楽しもうと思わない奴は来なくていい!ichigo、分島花音、カヨコが語る『ごちデス!』の魅力
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仲良し三姉妹が好き勝手語る自分たちのこと、明日のこと
9月12日の東京を皮切りに大阪、福岡と回る岸田教団&THE明星ロケッツのボーカルichigo主催のライブイベント『ごちデス(ФωФ)!JAPAN TOUR』、出演者でもあり、ichigoと公私ともに仲の良い分島花音、カヨコの三人をお呼びしてごちデスを中心に好き勝手喋ってもらった、インタビュアーは作家として彼女たちと同じ事務所に所属もするアニメ担当加東、なかなか危ない話も飛び出したロングインタビューをお届けします。
―― 今日はごちデス(ФωФ)という事でおやつにプリン用意しました!
三人:いただきまーす!
プリンを食べながらインタビュースタート
分島花音(以下、花音):なぜSPICEなんですか?
――「あなたの日常にちょっとした刺激を」というコンセプトで
花音:ああなるほど!
カヨコ:上手い!唐辛子だ!
――ここにいたるまで100個くらい案あげてるんですけど
カヨコ:ボツになって面白かったやつって何ですか?
――リビラップ(LIVE IT UP!)、とか。
ichigo:リビラップ!(笑)
カヨコ:SPICEの方がいいわ(笑)。
花音:ラ〇ザップみたいな(笑)。
――ということで、「ごちデス」の話をしたいなと思い、みなさんをお呼びしておりますが、「ごちデス」とはなんぞや?というところから伺いたいと思っておりまして。簡単に言うとライブだと思うんですけど どういうコンセプトで始まったのかを改めて。
ichigo:基本的にはichigoがちやほやされるイベントなんですけど……ちやほやされないと生きていけないので。ichigoのことが好きな人に囲まれて楽しく過ごしたいと思うっていう私の人生のコンセプトなんで、そもそもが。「ごちです」と言うのは美味しい思いをいろんな意味で、「美味しい」もそうだし、ライブなんかも「素敵なライブごちそう様でした」っていう意味の言い方をすることもあるじゃないですか。それもあって、そういう「素敵なパフォーマンスごちそう様です」、あとはたとえば、ほかの出演者を見に来た人が岸田教団を好きになった、ichigoを好きになってくれた、も「ごちデス」だし、
ichigo
――今回は東京・大阪・福岡と3か所ございまして、ichigoさんと花音さんは全部出演ということで、花音さんにもなにか一言いただければ。
花音:前回LiSAちゃんがプラスされて3チームで東京公演やったんですけど、その時はなんか「普通の対バンイベントなのかなー」と思ってたんですけど全然違っていて。普通の対バンイベントだと想像して来られる方には、いい意味で違った驚きみたいなものを与えられるんじゃないかなと思います。そのアーティスト間にも皆を楽しませるようなサプライズがたくさん仕込まれていて、普段歌っている以外の、普段の喜怒哀楽みたいな、素の表情をたくさん見れるポイントもたくさんあって、大好きなアーティストをもっともっと好きになったりするきっかけになって……
分島花音
ichigo:すげぇいいこと言ってるなあ!
カヨコ:最後まで聞こうぜ(一同笑)。
花音:ただの対バンじゃない、最初っから最後まで楽しめる、いろんな要素が入ってるイベントだなと思いました。
――はい、そして、出演は大阪だけなのかな? カヨコ姉は。
カヨコ:あ、そうですそうです、
ichigo:カヨコ姉?(笑)
カヨコ:急にフランクやな!(一同笑)
――僕なぜかわからないんですけど、カヨコさんをカヨコ姉と呼んでしまうという。
カヨコ:めっちゃ喋りましたもんね、前に。
――そう、その時に、「あ、姉さんだな」と。そんなカヨコ姉も一言いただければ。
カヨコ:去年はお客さんとして見に行ってたんですよ。そのとき幕間に「アーティストが食べたいご飯を食べるコーナー」があって、食べたいものを食べられるんですけど……私めっちゃイクラ好きなんですよ。だから去年花音ちゃんがイクラ食べてるのうらやましいなって(笑)。そこが羨ましかったです。もちろん前提としてLiSAちゃんに曲書かせて頂いたりしてるのもあって、イベント全体通して凄く楽しかったし。アニメのタイアップ曲以外の曲もたくさん聴けて、出演するアーティストごとのの細かい……Bサイドを知るにも良いイベントだなと思いました。
カヨコ
ichigo:コラボもあったしね。
カヨコ:うん。とにかく色とりどりなイメージなので、今年は出れてとても嬉しいです!
