『daikanyama photo fair』　お気に入りのアートを探しに行く午後

日本では、芸術作品を買うというのはあまり一般的ではないかもしれません。そんな状況も反映してか、FAPAの目的の一つには「芸術写真のマーケットの確立」が掲げられており、会場にはギャラリストと商談をされる姿もちらほら。

会場に並んでいる作品には高額なものもありますが、もちろん一般の私達にも手が届きそうなものも多数展示されています。アートコレクターのような人でなくても、自分のお部屋に置く観葉植物を選ぶ感覚で、アートを選べたら素敵だなぁ……と考えさせられる光景が「daikanyama photo fair」にはありました。

サブ会場のヒルサイドプラザでは写真集展『The Photobook』が同時開催。本展では、「メディア」「デザイン」「印刷技術」「出版社」をテーマに、戦後日本の写真集の変遷を辿ることができます。

会場ではこのほかにも、写真家やゲストキュレーターである写真評論家の金子隆一氏によるトークセッションや、子供向けのワークショッププログラムも実施。こちらは早々にが完売してしまったそう。

目の前の作品を眺めながら「この写真家が覗いたレンズには、何が写っていたんだろう？」と想像しながら会場をプラプラする。ただそれだけで、なぜだか心が動かされてしまった、そんな週末のひとときでした。まあ難しいことは考えず、会場ではただ感じればそれでよいのですけれども。

最後にひとつこぼれ話を。このフォトフェアの運営をサポートするメンバーは、写真を学ぶボランティアの方だそうです。つまり、ボランティアに応募すれば、人のお役に立ちながら、アートに触れられるというわけですね！　ふふふ。