サボって行きたい美術館~DIC川村記念美術館編~ 日本で唯一の『ロスコ・ルーム』で時間を忘れる
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DIC川村記念美術館
働くすべての皆様、お仕事お疲れ様です。忙しい日々を過ごす中で、心を亡くしてはいませんか? そんな時は、思い切って会社をサボって美術館へ。たった一日で、心がリフレッシュされることでしょう。というわけで、今回は、関東屈指の"サボって行きたい美術館"と、美術館での"正しいサボり方"をお届けいたします。
さて、今日も仕事。今、アナタは東京駅にいます。
ふと時計に目をやると、時刻は9時45分。これは、絶好のタイミング。仕事をサボって、あの美術館に行くしかありません!
会社に休みの連絡を入れたなら、東京駅八重洲北口にある京成バス3番のりばへ。ここから1日に1本だけ、千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に直通するバスが出ているのです。
DIC川村記念美術館直通バス
9時55分にバスが出発。そして、その約1時間後には、DIC川村記念美術館に到着です。意外とあっという間に着くものの、そこに広がっているのは都会の喧騒とは無縁の世界。
そして、さらにこの木々を抜けると、目の前に現れるのは……
広大な湖のある景色。この景色を見るためだけでも、会社をサボる価値はあるといえるでしょう。さて、この景色に絶妙にマッチして佇んでいるのが、DIC川村記念美術館。
DIC川村記念美術館 外観
この美術館は、印刷インキの世界トップメーカーであるDIC株式会社が、その関連会社とともに収集した美術品を公開するために、約9万坪の広大な総合研究所敷地内に設立したものです。創業者である故・川村喜十郎氏以来、3代にわたって集められたコレクションの数は実に1000点以上! 先ほど乗ってきたバスの外観ビジュアルにも使われていた、オランダの巨匠レンブラントによる貴重な肖像画(ちょっとクワマン似です)を筆頭に、長谷川等伯や横山大観らの日本画、モネやピカソらの西洋絵画、さらには20世紀美術と、実に多彩なジャンルの美術作品を楽しむことができます。(※展示替えあり)
レンブラント・ファン・レイン《広つば帽をかぶった男》
その中で特に立ち寄って頂きたいのが、こちらの部屋。
ロスコ・ルーム 撮影:渡邉修
20世紀のアメリカを代表する画家マーク・ロスコの作品群だけが飾られた特別な部屋。通称、『ロスコ・ルーム』です。DIC川村記念美術館が所蔵するロスコ作品は、全7点。それに合わせて、こちらの展示室は変形7角形に設計されています。
さて、『ロスコ・ルーム』に入ったなら、中央のソファに腰掛けてみましょう。すると、全方向からロスコの絵画に包まれるような不思議な感覚が味わえます。ロスコの赤で満たされた空間に対する感じ方は、人それぞれ。まるで胎内にいるかのように安らぎを感じる人もいれば、アドレナリンが分泌され興奮を覚えるという人も。どちらにせよ、日常生活では味わえない体験ができること請け合いです。
ちなみに、このようにロスコの作品だけ満たされた空間は、アメリカのワシントンDCとヒューストン、そしてイギリスのロンドンにあるだけ。つまり世界に4か所しかないのです。
『ロスコ・ルーム』をたっぷりと堪能したあとは、そのちょうど真上にある『トゥオンブリー・ルーム』へ。
トゥオンブリー・ルーム 撮影:渡邉修
こちらは、今年9月にオープンしたばかりの出来たてホヤホヤの展示空間です。美術ファンの間で人気急上昇中の画家、サイ・トゥオンブリーの作品2点が常設されています。自然光が差し込む開放的な空間とどこか詩を想起させるサイ・トゥオンブリーの作品とが絶妙にマッチ。実に居心地の良い空間です。
常設展示に、特別展と、ボリューム満点のDIC川村記念美術館です。もし、美術鑑賞に軽く疲れてしまったのならば、館内の茶室で一休みされることをオススメします。
茶室 撮影:渡邉修
こちらでは、抜群の眺めとともにお茶と和菓子を味わうことが出来ます。
アンナの薔薇 撮影:渡邉修
展覧会によっては、展覧会限定の特製和菓子が提供されていることも。(現在は、来年1月15日まで開催中の『レオナール・フジタとモデルたち』展にちなんで、『アンナの薔薇』という和菓子が提供されています)
DIC川村記念美術館「レオナール・フジタとモデルたち」 展覧会ポスターデザイン:川添英昭
さぁ、美術作品をたっぷりと堪能したなら、敷地内にあるヘンリー・ムーアの彫刻が目印となる広場へも足を運びましょう。
彫刻広場
ここで、ただボーっとするのが最高の贅沢。晴れた日はレジャーシート持参で、日向ぼっこを楽しむ家族連れの姿もちらほら。でも、急に会社をサボっているので、レジャーシートは手元にありません……。
でもご安心を。そんな時は、広場のそばにあるウッディーなテラスをご利用くださいませ。
テラス内にある自動販売機でコーヒーを買って、この席で飲みながら、ボーっと過ごしましょう。読書用の小説を持参していると、よりベターですね。
東京駅へと戻るDIC川村記念美術館からのバスは15時29分発。それに乗るのも良し。閉館ギリギリまでDIC川村記念美術館に滞在して、無料送迎バスで佐倉駅まで送ってもらうも良し。素敵なサボり美術館ライフをお過ごしください。そして、明日からまた新たな気持ちでお仕事頑張ってくださいませ。(※毎週月曜日は休館日ですのでご注意を)
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日に休館
年末年始、展示替期間の臨時休館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
公式サイト:http://kawamura-museum.dic.co.jp/