大石昌良、弾き語りツアーを前に自身の活動を振り返る「弾き語りの新しい可能性を一緒に作りたい」
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大石昌良 撮影=高橋公子
今やアニソン界のみならず、4つのアカウントで活動するクリエイターとして各方面から注目を集めている男。それが、大石昌良である。
2016年は、シンガーソングライター“大石昌良”として、全曲作詞・作曲・プロデュースによる3年ぶりのオリジナル・アルバム『君に聞かせる物語』をリリース。ソロでのライブも精力的に行なってきた。それと同時に、若手クリエイター・Tom-H@ckと一緒に結成した音楽プロジェクト“OxT(オクト)”として、また大石がソロでアニソンを歌うときのみに使用するアカウント“オーイシマサヨシ”としても次々と有名なアニソンフェスのビッグステージに立ち続け、秋はそこに現在年イチでの期間限定活動が恒例となってきている大石昌良がボーカル&ギターで所属する3ピースバンド・Sound Scheduleの活動も加わり、サウスケで全国ツアーも行なった。このように、現在はソロの大石昌良、OxT、オーイシマサヨシ、Sound Scheduleという4つのアカウントを使って幅広い音楽活動を行なっている。
大石昌良 撮影=高橋公子
「そのアカウントごとに目的地はいろいろあるんですけれども。でもこれらの音楽活動の中で、そのピラミッドの頂点にいるのは“大石昌良”としてのソロ活動なんです。音楽活動をしていて、一番自己実現しているなと思うのは、大石昌良でいいライブをしたときですからね」(大石昌良)
そう断言する大石昌良が、現在ソロのライブの中で最も力を注いでいるのが“弾き語りラボ”と言われるシリーズ。
「4年ぐらい前に始めたもので、“ラボ”というのは研究室という意味です。大石昌良名義で、僕は今、シンガーソングライター、弾き語リストとして、弾き語りで日本一を目指しています。でも、ステージでシンガーがただ弾き語りで歌っているだけのパフォーマンスはもう現代的ではないなと思っていて。弾き語りで1人のシンガーソングライターがお客さんとどこまでエンタテインメントできるのか。その可能性を研究しましょうということで、こういうものを始めました」
大石昌良 撮影=高橋公子
ここでは、これまで見たことがないような大石独自の弾き語りライブが楽しめる。弾き語りライブといえば、誰もがアコギのストロークやアルペジオで歌を伝える穏やかなプレイスタイルを想像しがち。だが、大石の場合はそこに強靭なスラップ奏法などを織り交ぜ、アコギでできるテクニックを総動員して1本のギターからベース、ドラム、ギターが聴こえてくるようなパーカッシブでノリのいい、とびきり軽快で華やかなサウンドを作り上げてみせるのだ。そこでは、しっとりと聴かせるバラードはもちろん、かけ声やコーラスなどお客さんがガンガンにシンガロングで参加して場内を熱く盛り上げていくようなアクトもある。
また、舞台上に目を向ければ、ベンチ、ガス灯などのセットをあちこちに配置して、そこに客席のお客さんを招き入れ、そのシチュエーションに合った歌を届けるといった舞台ミュージカルを見ているような演出も飛び出すなど、これまで誰もが描いていた弾き語りライブのイメージを覆すようなパフォーマンスが次々と披露されていくのだ。
そんな、ここでしか見られない極上の弾き語りライブ『大石昌良の弾き語りラボツアー 2016』が、今年も12月8日(木)北海道・札幌Space Art Studioを皮切りに全国5都市で開催される。
「ただの弾き語りだとは思わないでください。そこには極上のエンタテインメントが詰め込まれているはずです。ステージのみならず舞台のセットから客席の作りまで、セルフ・プロデュースしてます。それぐらい、お客さんに楽しんでもらいたいと思っている実験室なので、ぜひともみなさんに参加していただき、弾き語りの新しい可能性を僕と一緒に作って欲しいです」
当日はアニソンアカウントで発表した曲も、オリジナルとは違う新たなアレンジで披露される予定。シンガーソングライター、弾き語リストとしての大石昌良が今年はどんな素敵な実験で観客をワクワクさせて楽しませてくれるのか。ぜひとも会場に足を運んでみてほしい。
取材・文=東條祥恵 撮影=高橋公子
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大石昌良
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