松田凌&谷口賢志インタビュー 本当の“幸せ”を考える舞台『幸福な職場~ここにはしあわせがつまっている~』
-
ポスト -
シェア - 送る
(左から)松田凌、谷口賢志
放送作家としても活躍するきたむらけんじの代表作として2009年の初演以来、上演を重ねている舞台『幸福な職場』が、新たなエピソードと共に2017年1月26日より、世田谷パブリックシアターに登場する。日本で初めて、知的障害者の雇用を取り入れたチョークメーカー・日本理化学工業での実話を基にした本作は、「人間の幸せ」を深く考えさせられる物語だ。キャストには、イケメン俳優として数々の舞台やTVに出演している安西慎太郎、松田 凌をはじめ、前島亜美(SUPER☆GiRLS)、谷口賢志、馬渕 英里何、中嶋しゅうと豪華なメンバーが名を連ね、公演に向けて着々と準備が進んでいる。10月某日、物語の舞台となった日本理化学工業にておこなわれたビジュアル撮影の現場にて、知的障害者の雇用に反対するチョーク工場の従業員・原田亮輔を演じる松田 凌と、松田とは対照的に障害者の雇用を勧める従業員・久我省一を演じる谷口賢志の2人に舞台への想いを伺うことができた。
――舞台への出演が決まった時の気持ちをお聞かせください。
松田:僕は、世田谷パブリックシアターに立ちたいという気持ちがあったので、素直にとても嬉しかったです。前回の上演台本を拝見したのですが、すごくテーマ性のある作品を演じさせていただけることも光栄に思っています。
松田凌
谷口:今年39歳になるんですが、そろそろ年齢にあった役を演じさせてもらいたいな、と40歳の節目の年に向けて考えていたところで、今回の舞台のような出演者が少なく、現実と寄り添うような作品にたずさわることができて幸せです。松田君の言っていた通り、様々な名作がうまれた世田谷パブリックシアターに立てる喜びも感じつつ、責任も感じています。
谷口賢志
――おふたりとも活動の幅が非常に広く各方面でご活躍されていますが、お互いがはじめて会った時の印象はいかがでしたか?
松田:もちろん前から存じ上げてはいたんですが、以前僕が出演していた作品を谷口さんが観劇してくださっていて、ご挨拶させていただいた時が初めての出会いですね。「渋いな……」と(笑)。
谷口:うそ(笑)。
松田:当時、ご一緒していた演者さんと演出家さんから谷口さんのお話をよく聞いていたんです。でも、自分が思っていた以上に渋くて、大人の香りが漂っているというか……。今作でその色気を盗んでいきたいと思っています(笑)。
谷口:今ちょうど話に出た演出家と、たまに会って近況報告をする仲なんですけど「良い俳優に会ったよ。多分、一緒にやりたいって思うだろうから今度の舞台観に来てよ」って、ある日言われたんです。興味を持って観にいったら本当に素晴らしくて。ただ、顔が見えねえなって(笑)。その時の彼、前髪が長くてせっかくの格好いい顔が全く見えなくて!(笑)
松田:あははははは!!
谷口:でも、すごく良い芝居で「素敵だな」って思いました。狂気を含んだ色気のある役を演じていたんです。そこで挨拶させてもらったんですが、くしゃっとした笑顔で「ありがとうございます! よろしくおねがいします!!」って言われて、役と全然違うじゃねえか! めっちゃ爽やかじゃん!って(笑)。まさかその時に「渋いな」と、思ってくれてるとは思いませんでした。
松田:渋かったです!
谷口:僕は、安西慎太郎と一緒に演じていたこともありますし、こんな松田君とも一緒にできるというのもあって今回の舞台、すごく楽しみです。
松田:僕も楽しみです。
――本作は、「幸せ」を深く考えさせられる作品です。おふたりにとっての「幸せ」はなんですか?
