橋本環奈も応援に 最終巻直前『銀魂』の大展示会開催
『連載完結寸前 大銀魂展~ツケが回る前にケツを拭け~』のプレス内覧会が、年の瀬の12月22日に行われた。本イベントは、2016年12月23日(金)から1月9日(月・祝)にかけて秋葉原UDX2階にあるアキバ・スクエアで行われ、『銀魂』の貴重な原画を中心に、映像や特製グッズなど、『銀魂』の全てを体感できる内容となっている。今回の内覧会では、実写映画『銀魂』に出演する橋本環奈と、『銀魂』の元担当編集だった大西恒平氏も登場し、展示会開催に向けた心境などを語ってくれた。本記事では、その様子を紹介する。
“週刊少年ジャンプ”連載中の『銀魂』は、2003年12月に連載を開始したロングラン作品だ。今回の展示会は、その『銀魂』が遂に最終章を迎えたことをうけ、大西氏いわく「今までのこと水に流してほしい」というコンセプトで開催された。展示会の内部は以下の8つのゾーンに分かれており、それぞれのテーマに沿って、原画や映像、アイテムなどが展示されている。
ZONE1:第1訓 時には水に流せないこともある
ZONE2:第2訓 口先だけで謝るならいっそ謝らないほうがいい
ZONE3:第3訓 ごめんで済んだら真選組(けいさつ)はいらない
ZONE4:第4訓 正しいと信じてやまない奴に反省の念なんてない
ZONE5:第5訓 何時(いつ)だって謝りたいときに謝りたい人はいないもの
ZONE6:第6訓 背負って振り返るな
ZONE7:第7訓 反省だけならゴリラでもできる
ZONE8:第8訓 ツケが回る前にケツを拭け
展示物にはそれぞれ作者である空知英秋氏のコメントが付いており、そのシーンを空知氏がどのような想いで描かれたのかが分かるようになっている。ファンなら、ゾーンごとのサブタイトルを見ただけである程度の内容が把握できるだろう。ここからは、展示会内部の様子を、ゾーンごとに紹介していく。
第1訓 時には水に流せないこともある
『銀魂』の主人公、坂田銀時と、同じ万屋の一味である志村新八、神楽の3人が、いきなり土下座をして観覧者を出迎える。また、このすぐ奥では『銀魂』のオープニング映像を流しているのだが、そこにある椅子はなぜか便器。趣向をこらし、どうしても水に流してほしいという強い意志を感じるスタートだ。
第2訓 口先だけで謝るならいっそ謝らないほうがいい
最も広いゾーンである第2訓では、『銀魂』の真骨頂とも言えるギャグパートの原画が多数展示されている。サダハルのお尻や将軍のブリーフ、たそがれるダメオのギミックは、思わず触りたくなってしまう出来栄えだ。
また、このゾーンには、小さいお子様は入れない“18禁エリア”と、おそらく水に流してほしい内容が満載の“パロディエリア”が含まれている。取材NGだったので、気になるその内容については、実際に展示会で確かめてほしい。
第3訓 ごめんで済んだら真選組(けいさつ)はいらない
ここからは、『銀魂』のもう一つの魅力である、シリアスパートの原画が、『銀魂』の歴史と共に展示されている。最初の第3訓は、タイトルにある通り、真選組のキャラクターたちが勢ぞろい。“真選組動乱篇”や“バラガキ篇”“ミツバ篇”“さらば真選組篇”など、人気エピソードの原画が展示されている。壁に描かれた真選組の後姿は必見!
