涼風真世 デビュー35周年を祝したアルバム『Fairy』コンサートで“現在・過去・未来”を表現
涼風真世
9月7日(水)に20年ぶりのCDアルバム『Fairy(フェアリー)』をリリースした元タカラジェンヌの女優・涼風真世が、デビュー35周年を祝したCD発売記念コンサートを12月28日(水)銀座ヤマハホールで開催した。
宝塚100年の歴史の中でも傑出した歌姫として知られ、元男役トップスターでありながらフェミニンな魅力を兼ね備えた“歌の妖精”涼風真世。1981年、第67期生として宝塚歌劇団に入団して以来、ミュージカルスターとして活躍し、今年デビュー35周年を迎えた。
ニューアルバム『Fairy』は、涼風真世のセルフプロデュースにより制作。彼女の35年間の足跡をたどる代表曲&お気に入り曲のカバーに加え、本作のために書き下ろされた新曲2曲が収録されている。
そのCD『Fairy』のリリース記念として、デビュー35周年を祝して開催されたコンサートは1日限りということもあり、は販売開始と同時に完売。全国から多くのファンが詰めかけた。
コンサートは、CDと同様、涼風自身のプロデュースによる構成・演出。“涼風真世の現在・過去・未来に向けてお届けする”というテーマで選曲されたが、昼の部と夜の部でセットリストが大幅に違うという贅沢なステージとなった。
オープニングの新曲「空だけはそこにある」では、「悲しいときやつらいときも、下を向くのではなく、空を見上げて今日もがんばろう」というこの曲に込めた想いを語った。
宝塚卒業までは自然に囲まれた環境で育った自身の生い立ちから、東京では“空だけが”そこにあったというエピソード。続いての“過去”の足跡をたどるコーナーでは、昼の部では20年前にリリースした前作(=ファーストアルバム)『MINE』からの選曲と、宝塚時代の作品より、「愛のかけら」(翔んでアラビアン・ナイト)、「悪夢~旅立ち」(銀の狼)を披露。懐かしい曲目の歌唱に、会場からはひときわ大きな拍手が起こった。
“現在”の涼風真世はミュージカルスターとして、代表作『マリー・アントワネット』や今年ゾフィー役で出演した人気作『エリザベート』のナンバーを披露。夜の部では、「私だけに」と「最後のダンス」という娘役(エリザベート)と男役(トート)の人気曲をどちらも歌い上げるという圧巻の歌唱も。また、夜の部にはスペシャルゲストとして、宝塚時代の相手役・麻乃佳世が登場。約23年ぶりの共演にも関わらず、息の合ったデュエットで、代表作『PUCK』より「パック誕生」など4曲(アンコール含め5曲)で共演した。
“未来”の涼風真世に向けてのコーナーは、今後の歌手としての活動を見すえて最新作『Fairy』からの選曲。お気に入りのカバー曲や、自身の声優としての出世作である「るろうに剣心」(フジテレビ系アニメ)で剣心役を演じた涼風によって、今年の宝塚雪組の人気公演『るろうに剣心』より、「不殺(ころさず)の誓い」も披露された。また、昼の部で歌唱された「グランドホテルで」では、涼風が宝塚退団公演で使用し、記念品として大切に持っていたホテルの部屋の鍵を、来年(2017年)の月組公演で主役を演じる珠城りょうに託したことも披露するなど、後輩にバトンを受け継ぎながらも、自身の活動をより深めている涼風の姿勢が垣間見られた。
新曲「眠りの果て」(作詞:松井五郎、作曲:玉置浩二)は、ライブではこの日が初披露。宝塚時代、毎日のように安全地帯の歌を聴いていたという涼風は、「玉置さんの声で、表現の仕方……苦しさややさしさや温かさといった想いを教えてもらいました。自分も、聴いて下さる方を、勇気づけ、元気づけ、癒すことができる歌手になりたい」と語り、万感の想いを込めての歌唱に、場内は聴き入った。
エンディングは、自身もプロジェクトに参加している東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」を観客と一緒に歌唱し、最後は「空だけはそこにある」をアンコール披露。
「35周年。不思議なくらい心が穏やかです。(若い頃にはあった)野心などがなくなったわけではありませんが、夢だけは持ち続けています。皆さんも、夢を持ち続けて、そして、一日一度は空を見上げて下さい。本日はありがとうございました」というメッセージで1日限りの2つのステージを締めくくった。
近年は、「むかし妖精、いま妖怪。涼風真世です」というお決まりの自虐的な自己紹介で笑いを取る涼風だが、この日のステージでも変わらぬ妖精ぶりをいかんなく発揮。そんな涼風のデビュー35周年を記念して、各方面の関係者から、お祝いメッセージが到着してる。
涼風真世
(*コンサートパンフレットより)
◆松井五郎(作詞家)コメント
涼風さんが宝塚に入団したのは1981年。実は、僕が作詞家としてのはじめての作品が世に出たのも同じ年。35年。スタートラインから見れば長い道も、ふりかえってみれば一瞬のようにも思える。
涼風さんは毎日撮った空をBlogにアップされている。その空はどれくらいあるのだろう。確かなことは、35年間、場所は別々でも、僕と涼風さんは同じ空の下にいた。その時々、色々な思いで見上げた空。そのことを歌にできないか。「空だけはそこにある」はそんな思いから生まれた。
作詞は「作る」というより、「生まれる」という感覚に近い。そこには必然や動機のようなものがなくてはならない。「なぜ」その歌は在るのか? 涼風さんは安全地帯も聴いてくれていた。玉置浩二と作った作品は僕にとってもキャリアの軸になる作品群である。カバーして頂いた「Friend」はそんな中の一曲。そして、新曲「眠りの果て」は久しぶりの松井-玉置作品だ。涼風さんとの出逢いで生まれた作品は、どれも35年という時間を渡り、それぞれの思いに導かれて生まれた歌に思えてならない。