谷口:ベタに言えば芝居をやっていることが幸せですね。役者って、選ばれる、求められることが常にサイクルで、毎回選ばれないと仕事にならないんです。自分の芝居が求められることの幸せ。だから、選ばれる努力をします。……これだと恰好良すぎるかな!(笑) うーん、猫をさわってる時が幸せです!
松田:そんな緩急ついた答えってありですか(笑)。でも、やっぱり谷口さんの言うとおり“求められる”幸せ!(キメ)
谷口:(笑)。
松田:それが第一です。大枠で言うと“生きていること”が幸せだと思うんですよね。誰かが生きたかった明日だろうし、そういった人たちがいたからこそ大切だと思える時間だと思うし。
谷口:……お酒飲んでるときは?
松田:すごく個人的な欲に走るのならば、美味しいお酒とご飯があれば!(笑)
谷口:そうだよね!
松田:でも僕、最近すごく好きなことがあって……。『月曜から夜ふかし』(日テレ・毎週月曜夜23時59分~放送)を見ながら、「激シゲキックス」っていうお菓子を食べる。この瞬間が一番幸せですね。
谷口:月曜日で終わるんだ、幸せが!(笑)
松田:月曜の夜更かししてる時間が僕のピークです!
――お話の舞台にチョーク工場があるわけですが、チョークにまつわるエピソードはありますか?
谷口:……チョークをさ、投げる先生っていた?
松田:いや、いなかったですね。
谷口:小学生の時に僕が授業中にすごくふざけていて、たぶん先生キレたんだろうね……。「うるせー!!」って、こっちに向かってチョークを投げたんだよ。そうしたら僕の前の席の女の子にコーン!って当たっちゃって、女の子も「なんで私が!」って怒ってて(笑)。
谷口賢志
松田:やばい!(笑)
谷口:僕の中でそれが超面白くて、その事件以来「投げないかな、投げないかな」ってワクワクしちゃったよね。投げたのを見たのはその時1回だけだったんだけど(笑)。……そんな風にチョークを使っちゃだめですよ!
松田:とんでもなく面白いエピソードじゃないですか!
谷口:でも今日、作品の舞台となったこの場所(日本理化学工業)で撮影をさせていただいて、チョークを作っているところを拝見したんですが、今のチョークってすごいんですよ。色も“蛍光”とかいろいろあって。
松田:そうそう! 僕のときは白か赤、青が多かったんですが、マーブルとかもあるんです!
谷口:ねっ! マーブルは途中で色が変わるんですよ。今の子たちは勉強するのも楽しいだろうな。
松田凌
――最後になりますが、舞台の見どころや意気込みをお願い致します。
松田:先ほどの“幸せ”ってなんだろうか、という質問の答えがつまっています。日常を切り取った、誰しもが寄り添いやすい作品ですので、観に来ていただけたら僕たちから何かしらお届けできると思いますので、世田谷パブリックシアターにぜひ足を運んでください。
谷口:僕自身、現実と深くつながっている実話を基にした作品がとても好きなんです。現実にあることだけど、自分が知らないもの・知らない世界にふれることで、新しい発見があって日常に広がりができるから。今回の作品は、テーマが観る側にとって押しつけがましくなっても説教臭くなってもいけないし、人生を歩むうえで何かにつながるような舞台になってほしいと思っています。観に来ていただく方に、僕がいつも感じるような「日常の広がり」を受け取ってほしいです。すごくあったかくなる作品だと思うんです。なので、寒い方もぜひ来てください(笑)。
(左から)松田凌、谷口賢志
■日時:2017年1月26日(木)~29日(日)
■会場:世田谷パブリックシアター
■作・演出:きたむらけんじ
■出演者:安西慎太郎、松田 凌、前島亜美(SUPER☆GiRLS)、谷口賢志、馬渕 英里何、中嶋しゅう
■
一般発売:2016年10月29日(土)10:00~
全席指定:7,800円(税込)
※3歳以上有料/3歳以下入場不可
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
公式サイト:http://www.koufukunashokuba.com/