――他にも出られる方はいますが、今日は代表でお3方に来ていただいてるので、それぞれ自分のフィールドでの活動もそれぞれ聞いていければなと思っております。ichigoさんは、7月29日に岸田教団&THE明星ロケッツとして「GATE~それは暁のように~」がリリースされましたが、僕個人としては今までの岸田教団の中で一番好きな曲なんですけど。
ichigo:お!ありがとうございます!岸田教団史上というか、最近の流れでいくとかなり明るいさわやかな曲調なので新鮮な気持ちで歌いました。新鮮な気持ちでもあるし……あの3~4年前くらいの雰囲気のさわやかな感じ?を思い出しながらやってましたね。自分の中ではまったく新しい自分を見せるというよりは、昔やってたテイストを、今の気持ちとか今の力量でやれるのが結構楽しくて。前よりも明るい声が出るようになったし、さわやかな空気感は技術としてだせるようになったかな。
――カップリングの「EGOISTIC HERO」の方が最近の岸田教団感というか、
ichigo:最近はそうですね。だから今回のシングルで、自分の中の大きな2つの要素を同時に出せたんで良かったなと。
――花音さんにお聞きしますが、11月にシングルをリリース、2月に『劇場版 selector destructed WIXOSS』のメインテーマを担当すると発表されました。ここ1~2年、こうワッと色々なトピックが多い1年だったと思うんですけど。
花音:作曲を自分でするタイミングになってから、たくさん仕事をもらえて、ちゃんと評価してもらえているってことなのかなと思って、それはすごく嬉しいです。
――ターニングポイントになった作品とかあります?
花音:そうですね、自分の作詞作曲でOPっていうのは『selector infected WIXOSS』のkilly killy JOKERが初めてで、今までの自分の中で、いわゆるアニソンのOP……上がるような曲っていうのが最初は自分の引き出しに無かったんですね。ED感みたいな、バラードとかちょっとミドルテンポっぽい曲の方が作りやすかったり。それがはじめてOPを担当できて、OPなりの盛り上がりとかアニソン感みたいなものをもうちょっと出して、聴いてくれる人に響くものを少しでも出したいと思って、それからはOP感のある楽曲をたくさん考えて書くようになったんです。そういうことを含めて『selector』という作品は、自分の中に無いものを新しく生み出すきっかけをくれた大きな作品だなと思います。
――今年の2月にはオリジナルアルバム『ツキナミ』を発表しました、今聞いてもあのアルバムは完成度高いと思います。あのアルバムが「今の分島花音ってこう」っていう部分を、明確にビジュアルコンセプトも含めて出せてる気がしてて、その辺に関してはどうですか?
花音:『ツキナミ』というタイトル自体が、自分の中でも切っても切れない関係性――「音楽と私」とか「ファンの方と私」とか、一生涯において絶対に縁が切れないであろうという関係性なんですけど、表題に関してはやっぱり自分と音楽との関わり方も含めて歌っているんです。アニメのテーマソングを沢山書くことが多くなってきて、自分の今まで作っていた曲と、アニメのために作っている楽曲とが、自分の中で作り方が違うな、と感じていた部分があったんですけど、それが全部自分の中からでた音楽に変わりはないという事をまとめられたアルバムでもあるので、今の自分自身を表すことのできた作品だなと思います。
――なるほど。そして……姉さん!
カヨコ:なんでそんな急にフランクなの(笑)
――姉さんはシンガーじゃないですか。シンガーソングライターとして一番メジャーなのはLiSAさんに提供した『ソードアート・オンラインII』の「シルシ」だったり『SHIROBAKO』OPの「COLORFUL BOX」なのかなと。
カヨコ:そうですね、はい。
――自分でも歌ってるシンガーが、他のシンガーの方に曲を提供するという所に対してはなんか想いってありますか?
