栗原類、発達障害を綴る自著「希望を感じてもらえたら嬉しい」

2016.10.10
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“ネガティブすぎるイケメンモデル”として注目され、現在はモデル・タレント・俳優として活躍する栗原類さんが10月10日、著書「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」の発売記念トークショーを開催。

同著は、2015年5月に情報番組で自らが発達障害であることを告白した栗原類さんが、生い立ちから障害に向き合ってきた現在までの過程を記した1冊。栗原類さんの母親や主治医、芸能界で親交のあるピースの又吉直樹さんのインタビューも同時に収録し、その人柄とともにここまでの道のりを紐解いた内容となっている。

「出版の話をいただいたとき、すごく嬉しくて、僕をきっかけに発達障害に興味、関心をすこしでももってもらえたらと思いました」と話す栗原類さんは次のように言葉を続けた。

「どんな人たちが読んでも得をする本を作りたいと考えていました。ターゲットというと、障害の当事者の方であったり、発達障害のお子さんを持つ親御さんになるかもしれませんが、僕の犯したミスとか、経験したことが何かひとつの参考になったり、アイデアになって、実際に何か物事に取り組むときに『こういうこともあるんだ』と思ってもらえたら嬉しいです」

8歳のとき、当時在住していたニューヨークで発達障害と認定された栗原類さんは「小学校の時のサンドラという先生が『診断を受けてみませんか』と僕の母親に報告してくれて、あのときサンドラが母親に言っていなかったら、全く違う人生だったかもしれないです」と当時を振り返りながら、「ただ、診断が早くても遅くても、あらためて言われるか言われないかが大きいと思うので、理由がわかって自分を少し好きになれたんじゃないかなと思いますね」と続けた。

「診断後、母は僕にそれをすぐに伝えたわけではなくて、アメリカで『ファインディング・ニモ』が公開されていたとき、その映画を見て、何でもすぐに忘れてしまうドリーという魚がいるんですが、『おもしろいね。ドリーは何でも忘れちゃうんだね』と言ったら、母から『類もそうなんだよ』と言われました。映画を見て誰かに感想をいったのも初めてだったので、いろいろな意味で自分にとって大切な映画だと思います」

トークショーでは、参加者からの質問にも真摯に答えた栗原類さん。組織で生きていくことについて「会社や組織に入って集団行動する上で、得意なこと、不得意なことがあると思いますが、不得意なこと、苦手なことは相手にちゃんと伝えないと周りが理解できないと思います。自分が得意なこと、不得意なことをしっかり伝えて、理解をしてもらうことが大切ですし、それぞれの人にとって輝ける場所があるかないかは大きいことだと思うので、『自分から伝える』ということがまずは大切なことだと思います」と話し、「自分の言葉を聞きたいと言ってくださった方がたくさんいて、待たせてしまって申し訳ない気持ちがあります。どんな人が読んでも明るい気持ちになれて、明日に向かえる気持ちになれることが詰まっている本になったと思いますし、伝えるということの重要さを自分もあらためて感じました。僕自身、自分を好きになれたし、変われたと思います。少しでも多くの方に読んでいただいて、希望を感じてもらえたら嬉しいです」と自著への思いを語った。

また、同著の帯を担当したピース又吉さんとの関係については「昔からファンで、テレビ番組で共演したことがきっかけで知り合いました。ただ、人見知りでどう声をかけていいかが分からずにいて、『肩をお揉みましょうか?』って声をかけたら「大丈夫です」と言われて(笑)。それから仲良くさせていただいています」とコメント。

書き上げるまでに1年弱かかったという同著について「小学校時代の記憶があまりなくて、母や主治医、親しい友人に話を聞きながらだったので時間がかかりました」と話し、「当事者の方も、そうでない方でも、読んでくれた人にとってこの本が、あきらめかけていた夢を再び目指すきっかけになれば嬉しいです」とこの本に込めた思いを表現した。【ウォーカープラス編集部/浅野祐介】