日本のトップスネアドラマー石川直&中部敬之が超絶テクニックを披露『踏音 ARCHIPELAGO(トーン アーキペラゴ)』
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日本が世界に誇るアーティストであり、“神の手”の異名を持つスネアドラマー・石川直が率いる「踏音 ARCHIPELAGO(トーン アーキペラゴ)」 が、ついに本格始動する。
石川が、アメリカ発の世界的マーチングカンパニー「blast!(ブラスト)」で活躍するダンサーの和田拓也や、トランペットの米所裕夢をはじめとしたアーティストを集め結成したのが「トーン アーキペラゴ」だ。そんな彼らの初となるツアー『INFINITE~無限~』が、12月30日(金)、31日(土)の2日間、兵庫県立芸術文化センターにて開催される。
11月1日(火)に関西テレビ放送1階のアトリウムで開催された公演のPRイベントには、石川直、そして同じくスネアドラマーの中部敬之が出演し、生トークはもちろん、会場を沸かせるライブパフォーマンスを披露した。また、イベント後のプレスミーティングでも、「トーン アーキペラゴ」の魅力や兵庫公演の見どころなどを熱く語った。
司会の川島壮雄アナウンサーに紹介され、イベント会場に登場した石川と中部。この「トーン アーキペラゴ」結成のきっかけについて、石川は「blast!の日本人メンバー、和田拓也と米所裕夢で何かスタートしてみようという話が持ち上がり、それを日本人だけでやってみたいと思った」と話し、そんな石川からメンバーとして誘われた時のことを、中部は「すごく光栄で嬉しかったです」と振り返った。
高校2年の時、石川のスネアドラムを「blast!」で初めて生で見て、衝撃を受けたという中部。「この人のようになりたい!と思って今までやってきました。今日も本当に嬉しいです」と、憧れの石川と同じユニットで活動できることに満面の笑みを浮かべた。一方、10年ほど前から中部を知る石川も、「スネアドラムの演奏もさることながら、クリエイティブな面が素晴らしい。作曲をしたり、指導にあたったりと、次世代を引っ張って行ってくれている」と、中部に絶大な信頼を寄せている。
そんな2人とともに、スネアドラムソロ世界大会2年連続優勝を誇る春田界渡(はるたかいと)をまじえて、3人で魅せる衝撃のトリプルドラムは、「トーン アーキペラゴ」の大きな見どころの一つだ。
石川は「マーチングスネアドラムの本場はアメリカですが、そのアメリカのトップグループで経験した“日本でこれほどの逸材はいない”といったメンバーが揃っています」と自信たっぷりな様子で話す。ほかにも、ダンサーやトランペットなどの金管楽器パートとアイデアを出し合っているようで、「参加メンバーのほぼ全員がクリエイターであり、指導者であり、パフォーマーでもあって、その才能が融合しています。今までにないものを作り上げます!」と言うものだから、ツアーへの期待は高まるばかりだ。
そして2人は会場でパフォーマンスを生披露! スネアドラムの超絶テクニックを、それぞれのソロ、コラボ演奏で魅せる。中部は、ドラムを叩くと見せかけて叩かない“フェイク”というテクニックを分かりやすく解説してくれた。
一方、石川はドラムに敷いた鉄板から繊細な音を叩き出し、観客の興味をひく。そんな石川を見て、中部が「隣で演奏していて、改めて直さんのすごさを実感しました」と感激する場面も。石川も「いろいろマネをしようと思います」と中部のテクニックを絶賛した。
最後のメッセージでは、中部が「さまざまなパフォーマーが集まったトーン アーキペラゴに出演するということで、身が引き締まる思いです。年末の忙しい時期ですが、一緒に年の瀬を過ごしましょう!」と呼びかけ、石川は「ドラマー、ボイスパーカッション、金管楽器のアーティスト、ダンサーとみんなで力を合わせてステージを作ります。是非みなさん、会場で楽しい時間を共有してください!」と語り、イベントは幕を閉じた。
イベント後には、取材陣に向けてのプレスミーティングが実施され、「トーン アーキペラゴ」の結成の秘密が明らかになった。
――「トーン アーキペラゴ」の意味は?