カヨコ:すっごい最初はしんどくて、自分がこう……私は割とリアリティのあるというか、自分の実体験でしか曲を書かないので、腹を痛めて産んだ子どもを人の家に預ける気持ちで(笑)。もともとLiSAちゃんのファンだったので、「Angel Beats!」っていう作品が凄く好きで……皆さんもうそろそろご存じだと思うんですけど、わたし小学校からのガチオタで(笑)、中学生でコミケデビューしてるし、高校でコスプレデビューしてるし。
花音:早い!ガチオタ!
カヨコ:結構早めの目覚めだったんですよ。まぁ目覚めたまんま、気が付いたらこの年なんだけど(笑)。だから、楽曲提供のお話頂いたときに、最初がLiSAちゃんで本当に良かったなと思ってて。そこで『DOCTOR』っていう曲を書かせていただいた時に、初めて自分が作ったテイクよりも良いものが完成されて返ってきて。その感覚に感動したんですね。東京のレコーディング現場で、本物のスタッフ、アーティスト、ヴォーカリストが歌ったらこうなるんだ!って衝撃を受けて。そこでこう提供作品の概念が自分の中でガラッと変わったんです。私は生きざまとして曲を書いて、編曲にもこだわって…それがいっつも独りで完結してたんですけど、それだけじゃすごく世界が狭いなということをこの1~2年で気づかされて、初めて弾き語りの音源で提供させて頂いたのが「シルシ」だったんですよ。「マザーズ・ロザリオ編(編集部注:ソードアート・オンラインII後半主題になる名エピソード)」を凄い読んで書いたんで、それはちゃんと伝わってよかったなと思いました。
――それにしても大前提として仲が良いですよね、皆さん。この取材現場に来る雰囲気からしてもう(笑)。
カヨコ:全然仕事感ない(笑)
――まあその辺の仲の良さをみせていくイベントなのかな、と。
ichigo:そうですね。よくある対バンイベントって、売れてる人集めたとか、つながりのある人集めた、でオファーして出てもらうって形が多いし、だからこそそれなりにコラボがあったりもするけど……
花音:でも本当に仲がいいから出る表情とかあるし、できるMCとか突っ込めることとか、そういうところはやっぱり見せていきたいなと思うし……自然とそうなるんですけど(笑)。
――なんかTwitterとか見てると結構一緒にいるよね(笑)。
カヨコ:書いてない日も多いんですけどね。
ichigo:そう、書いてない日もあるの。
カヨコ:そうそうそう。3人のLINEがあって連絡網があって、誰か一人が落ち込むと……あの大概私と花音ちゃんが落ち込んでるんですけど(一同笑)。落ち込んだ時の駆け込み寺なんですよ!ichigoさんっていう人間は。
花音:お母さんみたい。
カヨコ:。こういう『ごちデス』みたいなイベントでも、全国各地で出来てっていう求心力みたいなものがある人だと思うので・・・褒めてます姉さん!
ichigo:ほめられている!(一同笑)
――3人のライングループもあるという話もありましたが、嵌ってることとか、昨今ブームだったりすることってあるんですか?
ichigo:大体二人は似たようなことに……
花音:占いだ(笑)。
ichigo:あの、中華街に行って、お気に入りの占い師さんがいて。
花音:専属だよね。
ichigo:その人に対して、みんな、本気で人生に対して抱えている不安をぶつけるっていう。
花音:いきなり来た客が全員アーティストってなかなかヤバい(一同笑)。
カヨコ:そうそう。割と重たい相談してる。
ichigo:全員がね、やっぱり自分の三年後を心配してる。それを、こう「どうですかね?」って言ってるのを、お互いに見るっていう。
――(笑)。3人ともまあアニメが好きだったりして、そういう話題も出てきます?
カヨコ:3人でいるときはそんなにしないですね。
――やっぱり女子会なのかな?
