ロックテイストな新ビジュアルが解禁! ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ビジュアル撮影現場レポート【前編】

2017.1.13
レポート
舞台

ロミオ役:古川雄大

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1月15日の開幕が迫るミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。宝塚で4度、日本オリジナルバージョンが2度上演されている、フランス発の大人気ミュージカルだ。その魅力はシェイクスピアが描いた若者たちの悲恋の物語性、多彩なミュージカルナンバー、アクロバティックな激しいダンスなど盛りだくさん。今回は再々演ながら、新演出、新キャスト、新振付、新衣装、新装置……と何から何まで新しくなりさらに期待が膨らむ。

12月下旬に行われたビジュアル撮影の様子を、2回に分けてレポートする。


ロミオ役:古川雄大

古川雄大(ロミオ/Wキャスト)
ノーブルな美しさが随一の古川。新たな衣裳もすでに着こなしている印象だ。後ろで束ね、ハラリとこぼれ落ちるヘアスタイルがその美しさをさらに際立たせる。新たなロミオ衣裳はブルー。背中にはモンタギューの象徴であるドラゴンがデザインされている。好きな人に会う瞬間をイメージした、軽やかな表情から撮影がスタートすると、スタッフからため息がこぼれた。送られる賛辞に思わず照れ笑いする古川。とろけるような笑顔がはじけた。後半は退廃的な死をイメージする撮影へ。自分の内に入っていく姿からは、はじけて壊れてしまいそうな脆さ(もろさ)も感じ、古川の描く世界に吸い込まれていくような感覚だった。撮影の合間にダンス振りを思い起こしているのか、体を動かして振りを確認していた。寸暇を惜しんでロミオに取り組む姿を垣間みた。

ロミオ役:大野拓朗


ロミオ役:大野拓朗

大野拓朗(ロミオ/Wキャスト
金髪ヘアが新鮮な大野。ロミオの扮装になって、大野自身の心が躍っているのが伝わってくる。テスト撮影写真をみて、「宝塚の男役さんっぽい!」と大興奮。でも、ノリはロックということで、ロックスターのアーティスト写真のように撮ろうかと現場の意見が一致した。撮影がはじまるとロミオの世界にすっと入る。目線を落とした姿が憂えた雰囲気で惹き付けられた。カメラマンからギアをひとつあげようとの指示に、ぐっと力強くなっていく。内に秘めた強さがにじみ出る。そして、目線の先にジュリエットをイメージした撮影になると、恋するロミオが幸せそうにキラキラと輝いていた。その様子を見つめていたのはマーキューシオの姿になった平間。モニターを見て「これを見る人はみんなジュリエットの気持ちになりますね」と微笑んだ。

マーキューシオ役:平間壮一

マーキューシオ役:平間壮一

平間壮一(マーキューシオ/Wキャスト
先に撮影した小野の写真をみて撮影のイメージを聞き、「写真で狂気を表現するって難しいな……」と呟いた平間。撮影がはじまると、狂気、狂気と呟きながら探っていく。次第に目つきが変わってきた。静かに光る鋭い目が恐ろしい。すると、突然笑いはじめた平間。「稽古でも喧嘩のシーンになると笑ってしまう」という。振り切れてストッパーが外れたような、そんな状態だろうか。自分でも怖くなってきたというぐらい、ナイフのような鋭利な狂気が現場を支配していた。平間くんじゃないみたいだねという声があがるほど、新たな一面が見える。一転、親友ロミオを思い笑顔の撮影も。狂気をテーマに撮影しながらも、随所での平間らしい心遣いが現場を和ませていた。

マーキューシオ役:小野賢章

マーキューシオ役:小野賢章

小野賢章(マーキューシオ/Wキャスト
青いヘアが新鮮で、ロックスターのようなビジュアル。スタジオに入ってくると、その姿に歓声があがった。モンタギュー家チームの衣裳は、グリーンがベース使われている。迷彩色のロングコートで、後ろの左肩にはドクロがデザインされている。臨戦体勢で戦う男のイメージで撮影が進んで行く。マーキューシオは、ニヤリとした表情と、目力がキーワード。自分はすごく強くて挑発する感じでとのカメラマンのリクエストに、どんどんエネルギーが溢れていく。撮影中にスタジオに入ってきた大野が、「すげぇ! かっこいい!」と声をかける一幕も。ジャンプして撮影するカットでは、積極的にカッコいい飛び方を研究する。カメラマンの要求に楽しそうに応えて撮影する姿が印象的だった。

