i☆Ris・芹澤優が憧れの人と夢の共演 大成功となったバースデーライブをレポート
『Yu Serizawa Birthday Live ~Present Box~』2016.12.18（日）Zepp Diversity Tokyo
夜のZepp DiverCity（TOKYO）に集まるオーディエンスは、これから始まるバースデーライブに向けて着々と準備を進めていた。その理由は、声優とアイドルのハイブリッドユニット・i☆Risのメンバーである芹澤優が、お台場の地でソロライブを開催するからだ。記念すべき日に会場に集まったファンたちは、彼女のライブが早くも待ち遠しい様子。今回は昼と夜の二部構成でライブが行われ、彼女にとってはソロアーティストとしても新たな一歩を踏み出す日になったのかもしれない。昼公演の最後ではソロ活動も発表され、今後の活躍にますますの期待が高まっていた。そこで、彼女のライブがどのようなものだったのか、あらためて二部の模様を振り返ってみたい。
会場いっぱいに流れたSEに、芹澤優のステージに対する期待値が上昇した。ポップチューンのサウンドに、オーディエンスのボルテージが上がっていく。何よりも、彼女の誕生日を全力でお祝いしたい場内の空気感がヒシヒシと伝わってきた。そして開演時間となり、ステージに設置された舞台セットの上にアーティスト……いや、アイドル・芹澤優が姿を現し、バースデーライブがスタートする。
赤いドレス衣装を着て、頭に王冠を載せた芹澤が、オープニングナンバー「マジカル☆ラブ」を歌ってオーディエンスの前に登場。彼女の姿を見た途端に大盛り上がりを見せるフロアだったが、その中でもひと際楽しそうだったのは芹澤本人だった。スタンディングオベーションの観客に向かって歌声を奏でる芹澤からは、喜びが垣間見える。それはきっと、芹澤の夢でもあった“ソロライブ開催”の嬉しさが、フロアから見ている筆者にも伝わったからだ。「皆さん盛り上がっていきましょー！」と一声し、「絶対秘密主義!」「BRIGHTEST LOVE!」を連続で歌い上げ、場内の熱気を高めていく。間奏中に投げキッスをするなど、i☆Risとは一味違う芹澤の愛くるしい一面を見せてくれた。
もともと芹澤は声優とアイドルを目指していたこともあり、ステージで繰り広げるパフォーマンスにも磨きがかかっている。「行くよ！」「もっともっと！」とオーディエンスをあおる姿からは、アーティストとしての威厳が感じられた。i☆Risで培ってきた経験を、ソロの舞台でも活かしているのがはっきりとわかる。MCでは「ここにいる誰よりも芹澤が1番楽しみにしていました！」と、はじけるような笑顔で嬉しさをアピールした。
芹澤優のライブで注目してほしいポイント。それは歌詞のフレーズに合わせて感情を込めて歌う彼女の表情だ。i☆Risのライブでも感じていたが、芹澤は歌詞と自身の想いをリンクさせて歌声を響かせている。思わず見ている筆者も感情移入してしまうほどの表現に、驚きと感動が生まれた。ハイテンションな彼女だけれど、ステージに立つと別人のように変わると思ったのは筆者だけだろうか……。
それを踏まえたうえで、今回のライブではステージ上からオーディエンスを見る芹澤をピックアップしたい。2回目のMCに入ると、話が長くなるからと観客へ座ってもらうように促すなど、ライブを楽しむ人たちへ気遣う姿が目に留まった。筆者は仕事を通してではあるが、彼女のライブに3回ほど参加している。i☆Risのメンバーをふくめ、彼女たちはファンとの距離を大切に考えており、その意識を芹澤は忘れていなかった。自身初のソロライブでもファンを忘れず、明るいハツラツとしたステージを披露する。芹澤自身も「もしアニソン・ヴォーカルオーディションで合格者が私だけだったとしても、きっと今みたいに踊れなかったし、お客さんと一緒に楽しむこともわからないでライブをしていたと思います」と、4年間の活動に対する心境を明かした。今、彼女がソロライブのステージに立つことができたのは、きっと応援してくれるファンがいたからなのではないだろうか。