カヨコ:いや、全然女子っぽい話はしないですよ!
ichigo:何の話……音楽の話なのかな?
カヨコ:メンタリティの話は凄いしてる。私が自分で「こう!」って決めきってる時に、「お前はカヨコってアーティストだから!作家じゃねえんだから!もっと楽しく生きていいんだよ!」とかichigoさんに言われて(一同笑)。
ichigo:そんな!? 割とフラットな気持ちで言ってるよ?
カヨコ:ご飯の片づけとかしながら言ってるよ?(笑) 綺麗なキッチンで。
ichigo:飯を食わせるのが好きなんですよ。
カヨコ:分島の名言で、「ichigoさんは気に入った女がいるとすぐ家に連れ込んで飯をごちそうする」(一同笑)。
ichigo:女なんか「美味しいお肉煮込むよ」っていったらすぐ来ます(笑)。
――それちょっと赤太字で出しときます。「女なんか美味しい肉煮込めば連れ込める」って。
カヨコ:彼氏にしたいもんなー。ichigoさんはなー。
ichigo:女の子は大事にするっていうスタンスです。常に。
――なるほど。最後に……
カヨコ:え?もう最後なんですか!?
――インタビューとしては最後にしようかなと(笑)。……普段聞きづらかったり言いづらかったりする様なことを聞こうと思ってまして。ご存じかとは思いますが、私文筆と劇団をやっておりまして、アニメ関係のお仕事が多いんですよ。そうすると声優志望の若い子たちが挨拶をしに来たりとか、「話聞いて下さい」とかいうんですけど、「声優になって何したいの?」っ若い子たちに聞くと……
ichigo:うんうん!
――大体8割の女の子が、「アニソンシンガーになりたいから声優になりたいです」って言い出すんですよね。
カヨコ:……ほおー! すっごい顔しちゃったごめんなさい!(笑)
ichigo:すっごい顔しようよ!
――で、「歌手を目指せばいいんじゃないの?」って話をすると、向こうは「いや、声優になって、主人公とかをやってそのまま……アニサマとか出たいです」みたいなことをポロリと言ってきて、僕はなんかわからんけどイラッとする訳ですよ!(笑) そういう風潮というか、現状のアニソンシンガーを取り巻く環境に関してどう思うか、ということを3人に聞いてみたいとなと。
ichigo:元々ニコ動の歌い手が嫌いだったりしたんですけど――まあ今となっては歌い手の友達もいるし、しっかりした気持ちで、音楽に対して、音楽を作ってる人もいるんですけど。でもなんか、こちとら10年、15年ずっと「歌手になりたい、歌を歌いたい」でやっとこうなったけど、なんかこう、社会人とかやりながら……
カヨコ:稼ぎながらね。
ichigo:それこそ「歌ってみた」って気持ちで動画をアップしてそれが人気になって、歌手に、歌い手になるという。その感じがすごい嫌だったんですね。
花音:でも才能ないと、そこにすら行けないから、元々の才能が高かったってことじゃないのかな?
ichigo:時代もあるよね。
花音:ボーカル力だけじゃないじゃん、もう。タレント性とか話題性とか、そういうのも全部含めて評価される時代だから、「アニソンアーティストになりたい」って言って声優を目指すのも一理あることだと思う。
ichigo:それは手段だから別にいい。
花音:自分がアニソンに携わるようになって、シンガーソングライターでやってたけど、周りからみればアニソンシンガーだし、「誰が曲を書いたのかっていうのは多分どうでもいいんだろうな」って思う瞬間があって。作り手のプライドみたいなのが、私たち作ってる側にあるから……シンガーとしてやっているんだろうな、って思われるのがちょっと切なくなる時があります。
――作詞作曲もするしね。
花音:自分ではやっぱり作曲して作詞してというのが根底にあって、ボーカリストとしてはまだ自信がないんで、これで歌だけだと思われてたら身も蓋もない(笑)。
カヨコ:そんなことない!