石川:アーキペラゴには「列島」という意味があって、「トーン」は音のTONEで、漢字で「踏音」とあてています。「日本列島を踏み鳴らして行脚する」といった思いを込めて付けました。ちなみに、「blast!」のメンバー、和田、米所と名前を考えていて、最後まで候補に「ブラストじゃねーよ」っていうのもありました(笑)。
――「blast!」との違いは?
石川:「blast!」のようにマーチングの要素をふんだんに取り入れた構成ではなく、もっと演奏にフォーカスをあて、さらにビジュアル的なものを合わせて、よりライブに近いパフォーマンスになっています。フォーメーションを組んで動くマスゲーム的なものはなく、メンバーそれぞれの演奏能力を見せる構成になっています。
――メンバーはどのようにして集めていったのですか?
石川:半数以上は僕が仕事で知り合った仲間で、そこで何か新しいものを作りたい、何か面白いことをしたいという、同じマインドを持っている人に声をかけていきました。
――日本人のメンバーで作るという、そのこだわりは?
石川:「blast!」もそうですが、外国人だからこそ日本の多くの皆さんが魅力に感じている部分もあると思うんです。でも、日本人だけでも面白いものができるということを、一つの形にしたいと思ったのがこだわりですね。さまざまなフィールドで経験を重ねた人たちが融合することで、アメリカ人が作るものとはまったく違うものができると思っています。2020年に向けて、日本が世界から注目されるという状況も踏まえて、何か日本発信で力強いものを出したいと考えていました。
――メンバーとパフォーマンスをしてみて、感触はいかがですか?
石川:やっぱり合いますね。本来なら、練習を重ねていくうちに音が揃っていくんですが、リハーサルの一回目からきっちり音が合うんです。みんなでアイデアを出し合って、一番いいものを作ろうという思いでこのツアーの演出も組み立てて行きます。
――ツアーは四国からスタートしますね。
石川:もともとメンバー3人が話をしていて、「トーン アーキペラゴ」の産声をあげたのが四国だったんです。そういうご縁で、四国そして西日本からツアーをスタートしようという運びになりました。
――中部さんは京都在住ということですが、京都を離れない理由は?
中部:直さんと仕事をご一緒させてもらうようになってから特に、自分が関西にいることがいかに大事かということを実感しています。直さんが関東で活動を広げられている中、私も関西でドラムチームを立ち上げて、マーチング業界だけでなく、多くの方に知ってもらえるように活動しています。
――石川さんから見て、関西の魅力は?
石川:関西が大好きで、実は大阪に住みたいと思っているほど。昔、1年ほど住んでいたこともあるんです。街全体が迎え入れてくれている感じがして、いつも心がほぐされます。関西の人とはすぐに打ち解けられるので、ステージでも構えることなくパフォーマンスができるのが関西の魅力。観客の方のストレートな表現やリアクションもすばらしく、楽しんでいるのもすごく伝わってきます。
――中部さんから見て、石川さんのすごさはどんなところですか?
中部:直さんとは出会ってから10年ぐらい経ちますが、あげたらキリがありません。その中でも、一緒にパフォーマンスをしていてすごいと思うのは、オンオフの切り替えです。これはとても難しいことで、例えば俳優さんが演技に入るというのと似ているかもしれません。オフのときは、直さんとカラオケに行ったりして近い存在でいさせてもらっていますが、ステージでは“石川直”として遠くなるというか、私にとってはいつまでも尊敬すべき存在です。
――では最後に、ツアーに向けて関西の方へメッセージをお願いします!
石川:敷居はまったく高くないので、おいしい料理屋さんと思って来ていただけたら(笑)。予備知識がなくても、何を出されてもおいしいという。観客の方もただ見ているだけの演奏会ではなく、みんなで空間を共有したいと思っています。もちろん、超絶技巧的なパフォーマンスもありますので、スポーツ観戦をするような、また遊園地に遊びに行くような気持ちで会場に気軽にお越しください!
■日程:12月30日(金)18:30開演、31日(土)14:00開演 <全2回公演>