「僕らは僕ららしいやり方で感謝を返したい」美しく響き舞ったGOOD ON THE REELの調べ
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GOOD ON THE REEL
八王子天狗祭 【天狗ステージ】 GOOD ON THE REEL
オープニングから勢いよくかっ飛ばしてきた天狗ステージが、ここでちょっと雰囲気を変える。GOOD ON THE REELの登場だ。「俺らと最高の時間を作りましょう! よろしく!」というVo.千野の挨拶とともに、最新シングル「雨天決行」のイントロが鳴らされる。4つ打ちを基調とした勢いのある楽曲だが、気高さを感じさせる千野の切なげなハイトーンボイスがエモーショナルな空間を作り上げる。続く、「REM」も間奏のツインリードが泣かせる好楽曲で、フェスらしく踊り狂って盛り上がるというよりは、じっと耳を傾けていたくなるようなパフォーマンスが光る。会場の音響の具合と相まって、幻想的ですらある。
GOOD ON THE REEL
MCでは「広いね。声がよく響くよ」と千野が会場に対する感想を口にし、「グッドモーニングアメリカと出会った八王子で、またこうして一緒に企画を創れるのはとてもうれしいです。開催おめでとうございます!」と主催者に感謝を表した。そして、「僕らは僕ららしいやり方で感謝を返したいと思います」と「カルキニクハ」をプレイ。これからの季節にぴったりな冬らしい楽曲で、岡崎による単音弾きのギタープレイがグッと胸に響く。
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さて、ちょうど2時間半ほど前、アルカラのVo.稲村に散々イジられていた千野だが、Ba.宇佐美が「センターにいらっしゃいますのが本物の千野くんでございます。あれは偽物ですから(笑)」とMCで返答。アルカラのライブを観ていた観客からは笑いが起こった。そして続けて、「初めて会ったのは2010年2月で、その頃まだたなしんさんは服をお召しになられてて……」とグドモとのエピソードトークを披露。“たなしん”というワードに反応した本人が、ずずいとフロアの中央に進み出てMCに耳を傾けている姿が可笑しく、その様子に気付いた観客から笑いが漏れていた。そして、ライブは「シャボン玉」「シャワー」と続く後半戦へ。
GOOD ON THE REEL
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前半よりもグッと気持ちが入った様子の千野は、これまで以上に舞い、力強く歌い上げる。このバンドは彼のボーカルだけでなく、コーラスワークもとてもいい。彼らのハーモニーが楽曲の魅力をより高めていると言ってもいい。楽器隊の演奏も緻密だが、そこに緊張感はない。それよりも、今ここで音が鳴らせることを純粋に感謝し、楽しんでいるかのような、おおらかなステージングが心に残った。終演後も彼らの熱演を称える拍手がいつまでも鳴り止まなかった。
取材・文=阿刀“DA”大志 撮影=佐藤広理(@hilf_ntlo)、安藤未優
1. 雨天決行
2. REM
3. カルキニクハ
4. シャボン玉
5. シャワー