花音:これでもっと歌上手くて、シンガーだっていうんだったら、「シンガーでもいいけど、一応曲も書いてるよ」みたいに言えるけど、「これでシンガーかよ」みたいな。
カヨコ:ネガティブが爆発してるな!(笑) 今日もいいよ!
ichigo:(笑)
花音:曲書いて歌詞書いて歌って、なんとか一人でやってるんです、っていう気持ちがあるから……歌手っていう風に思われてると、作り手としては、制作もやっているんだよって思われたいなって、ちょっと思ったりもします。
カヨコ:「どう思われるか」っていうのもすごい大事やけど、私は生きてきた中で、昨日もちょうどTwitterに書いてたんですけど、「人生一曲も捨て曲はなし」っていうのがテーマで。それが例えば自分の曲って思われてなかったとしても、自分が歌ってなくても、とりあえず絶対妥協はしないものだけを作り続けるというふうに決めてて、それを繰り返してる間にいつか誰かに届くと思うんですよね。自分のオリジナリティとか自分の創作意欲とか表現したいものが蓄積してて、いろんな人に、こう身を切って、「いいよ」ってアンパンマンみたいに(笑)。自分の持ってるオリジナリティ、アイディンティティをいっぱい食べてもらってるんですよね、いろんな人に。だから今「いつ俺のターン」って曲書いてるの。
一同:(笑)。
カヨコ:いや、ホントに。私歌にもそれなりの自信があって、声楽もやってたし、楽器も弾けるのに全然ターンが回ってこない!みたいな(笑)。器用貧乏だなって思うし、自分が色々やりすぎたせいで、全然何も手元に残んなかったって思った気がしてたんですけど、こんな二人と出会えて、相談したらすげぇ励ましてもらえて、結局提供した相手にもすごく感謝されて…LiSAちゃんには「シルシ」書いてくれたから、私のライブが変わった」って言ってもらえたりとかで。何回も泣けるんですよ、ライブに行く度に。
花音:ここは本当に悩みが真逆なんだよね、私は作家として何か1つ、1回やってみたい、誰かに曲を歌ってもらいたいという気持ち、作家としての一つの目標にしてるんですけど、コンペもなかなか上手く行かないし、やっぱ人に、歌える曲を書けないっていうのが凄いあって。私はもう上手い人に歌ってもらえれば、全然私じゃなくてもって感じのタイプだから、そこがね、ちょっと逆なんだよね。
カヨコ:でも私は作ることに長けているんだったら、「今の間に書こう」と思えるようになったんですけど、花音ちゃんとかは……こう見えて総合点が高いんですよ、なんかアイコンとしての能力が凄い高くて、人前に立てて、PV可愛くて、顔綺麗でかっこよくていいじゃんかー!って思うんですけど。まあ彼女なりの承認してほしい部分が違かったり、ichigoさんは…でも、これがアイコンになってるからね。男の子は踏まれたい、女の子は抱かれたいって(笑)
ichigo:あははは(笑)。
カヨコ:あの私、これ書いておいてほしい。インタビューで喋ったことないんだけど、ichigoさんの曲が好きなの!
花音:あー!ichigoさんの曲好き!私も。いいんだよねー!