◆山口祐一郎(俳優)コメント
35th Anniversary Album『Fairy』発売記念コンサート。涼風真世さん、お目出度うございます。
貴女がご挨拶の時に使う枕詞「昔、妖精。今、……」何故か、この科白の貴女の声に包まれると、パリ、オルセー美術館のクロード・モネ作『日傘を差す女』が心に浮かんで来ます。彼の「光」と貴女の「空」が互いに時空を越えて磁場を形成したからでしょうか。光のために輪郭を捧げた彼の描写に、貴女の純真さ、無邪気さ、そして崇高な清心の顕在を実感できるからでしょうか。
型を学び、勇気をもって型を破った先に、自由に緻密で知的な役柄を造形していく。こんな『妖精』と同じ舞台に立てるなんて……、嗚呼、私は、まことに果報者でございます。どうぞ、みな様方にも、このアルバムをお聴きになりながら、永遠の妖精、涼風真世さんの魅惑の世界をご堪能して頂ければ……、幸いです。
2016.12.28 銀座ヤマハホール
<昼の部>
01. 空だけはそこにある
02. Epilogue
03. あなたの帰る場所
04. 愛のかけら
05. 悪夢~旅立ち
06. 愛したことだけが
07. 最後のダンス
08. 言葉にできない
09. ミッドサマー・イブ
10. 夢人
11. やさしいキスをして
12. グランドホテルで
13. 不殺(ころさず)の誓い
14. 眠りの果て
15. 花は咲く
16. 空だけはそこにある
(ダブルアンコール: 不殺の誓い)
<夜の部>
01. 空だけはそこにある
02. 私だけに
03. 最後のダンス
04. 黒い翼
05. 悪魔の涙
06. 悪夢~旅立ち(共演:麻乃佳世)
07. パック誕生(共演:麻乃佳世)
08. 色彩のブルース(歌:麻乃佳世)
09. 愛あればこそ(共演:麻乃佳世)
10. 涙くんさよなら(共演:麻乃佳世)
11. ただ…逢いたくて
12. 不殺(ころさず)の誓い
13. Friend
14. 眠りの果て
15. LOVER’S GREEN
16. 花は咲く(共演:麻乃佳世)
17. 空だけはそこにある
2016年9月7日(水)発売
[生産限定盤] (CD+DVD) VIZL-1017 ¥6,000(+税)
涼風真世 生産限定盤
[通常盤] (CD1枚)VICL-64613 ¥3,000(+税)
涼風真世 通常盤
[CD収録内容](全12曲)
01. ミッドサマー・イブ (作詩:小池修一郎 作曲:松任谷由実) ※「PUCK」より
02. 涙くんさよなら (作詩・作曲:浜口庫之助) *オリジナル:坂本九
03. 空だけはそこにある (作詩:松井五郎 作曲:太田美知彦) ★新曲
04. ただ…逢いたくて (作詩:SHUN 作曲:Hitoshi Harukawa) *オリジナル:EXILE
05. Friend (作詩:松井五郎 作曲:玉置浩二) *オリジナル:安全地帯
06. グランドホテルで (作詩・作曲:Maury Yeston 訳詞:岩谷時子) ※「グランドホテル」より
07. 夢人 (作詩:草野 旦 作曲:寺田瀧雄) ※「ザ・レビュー」より
08. 不殺(ころさず)の誓い (作詩:小池修一郎 作曲:太田 健) ※宝塚歌劇団雪組公演「るろうに剣心」より
09. やさしいキスをして (作詩:吉田美和 作曲:中村正人) *オリジナル:DREAMS COME TRUE
10. ホワイト・アンド・ブルー (作詩:出﨑 統、津島健太 作曲:千住 明) ※NHKアニメ「雪の女王」挿入歌
11. 花は咲く (作詩:岩井俊二 作曲:菅野よう子) ※NHK「明日へ」東日本大震災復興支援ソング
12. 眠りの果て (作詩:松井五郎 作曲:玉置浩二) ★新曲
[限定盤DVD収録内容](約56分)
涼風真世&京フィル ドリームコンサート in 春秋座
指揮:牧村邦彦 演奏:京都フィルハーモニー室内合奏団
(2016年4月23日 京都芸術劇場 春秋座 にてライブ収録)
・我が名はオスカル(「ベルサイユのばら」より)
・悪魔の涙(「天使の微笑・悪魔の涙」より)
・愛!(「メモリーズ・オブ・ユー」より)
・グランドホテルで(「グランドホテル」より)
・レベッカ(「レベッカ」より)
・見上げてごらん夜の星を
・言葉にできない
・ミッドサマー・イブ(「PUCK」より)
・花は咲く
・<ボーナス映像> 花は咲く(Music Video)
[配信] (全12曲)
『Fairy』(フェアリー)』 配信中
・レコチョク: http://recochoku.jp/album/A1004808638/
・iTunes Store: https://itunes.apple.com/jp/album/id1146336159?app=itunes&ls=1
・mora: http://mora.jp/package/43000005/VICL-64613/
■配信情報
・レコチョク: http://recochoku.jp/artist/2000010975/
・iTunes Store: https://itunes.apple.com/jp/artist/id137300951?app=itunes&ls=1
・mora: http://mora.jp/artist/191474/all
他、LINE MUSIC、Apple Music、AWAなど主要定額制音楽ストリーミングサービスでも楽曲配信中