、既に“次”へと向かっていた。メンバーが去ってスクリーンに全69本のツアースケジュールが映し出されると、突如“NEXT 15TH ANNIVERSARY YEAR”の文字が。続いて2017年の3月10日、すなわち結成15周年の記念日に、代々木競技場第一体育館にて『十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」』を行なうことが告知されると、場内からは歓喜の悲鳴があがる。“大日本異端芸者”とは彼らの初期コンセプトであり、今やバンドの歴史に眠る幻の存在。10年以上も封印されたままのソレを、今のthe GazettEが掲げたとき、果たしていかなる化学反応が生まれるのか? 大いなる挑戦を皮切りに始まるアニバーサリーイヤー、15年目のthe GazettEは、ますますシーンを賑わせてくれそうである。

取材・文=清水素子 撮影=KEIKO TANABE

 
セットリスト
the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 GRAND FINALE「DOGMA-ANOTHER FATE-」
2016.9.27(TUE)幕張メッセ国際展示場ホール10

SE NIHIL
01. DOGMA
02. RAGE
03. DAWN
04 . GABRIEL ON THE GALLOWS
05. VENOMOUS SPIDER’S WEB
06. CLEVER MONKEY
07. BIZARRE
08. DEUX
09. OMINOUS
10. THE SUICIDE CIRCUS
11. INCUBUS
12. LUCY
13. ATTITUDE
14. HEADACHEMAN
15. UGLY
16. BLEMISH
17. UNDYING
<ENCORE>
18. INSIDE BEAST
19. 赤いワンピース
20. Filth in the beauty
21. COCKROACH
22. TOMORROW NEVER DIES
<W ENCORE>
23. 関東土下座組合

 

ライブ情報
十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」
日程:2017年3月10日(金)
会場:国立代々木競技場第一体育館
開場 / 開演:17:30 / 18:30
チケット料金:全席指定 ¥8,000-(税込) ※3歳以上有料
チケット一般発売日:2017年2月11日(土)10:00
TOTAL INFORMATION:ディスクガレージ:050-5533-0888(平日12:00~19:00)
特設サイト  http://the-gazette.com/15/0310/ 

 
 
リリース情報
DVD/Blu-ray『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL -漆黒- LIVE AT 02.28 国立代々木競技場第一体育館』
2016年11月9日(水)発売
【初回限定盤 DVD2枚組】
SRBL-1721~22 ¥9,258+税
特製LPサイズ仕様
透明スリーブケース
48ページ撮りおろしLPサイズパンフレット
【通常盤DVD 2枚組】
SRBL-1723~24 ¥5,800+税
【通常盤BD 1枚組】
SRXL-108 ¥6,800+税
 

 

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