死のダンサー役:大貫勇輔

死のダンサー:大貫勇輔

大貫勇輔(死のダンサー/Wキャスト
現場に入ってきた大貫はすでに役をまとっていた。すると、「(BGMの)曲を変えてもいいですか?」と提案。死のダンサーを演じるために、持っていた静かなピアノのナンバーを掛け、撮影をはじめた。カメラマンから人じゃない感じでとリクエストされ、この日の撮影で唯一、常に動きながら撮影する。ひび割れたようなボディペイントを施した上半身の筋肉が、動きに併せてうねるようにゆったりと動いていく。大貫の作り出す世界に引き込まれるように、スタジオ中のスタッフが静かに見つめていた。撮影を終えた大野が「すごい……」と静かに呟いてスタジオを後にする。誰も踏み込んではいけない世界が広がっていた。ジャンプ撮影では、「面白いのをやってみていいですか?」と自ら提案。宙に浮いているようなカットに歓声が上がった。

キャピュレット夫人役:香寿たつき

キャピュレット夫人役:香寿たつき

香寿たつき(キャピュレット夫人)
深紅と黒の衣装に身を包んだ香寿が現れると、現場が一気に華やいだ。気品と威圧感をテーマに撮影がはじまった。にじみ出るオーラはさすが。大人の女性の色香が香り立つ。男性ならば貫禄を出してほしいとのカメラマンの例えに、「そうすると男役になっちゃう」と笑う。どう撮りたいのかを明確に聞き出し、一気に集中して撮影していく。撮影の間にはスタッフと朗らかに談笑し、その切り替えがさすがベテランだ。

ヴェローナ大公役:岸 祐二

ヴェローナ大公役:岸 祐二

祐二(ヴェローナ大公)
艶やかでボリューム感のある出で立ちで岸が現れた。堂々とした貫禄ある姿に感嘆の声が上がった。威厳と威圧感をテーマに撮影を開始。モンタギュー家とキャピュレット家の争いに対する怒りを、伸ばした手ひとつで表現する。ヴェローナの街を治める大公の迫力を、鋭い眼差しで一瞬のうちに表現する、さすが経験豊富な表現力と集中力だ。誰よりも短時間で撮影がUPし、あっという間にスタジオを後にした。


取材・文・撮影/岩村美佳

ビジュアル撮影現場レポート【後編】

公演情報
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

<東京公演>
日程:2017年1月15日(日)~2月14日(火)
会場:東京都 TBS赤坂ACTシアター
料金:S席13,000円/A席9,000円/B席5,000円[全席指定]
好評発売中

<大阪公演>
日程:2017年2月22日(水)~3月5日(日)
会場:大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
料金:S席13,000円/A席9,000円/B席5,000円[全席指定]
好評発売中

<スタッフ>
原作:W.シェイクスピア
作・音楽:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎

<キャスト>
ロミオ:古川雄大 / 大野拓朗 ※Wキャスト
ジュリエット:生田絵梨花(乃木坂46) / 木下晴香 ※Wキャスト
ベンヴォーリオ:馬場徹 / 矢崎広 ※Wキャスト
マーキューシオ:平間壮一 / 小野賢章 ※Wキャスト
ティボルト:渡辺大輔 / 広瀬友祐 ※Wキャスト
死のダンサー:大貫勇輔 / 宮尾俊太郎 ※Wキャスト
キャピュレット夫人:香寿たつき
乳母:シルビア・グラブ
神父:坂元健児
モンタギュー卿:阿部裕
モンタギュー夫人:秋園美緒
パリス:川久保拓司
大公:岸祐二
キャピュレット卿:岡幸二郎
ほか

 

 

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