先輩後輩セッションにX JAPAN公開REC!狂乱の「LUNATIC FEST.」初日
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「LUNATIC FEST.」6月27日のアンコールセッションの様子。(写真提供:LUNATIC FEST.)
LUNA SEAが主催するフェス「LUNATIC FEST.」が、6月27、28日の2日間にわたって千葉・幕張メッセ国際展示場1~5ホールにて行われた。
LUNA SEAの結成25周年企画を締めくくるフェスとして開催された「LUNATIC FEST.」には、2日間あわせて6万人の観客が参加。1つのフロアに設置された「MOON」「SHINE」「FATE」という3つのステージを舞台に繰り広げられる豪華な競演を堪能した。この記事では初日公演のライブレポートを掲載する。
■LUNACY~9mm Parabellum Bullet~the telephones~TOKYO YANKEES
オープニングアクトには、主催者LUNA SEAが結成当初の名義「LUNACY」として登場。LUNA SEAとは異なる衣装やメイクで現れた5人は「CHESS」さらに「MECHANICAL DANCE」で会場を沸かせる。RYUICHI(Vo)は「正直、25周年を締めくくるこの『LUNATIC FEST.』を、こんなにたくさんの仲間と迎えられると思ってませんでした」と喜びを語った。貴重なパフォーマンスに涙ぐむファンも多数現れる中、最後は「SHADE」が披露された。
続いての9mm Parabellum Bulletのステージでは「Discommunication」「ハートに火をつけて」などの高速チューンが次々と繰り出される。ここで菅原卓郎(Vo, G)の呼び込みでLUNA SEAからJ(B)がサプライズゲストとして登場し、ともに「Cold Edge」を披露する。メンバーたちに負けず劣らずステージ上で大暴れするJの姿に、オーディエンスは大いに沸き返った。
the telephonesはライブの最初に石毛輝(Vo, G, Syn, Programming)が宣言したとおり、MCなしのノンストップでのパフォーマンスを展開した。「Monkey Discooooooo」からスタートしたライブではステージ上もフロアも狂乱状態。途中で岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)がフロアに降り立って走り回ると会場はさらに大盛り上がりとなった。
LUNA SEAにとってExtasy Recordsの先輩にあたるTOKYO YANKEESのステージは「Pre emptive strike」からスタート。終盤、NORI(G)の紹介でPATA(G / X JAPAN)が呼び込まれるとオーディエンスは騒然とする。そして4人は「HOLLYWOOD HEARTBREAKER」をともに演奏し、迫力満点のサウンドで観客を圧倒した。
■coldrain~LADIES ROOM~SIAM SHADE
1曲目「The Revelation」から重厚なアンサンブルを響かせたcoldrain。「No Escape」「Six Feet Under」などを畳み掛け、演奏中に何度も観客を煽ってフロアの熱気を加速させた。Masato(Vo)は「ルナフェスが今年一番ヘドバンできるフェスだと思います!」と話したほか、「歴史の一部になれて光栄です。coldrainもフェスをできるようになるまでがんばります」と力強く語った。
続くLADIES ROOMはSex Pistolsの「Anarchy In The UK」からワイルドなパフォーマンスを見せ、疾走感たっぷりの「SEX, SEX & ROCK'N ROLL」では“SEXコール”を巻き起こした。途中、ゲストとしてRYUICHIが招かれ、RYUICHIはHIDE(G / X JAPAN)と初対面の際に彼が歌っていたという河島英五の「酒と泪と男と女」をHyaku(Vo)とデュエット。思わぬコラボにどよめきと歓声が入り乱れるライブとなった。
約1年半ぶりにライブを行ったSIAM SHADEは、序盤で「RAIN」「D.Z.I.」を披露。男気あふれるパフォーマンスとテクニカルな演奏で観客を魅了したほか、淳士(Dr)はバスドラムのヘッドに真矢(Dr / LUNA SEA)とのツーショットが目印の「リズム&ドラム・マガジン」2015年7・8合併号の表紙を採用するなど、師弟愛をにじませていた。またライブ中に真矢が「なんてカッコいいんだ」などと語りながらステージに入ってくると、栄喜(Vo)が先輩を前に少しかしこまった表情に。真矢は「1/3の純情な感情」をバンドにリクエストしておきながら自分が歌うというネタを挟んで場内の笑いをさらい、ステージをあとにした。SIAM SHADEはその後「Still We Go」「GET A LIFE」、代表曲「Don't Tell Lies」などを届けた。
■Fear, and Loathing in Las Vegas~DIR EN GREY~DEAD END