第4訓 正しいと信じてやまない奴に反省の念なんてない
真紅で彩られた第4訓では、万屋たちの激闘を綴った原画をエピソードごとに紹介。“吉原炎上篇”“かぶき町四天王篇”“将軍暗殺篇”“洛陽決戦篇”など、見る者の心を揺さぶるバトルシーンの数々を堪能できる。
第5訓 何時(いつ)だって謝りたいときに謝りたい人はいないもの
ここで見ることができるのは、主人公・坂田銀時の過去が垣間見える原画だ。攘夷戦争で銀時が共に戦った高杉晋助や桂小太郎、坂本辰馬らの雄姿と、そして銀時が抱えることになった闇が描かれている。
第6訓 背負って振り返るな
ここでは、最終章の“銀ノ魂篇”に至るまでのエピソードをまとめて展示している。ラストスパートをかける『銀魂』本編を、力強く盛り上げてくれるゾーンだ。
第7訓 反省だけならゴリラでもできる
『銀魂』が生み出される、空知氏の仕事場を再現したゾーン。また、ファンが選んだ人気エピソードの原画も日替わりで展示している。
第8訓 ツケが回る前にケツを拭け
最後のゾーンでは、『銀魂』の実写映画で使われている坂田銀時の衣装を展示。さらに、その奥の物販ゾーンでは、150点以上の『銀魂』オリジナルグッズを販売している。
それでは次に、囲み取材の内容をお届けする。実写映画『銀魂』で神楽役を務める橋本環奈は、いろいろなギャグシーンを展示している最初のゾーンではずっと笑っていたが、“吉原炎上篇”や真選組のシリアスなシーンを集めたゾーンでは、ちょっと泣いてしまったと告白。最後の第7訓にある日替わり展示も楽しみにしているらしく、「こっそりお忍びで来ようかなと思ってます」と嬉しそうに語った。
また、取材場所にお尻のギミックが展示されていた、神楽のペットである犬のサダハルについては、撮影ではCGを使ったため、実際に映画で見るのが楽しみだと話した。
続いて大西氏に、展示会が開催される感想を聞いたところ、連載当初は人気が全くなく本当にどん底だったらしく、ここまで昇り詰めることができて夢のようだと、空知氏と話したそうだ。なお、本当は今日も空知氏が来る予定ではあったが、締め切り当日だったこともあり、初代担当編集の大西氏が来ることになったそうだ。
それから話題は、ファン投票で掲載されるエピソードの原画が変わる日替わり展示に。どのエピソードが好きか聞かれた橋本は、『銀魂』27巻に収録されている“寝る子は育つ”を挙げた。これは神楽が全く眠れなくなってしまうエピソードで、その中でも「眠れないアル」と話す眼が血走った神楽が特に好きなのだそうだ。さらに、今回の展示会で販売されているオリジナルグッズのおすすめを聞かれると、神楽の好物である“酢こんぶ”を猛プッシュ。「ぜひ銀魂展に来た人は手に入れてほしい」と強くアピールした。
実写映画で神楽を演じたことについて聞かれた橋本は、最初は神楽の特徴的なイントネーションに苦労したそうだが、慣れてくると普段も神楽のような話し方になってしまったと語った。橋本は、プライベートでは博多弁で喋るそうだが、しばらくは神楽のイントネーションと博多弁が混ざったような口調になってしまったそうだ。
そして撮影時のエピソードとして、神楽がコミックスでもやっている“鼻ホジ”について、橋本自ら撮影で「やりました」と告白。この突拍子もない演技については、監督から「第一関節過ぎるぐらいまでいきましょう」という助言もあったそうだ。実際にそこまで入れたかどうかの質問には、「第一関節は過ぎていたらしいので、ちゃんと映画でも鼻ほじってます」と断言。大西氏は「そんなことやらせてしまって、申し訳ない」と小さくなっていた。
今年1年を振り返った橋本は、本当にあっという間だったと述懐。夏に行われた『銀魂』の撮影では、初めて髪を染め、人前で初めて鼻をほじるなど、初めて尽くしだったと回顧していた。
最後に『大銀魂展』の見どころを聞かれると、「キャラクター1人1人のセリフが展示され、さらに日替わりで展示物が変わるなど、毎日来ても楽しめます」と語り、「来ないと損だなと思いますので、ぜひ来てください」と話した。一方の大西氏は、最初で最後なのでぜひ来てくださいとまとめつつ、「前売り券の売れ行きが悪く、来場者が少ないと私の責任問題にもなりますので、よろしくお願いします」と、『銀魂』らしいシニカルなコメントで最後を締め、取材は終了となった。
10年以上積み上げてきた『銀魂』の歴史を、余すところなく堪能できる今回の展覧会。会期中は正月三が日も開催しているので、ファンならぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
(C)空知英秋/集英社
会期:2016年12月23日(金・祝)~2017年1月9日(月・祝)※会期無休
入場時間:10:00~19:30(20:00閉場)
会場:東京 秋葉原UDX 2F アキバ・スクエア(千代田区外神田4-14-1)
入場料:一般・大学生1,500円/中学生・高校生1,000円/小学生500円※料金はすべて税込。未就学児は無料
主催:集英社、テレビ東京、バンダイナムコピクチャーズ
協賛:バンダイ、バンダイナムコエンターテインメント、バンプレスト、ナムコ、メガハウス、ローソン
原作:空知英秋