【動画あり】〝競技ダンス″のトッププロが魅せる夢のダンスエンターテイメント第2弾『HOTEL DANCE WITH ME』
本年2月18日、品川区の「きゅりあん」大ホールで、競技ダンス(社交ダンス)のトッププロ選手が総出演する舞台『HOTEL DANCE WITH ME』が上演される。前作『DANCE WITH ME!!』の大成功を受けた待望の第2弾! その華麗にして優雅なステージを見逃すな!
文:森田康夫(月刊ダンスビュウ)
〝社交ダンス″と聞いて、皆さんはどのようなダンスシーンを思い浮かべるだろうか? 年老いたカップルがミラーボール煌めくフロアで踊っている姿、それとも、映画『Shall we ダンス?』(周防正行監督、1996年)でも描かれた、華やかな中にも人生の悲哀を感じる非日常的なシーンであろうか?
ところが、社交ダンスから派生した〝競技ダンス″の世界では、「競う」という人間の本能に強く訴えるスタイルを得たことで、極限まで自らの肉体を鍛え、ダンサーとしてのスキルを磨いたアスリートによるパフォーマンスが繰り広げられている。その究極の存在が、プロの競技ダンサーたちである。現在、日本では1,000組を超えるプロダンサーが存在し、日本武道館や幕張メッセといった数千人規模の会場でも競技会が開かれている。「武道館でダンス?」と思う方もいるかもしれないが、東京オリンピックの翌年(1965年)から今日まで、半世紀にわたって競技会が開かれ、多くの愛好家を熱狂させているのだ。
そんななか、一昨年2月に上演された舞台が、金光進陪(統一全日本ラテンチャンピオン)が脚本・振付・演出を担当し、トッププロが総出演を果たした『DANCE WITH ME!!』である。ダンスを通して成長していく少女の姿を描いたファンタジー作品だが、競技で培ったスキルを持ったアーティストたちが、競技ダンス(社交ダンス)の素晴らしさを広くアピールしようと一つの作品に結実させたものである。これには、プロダンサーたちの中に「ヒップホップなどに比べて、競技ダンスが若い世代に浸透していない」といったもどかしさがあったことに加え、近年、『ボールルームへようこそ』(月刊少年マガジン)、『背すじをピン!と』(週刊少年ジャンプ)といった競技ダンスを描いた漫画のヒット、TBSテレビ『金スマ』の社交ダンス企画が高視聴率を上げていたことで、この機会に〝本物の競技ダンス″を観てもらいたい、という思いが一つの作品に繋がったのだ。
『DANCE WITH ME!!』は2015年2月=四谷区民会館、3月=日本橋三井ホール、8月=さいたま芸術劇場、2016年2月=大阪・松下IMPホール、4月=まつもと市民芸術館(長野)と5公演が行なわれ、各地のダンサーを新メンバーに加えながら、全ての公演で満員御礼が出る大成功を収めた。
そして本年2月、大きな期待を込めて登場するのが新作『HOTEL DANCE WITH ME』である。今回も脚本・振付・演出は金光進陪。全てのコミュニケーションがダンスを通してなされるという摩訶不思議なホテルを舞台に、新人ポーターがダンスの上達と共に成長していく物語。主演の新人ポーター役には、トッププロの証であるA級選手になったばかりの若手・廣島悠仁を大抜擢、全日本チャンピオンにも輝いた庄司浩太・名美組、瀬古薫希・知愛組ら総勢20組のダンサーが、華麗なソロダンスと迫力の群舞で物語を紡いでゆく。
舞台で踊られるダンスは10種類。これは競技会で競われる10種目で、男女が身体を接したまま優雅に踊られるボールルーム5種目(ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ、ウインナーワルツ)と、男女が離れて激しいリズムを刻むラテンアメリカン5種目(ルンバ、チャチャチャ、サンバ、パソドブレ、ジャイブ)。優雅なワルツを、妖艶なタンゴを、そして時には激しいロックンロールの音楽でジャイブ……、まさに物語の盛り上がりとともにダンスと音楽が舞台を埋め尽くしていく。音楽は、前公演で演奏を担当したest brilliantsのリーダー、武本和大をミュージックディレクターに迎え、全編生演奏でダンスパフォーマンスとのコラボを展開する。
「競技ダンサーが全身全霊を懸けて踊る1曲は、400mを全力疾走するエネルギー量に相当する」と言われるように、現在のトップダンサーを、アスリートとしての資質を抜きに語ることはできない。しかし、総合演出の金光は、「アスリート的な部分を求めすぎてはいけない」と語っている。競技ダンスとは「美」を競うもので、速く走ること、高く跳ぶことが美の表現に繋がらなければ意味がない。しかもそれを男女二人のハーモニーで見せる。「心からダンスを愛し、パートナーと心を一つにしなければ、観る者を感動させることはできない」と…。はたして、日本を代表する競技ダンサーたちは、どのような美の世界を私たちに届けてくれるのだろうか。舞台の熱狂を通して、競技ダンスの今と、未来の姿に思いを馳せてみたい。
■会場:きゅりあん 8F 大ホール (東京都)
■日時:2017/2/18(土) 14:30/18:00(開場は各30分前)
■脚本・振付・演出:金光進陪
■出演ダンサー(予定/五十音順)
新垣幸三
石原正三・渋谷透子組
石原正敏・横山晴巳組
加治屋貴士・清水舞組
芝西将史
清水基允・丸市美幸組
庄司浩太・庄司名美組
進藤博信・奥原怜美組
鈴木奨太・森田舞夢組
関根チョーマ・沼田まな美組
瀬古薫希・瀬古知愛組
高木隆・高嶋聖美組
竹内大夢・曽又奈々組
中嶋秀樹・中嶋美喜組
西尾浩一・下田藍組
廣島悠仁・石渡ありさ組
増田大介・塚田真美組
松本光祐・松本希望組
三浦大輔・三浦美和子組
本池淳・武藤法子組
森脇健司・的場未恭組
他、世界を舞台に活躍する日本のトップダンサー達