初日の後半戦の口火を切ったのは、出演アーティストの中で最若手のFear, and Loathing in Las Vegasだ。彼らは「Virtue and Vice」「Let Me Hear」といったハイボルテージなナンバーでフロアを大いに踊らせ、熱気をぐいぐいと高めていく。Sxun(G)は「こんな素晴らしいイベントに呼んでいただけて光栄です」と先輩へのリスペクトも忘れず、勢いのあるパフォーマンスを展開した。
続くDIR EN GREYは、緊迫感のあるプレイにあわせて、バンドのテーマである“痛み”を表現した衝撃的な映像を交えた壮絶なステージを披露する。また「空谷の跫音」ではSUGIZO(G / LUNA SEA)がバイオリンを奏で、静謐かつ幻想的なアンサンブルを描き出す。先輩の後押しを受けたあと5人の演奏はさらに激しさを増し、ラストの「羅刹国」では京(Vo)のグロウルが会場を震わせていた。
DEAD ENDは「I WANT YOUR LOVE」をはじめグラマラスなサウンドでオーディエンスを魅了する一方で、MORRIE(Vo)の「こういう機会だし、ゲストを呼びます」という紹介からSUGIZOとRYUICHIとともに「SERAFINE」をセッション。MORRIEとRYUICHIは視線を絡ませながら歌声を重ね、SUGIZOはYOU(G)と向かい合いギターを鳴らす。貴重な先輩後輩の共演に会場のボルテージは上昇し続けた。
■X JAPAN
オープニングSE「Miracle」にあわせてスクリーンにはこれまでのワールドツアーのダイジェスト映像が流れ、まずYOSHIKI(Dr)が登場。その後ほかのメンバーが定位置に着いて「JADE」からライブをスタートさせた。炎、スモーク、爆薬、レーザー、銀テープなどを駆使した派手な特効がステージを彩る中、「Rusty Nail」「紅」などを披露した彼ら。Toshl(Vo)は「お前らの大和魂見せてみろよオイ!」といった煽りで場内を熱くさせ、PATA(G)とSUGIZO(G)はツインリードを炸裂させた。またHEATH(B)はライブ後半で上半身裸になって気合いたっぷりのパフォーマンスを見せた。YOSHIKIは「X JAPANのアルバムが完成しそうだったのに……LUNA SEAのせいだ」とフェス参加によって制作が中断したと冗談を飛ばしつつ「レコーディングの続きやっていい?」とファンに呼びかける。「Hero」の合唱音源を、現時点で19年間発売されていないオリジナルアルバムの収録予定曲「Hero」に入れることを宣言して合唱パートの公開レコーディングを行った。
その後「Born To Be Free」ではPATAがHIDEの愛用ギター“くじら”を使用。またMCでYOSHIKIはSUGIZOとの出会いを振り返り「なぜかXの打ち上げにいた」と話していたが、SUGIZO曰く「HIDEさんが誘ってくれたから」という理由で出会いのきっかけが得られたとのことだった。その後、LUNA SEAやファンへ感謝の気持ちを涙ながらに語ったYOSHIKIはSUGIZOに肩を抱かれつつ「これからも見守ってあげてください」と述べた。そして「Endless Rain」に続くラストナンバー「X」では、メンバーコール時にTAIJI(B)とHIDEの名前も挙がる。さらにHIDEの映像が流され、「飛べ飛べ飛べ飛べ、屋根をぶち破っちまえ!」という煽りに観客は熱狂。YOSHIKIがカーテンコールで絶叫するなど、最後まで熱いステージが繰り広げられた。
■LUNA SEA
LUNA SEAのライブは、かつて真矢のローディをしていたSIAM SHADEの淳士がサウンドチェックを行うという粋な計らいが会場を盛り上げたのち、「LOVELESS」からスタートした。メンバーは大勢のオーディエンスを前に「Dejavu」「TONIGHT」「gravity」「I for You」などヒット曲を力強いプレイで披露していく。途中でRYUICHIの声が枯れてしまう様子も見られたが、楽器隊の盤石のアンサンブルとファンの声に支えられライブは中断することなく進行。RYUICHIは「けっこう枯れちゃったんですけど、すげえ楽しいよ」と笑いながら、全身全霊で歌い上げた。「ステージに一緒にいてほしかった仲間もいて。きっと今夜このステージに来てくれてると思います」という彼の言葉に続いたのは、hide with Spread Beaverの「ピンク スパイダー」だ。オーディエンスの大合唱も交えながら名曲が歌い上げられたあと、RYUICHIは「HIDEさんがライブハウスに観に来てくれたのがあって、YOSHIKIさんと会って。シーンの1つの柱を担わせてもらってすげえ幸せだったんだなって」と感慨深そうに語った。
サプライズは本編だけでは終わらず、アンコールでは出演バンドのメンバーが続々とステージへ。YOSHIKIはHIDEの愛器であるイエローハートを手に「今日は本物のHIDEを連れてきました」と述べ、オーディエンスを歓喜させる。そしてRYUICHIの「今日は無理を言って、俺たちの歌をやってもらいます」という言葉から「PRECIOUS…」のセッションがスタート。バンドや世代の垣根を越えてコラボに興じる様子に会場は、この日一番の熱狂に包まれる。泥酔したGEORGE(B / LADIES ROOM)が暴走気味のトークを繰り広げて笑いを誘ったあとは、LUNA SEAによる「WISH」をもって10時間以上におよんだ初日の「LUNATIC FEST.」は大団円を迎えた。