オペラ《ノルマ》制作発表会より

2016.12.15
レポート
クラシック

左から)佐竹康峰(日本オペラ振興会理事長)、折江忠道(藤原歌劇団総監督)、マリエッラ・デヴィーア、山中隆(びわ湖ホール館長)、武田嘉和(ニッセイ文化振興財団 理事長)、岸田生郎(川崎市スポーツ・文化総合センター アーティスティックディレクター)


 びわ湖ホール、日生劇場、川崎市スポーツ・文化総合センター、藤原歌劇団(公益財団法人日本オペラ振興会)、東京フィルハーモニー交響楽団の共同制作公演として、2017年7月、10月にベッリーニの傑作オペラ《ノルマ》が上演される。12月12日、都内で制作発表会が行われた。登壇者は、題名役のソプラノ、マリエッラ・デヴィーア、武田嘉和(ニッセイ文化振興財団 理事長)、山中隆(びわ湖ホール館長)、岸田生郎(川崎市スポーツ・文化総合センター アーティスティックディレクター)、佐竹康峰(日本オペラ振興会理事長)、折江忠道(藤原歌劇団総監督)。
(2016.12.12 日生劇場 Photo:H.Yamada/TokyoMDE)


 《ノルマ》はベルカント・オペラの代表作として名高い作品。かのマリア・カラスが得意とした演目として知られる。代表的ナンバーとして〈清らかな女神よ〉(カスタ・ディーヴァ)などがある。イタリアのベルカント・オペラの第一人者、デヴィーアは今回の上演が「日本における本格的なオペラでは最後のつもりでいる」と語るだけに、彼女のキャリアの集大成的な意味でも聴きのがせない公演となりそうだ。

 作品についてデヴィーアは次のように語った。
「《ノルマ》を日本で歌うのはこれが初めてになります。この作品の難しさは、主人公の心理描写にあります。劇的な面と優しい人格を表さなければなりません。愛する男性に裏切られた女性と母親としての感情の葛藤を、音楽の面でクリアーに歌うことは大変に難しく、また長時間、舞台で歌わなければならないのも大変。困難な面もありますが、同時にそれはこのオペラの魅力にも繋がること。ぜひ日本の多くの方に聴いてほしい」

マリエッラ・デヴィーア

 今回、アダルジーザを歌う若いラウラ・ポルヴェレッリと指揮のフランチェスコ・ランツィッロッタはデヴィーアの推薦により起用された。

 なお、「川崎市スポーツ・文化総合センター」は、2017年10月にオープンする複合施設で、内部に建設されるホールは2913席のシューボックス型。オーケストラピットを備え、本格的なオペラやバレエの公演に対応が可能。今回の《ノルマ》がこけら落としとなることも発表された。


びわ湖ホール、日生劇場、川崎市スポーツ・文化総合センター、藤原歌劇団、東京フィルハーモニー交響楽団 共同制作公演
ベッリーニ/歌劇《ノルマ》全2幕〈イタリア語上演・日本語字幕付〉

 
2017年7月1日(土)、7月2日(日)、7月4日(火)各日14:00 日生劇場
2017年10月22日(日)14:00(予定)川崎市スポーツ・文化施設総合センター
2017年10月28日(土)14:00 びわ湖ホール
 
演出:粟国淳
指揮:
フランチェスコ・ランツィッロッタ(日生劇場公演)
沼尻竜典(川崎&びわ湖公演)

合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル/藤原歌劇団合唱部
管弦楽:
東京フィルハーモニー交響楽団(日生劇場公演)
トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア(川崎&びわ湖公演)
■出演:
ノルマ:マリエッラ・デヴィーア(7/1、7/4、10/22、10/28)小川里美(7/2)
アダルジーザ:ラウラ・ポルヴェレッリ(7/1、7/4、10/22、10/28)米谷朋子(7/2)
ポリオーネ:笛田愽昭(7/1、7/4)ステファン・ポップ(10/22、10/28)藤田卓也(7/2)
オロヴェーゾ:伊藤貴之(7/1、7/4)田中大揮(7/2)
■問合せ:
日本オペラ振興会センター044-959-5067
http://www.jof.or.jp/
びわ湖ホールセンター077-523-7136
http://www.biwako-hall.or.jp/