ichigo:ichigoは別に音楽自体にそんなに興味ない。でも歌は好きだし、一応スピーカーとしての役割が大きいなと思ってて。
カヨコ:うんうんうん。
ichigo:歌うのが好きだし、私は増幅するのが得意な人だと思うから、自分では。例えば曲を提供してもらえれば、かっこよく歌う自信があるし、誰かと話せば、その時間を面白く出来ると思うし、そういう増幅――スピーカーでいたいし、スピーカーの出力をどんどんあげていきたいなと思って生きてる感じですかね。
――だからこそ、歌ってみたとか出てくるのがなんだろう、って思ったりするんですかね。
ichigo:今となっては文化として1つのジャンルだから、嫌だったのは出初めのころで。ニコ動の中に知り合いもいなかったし、友達もいなかったし当時は人となりとか中身とかを知らずに外から見て、「なんだよ」って思って。
カヨコ:カラオケには見えたのよ、私は。友達がやり始めたからライブ見に行ったんですけど、ステージですごい下向いて歌ってたりとか、なんか扇動力ってものが感じられなかったんですよ。でも、私まじ娘さんとかすごい好きで、聴くようにしたんです。
花音:でもやっぱ作り手さんのやつ聴いちゃうんだよね
――ちょうど先日GARNiDELiAのインタビューでも話もしたんですけど、ガルニデってアニソンもやってるけど、普通の曲もやってるし、発信力のスタートとしてニコ動を使ってる部分もあって、やっぱり凄い偏見は当時もあったし、今でもあると。
ichigo:いやあると思いますよ。やっぱり。
カヨコ:その、ニコ動を1つの発信源として捉えてるアーティストは他のビジョンが絶対ある。ただ、ニコ動で1位を取ることがゴールの人は絶対その先はないとは思うんですよね。この違いが、本当にプロを目指してるかどうかの違い。
ichigo:だからさっきの「アニソンシンガーになりたいから声優になりたい」っていうのも結局手段としてとらえてる分は、したたかでいいと思うけどね。
花音:結構曖昧になってるじゃん、今音楽業界自体が。純粋に曲を付加価値無しで判断する時代はもう終わってる。
カヨコ:終わってるよね。シャネルが出した鞄だからなんでも可愛い、取っ手が逆についていても可愛いってのと一緒だから、それは1つのブランドだから仕方がないことだと思うの。例えがおかしいけど(笑)。
――みんなそれぞれちゃんと意見や考え方があって、あーだこーだ喋ってるこの空気が、そのまま「ごちデス」に出てくるかなと。
ichigo:考え方は結構違うね。二人が悩んでる意味がわからなかったりするし
カヨコ:そう。意味がわかんないはよく言われます。ichigoさんは自分で発電できる人だから。自分で自分のこと元気にできる人で、花音ちゃんと私は、穴掘って沈むタイプ(笑)。
花音:カヨコさんは自らを犠牲にして損をしている。
カヨコ:いいんだよ!!!!(笑)
花音:私は、周りを犠牲にして孤独を生む(一同笑)。
――それもどうだろう…(笑)。
花音:良くないんですよ、良くないんだけど、やっぱり自分最優先しちゃうから…
カヨコ:すごいね本音、すごいね…(笑)
花音:身内以外周りは皆敵なんだよ!
――「周りは皆敵/分島花音」(一同笑)……っていうのをライブでやると。
カヨコ:やるかなー?(笑)
花音:でもお祭り感みたいなのもあるよね
ichigo:そうですね。大人としての遠慮はあったりしても、「違う!」と思ったら言うし、こうだよ、って思ったら言ってくれるし。なんかそういうのは楽しいなって思います。
カヨコ:制作とかアーティスティックな面に関しては馴れ合いは一切ないよね。本当にプライベートでは仲良くて、プライベートの時は会社でも悩み相談みたいなのをしあうけど、それぞれのアーティストとしてのやりたいことは独立してるので。その辺の体現したい世界観の違いとかをこの「ごちデス」で楽しんでいただければと思います。
ichigo:違うから上手くいってるのもあるよね
――というわけで「ごちデス」はichigoさんをチヤホヤするイベントなので、チヤホヤしろというコメントを最後にいただければ。
ichigo:そうですね……チヤホヤする気のない奴は来なくていい!! 楽しもうと思わない奴は来なくていい!!!
カヨコ:これ太字?
ichigo:赤でいい。
――もはやタイトルでもいい?(笑)
ichigo:(笑)ヤバい、炎上する!
カヨコ:すっげえSPICE!!(一同笑)
撮影=坂井美碧織 インタビュー=加東岳史
東京公演「ごちデス(ФωФ)!」
日時:2015/9/12
会場:赤坂BLITZ
出演者:岸田教団&明星ロケッツ/分島花音/春奈るな/RAB(リアルアキバボーイズ)
大阪公演「ごちヤデ(ФωФ)!」
日時:2015/10/16
会場:BIG CAT
出演者:岸田教団&明星ロケッツ/分島花音/GARNiDELiA/カヨコ
福岡公演「ごちバイ(ФωФ)!」
日時:2015/10/18
会場:DRUM LOGOS
出演者:岸田教団&明星ロケッツ/分島花音/GARNiDELiA/三澤紗千香