エレーナ・フィリピエワ(キエフ・バレエ プリンシパル)「創造する力を与えてくれるバレエは私の人生そのものです」
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エレーナ・フィリピエワ(キエフ・バレエ プリンシパル)
一世紀半の歴史を誇るキエフ・バレエがウクライナから来日、2017年の幕開けを飾る。全演目で主演が予定されている生え抜きのバレリーナ、エレーナ・フィリピエワに、キエフへの思い、日本公演への思いを語ってもらった。
「私にとって、キエフ・バレエはかけがえのない“自分の劇場”です。海外で公演をする機会も多いですが、デビューした27年前から今日まで、ここで踊る喜びを感じ続けています」
本拠地の国立歌劇場で行われるバレエ公演は毎月十数回。オペラよりも回数が多く、その人気のほどがうかがわれる。芸術監督アニコ・レフヴィアシビリの振付による、現代作品の上演に力を入れていることも目を引く。
「ウクライナには熱心なバレエファンが多く、どの公演も盛況です。バレエ団のレパートリーは、古典作品から現代作品まで幅広く、毎年2つの新作も上演します。新演出のバレエで自分の力量を磨くのは、素晴らしい経験です。ただし、お客様に喜んでいただくには、鍛錬を重ねなくてはなりません。バレエはとても厳しい芸術なのです」
今夏のガラ公演『マトヴィエンコ&ルジマトフ バレエの巨匠たち』では「カルメン」に扮してセクシーな姿を見せたが、新春の日本公演では古典作品『白鳥の湖』『眠りの森の美女』『バヤデルカ』に主演する。
「長年、踊ってきたバレエだからといって、決まりきった型に自分を押し込むことはしません。毎回、新たなニュアンスを付け加えるように心がけています。私生活での喜びを反映させることがあれば、悲しい出来事の影響を受けることも。人生には起伏がつきもので、その感情の痕跡を身にまとって舞台に立つのです。換言すれば、バレエは私の人生そのもの。生きる力、愛する力、創造する力を与えてくれるのです」
『バヤデルカ』では、ミハイロフスキー劇場バレエを代表するバレリーナ、イリーナ・ペレンとの競演が実現する。
「イリーナとは昔からの知り合いで、ガラコンサートでも度々、顔を合わせています。日本で彼女と同じ作品を踊れるなんて、とても嬉しいですね。お互いの経験を融合させ、予想もしなかった演技が生み出されることを、私自身、期待しています」
今回の公演では、2013年のモスクワ国際バレエコンクールで銀賞に輝いたオレシア・シャイターノワなど、期待の若手も主役に起用されている。
「私は他のダンサーについて論じることはしません。なぜなら、優れたテクニックなり優美さなり演技力なり、そのダンサーだけに備わった個性があるから。観客の方がご自分の目でダンサーの魅力を発見し、彼らのファンになってくださることを願っています」
取材・文:上野房子
(ぶらあぼ 2016年12月号から)
『新春特別バレエ』 2017.1/3(火) 東京国際フォーラム ホールA
『白鳥の湖』 1/4(水)東京文化会館、1/8(日)、1/9(月・祝)東京国際フォーラム ホールA、1/14(土)神奈川県民ホール
『眠りの森の美女』 1/5(木)東京文化会館、1/13(金)東京国際フォーラム ホールA
『バヤデルカ』 1/6(金)、1/7(土)東京文化会館
※エレーナ・フィリピエワは1/3、1/4、1/6、1/9、1/13に出演予定。公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問合せ:光藍社
http://www.koransha.com/