再びステージに戻ってライブの続きを見てみたい。先ほどの赤色のドレス衣装の上に黒色のコートをまとい「金糸雀」「Out Of Control！」を繰り出し、ロックナンバーを2曲続けて歌い上げた。凛々しい立ち居振る舞いにスポットライトが当てられ、重量感のある雰囲気が作り上げられる。可愛さとカッコ良さの二面性を兼ね備えた芹澤のステージングに、場内はヒートアップした。さらなる熱気を堪能できるかと思いきや、予想を超える驚きの光景が目の前に飛び込んでくる。
黒の衣装から一転、雪をイメージした衣装に着替えた芹澤はステージにセットされたキーボードの前に座り、中島美嘉の「雪の華」を弾き語った。意表を突いた演出に驚きを隠せない人も少なくなかったかもしれない。これまでのムードとはまた違う大人なバラードナンバーでオーディエンスを魅了した。会場いっぱいの拍手が鳴り響くが、「ちょっと間違えちゃった！」と地団駄を踏む芹澤からは負けず嫌いの性格が伺える。さらに「1人じゃないとできないことをやってみました」と、何事にも挑戦しようとする前向きな姿勢を見せた。そして多少の失敗も許さない芹澤だからこそ、ファンを引き付ける展開を広げられる。この先も成長した彼女がどんなステージを見せてくれるのか見ものだ。
バラードソングが終わり、ラストスパートへ突入し「イチズレシピ」「Sweet time Cooking magic~胸ペコなんです私って~」「ぷりっとぱ～ふぇくと」「New Future」と、『プリティーリズム・レインボーライブ』『プリパラ』『満月をさがして』など、芹澤演じるキャラクターソングやカバーソングを歌い切る。最後に歌った「New Future」では、オーディエンスもサビをシンガロングするなど、一体感のあるステージで締めくくった。
芹澤の去った会場に“優ちゃんコール”がさく裂し、アンコールへと進展する。黒ベースの衣装にチェンジした芹澤は、新曲「Voice for YOU!」を熱唱した。さらにスペシャルゲストで声優、アーティスト、女優などマルチに活動する平野綾が駆けつける。芹澤にとって、平野は声優を目指すキッカケとなった一人だ。あこがれの先輩と共演し、『涼宮ハルヒの憂鬱』オープニングテーマ「冒険でしょでしょ？」をコラボレーション。彼女にとって、いくつもの夢が一度に叶った瞬間だった。そしてラストナンバーは、芹澤が初めてエンディングテーマを担当した「レモネイドスキャンダル」を披露する。見事に自身初のソロライブを大成功で収め、幕を下ろした。
芹澤にとっては夢が詰まったバースデーライブとなった一日。i☆Risのメンバーとして、ソロアーティストとして、これからも歩みを止めずに一歩ずつ前へ進んでいくことを教えてくれたソロライブだった。芹澤優の良さは何事にもストレートで、気持ちに揺らぎがないことだと思う。その想いがあるからこそ、オーディエンスに“楽しさ”を届けることができるのかもしれない。今後もファンに対する思いやりを忘れず、もっと高みを目指して新しいステージを見せてくれると期待したい。
レポート・文＝野島亮佑 カメラマン＝HAJIME KAMIIISAKA
M1. マジカル☆ラブ
M2. 絶対秘密主義!
M3. BRIGHTEST LOVE!
M4. コトバ・デ・ダンシング
M5. Song For You!
M6. 金糸雀
M7. Out Of Control！
M8. 雪の華(弾き語り)
M9. imafinary
M10. Outshine
M11. イチズレシピ
M12. Sweet time Cooking magic
~胸ペコなんです私って~
M13. ぷりっとぱ～ふぇくと
M14. New Future
EN1. Voice for YOU!
EN2. 冒険でしょでしょ？
EN3. レモネイドスキャンダル
■ソロデビュー決定！2017年4月にミニアルバムリリース
田村ゆかりの楽曲を数多く手掛けてきた太田雅友氏（SCREEN mode）をプロデューサーに迎え制作され“i☆Ris”でもなく“声優”でもない等身大の“芹澤 優”をぎゅっと詰め込んだ新たな魅力を発見できる1枚。
※タイトルや収録楽曲など詳細は追って発表となります。
■芹澤 優1st写真集『君と』2017年2月10日発売決定
・芹澤 優1st写真集『君と』DVD付き通常版
2017年2月10日（金）発売
価格4000円+税 JAN：9784253110822
・芹澤 優1st写真集『君と』ゲーマーズ限定版
2017年2月10日（金）発売
価格：4630円（写真集：4000円、DVD：630円）＋税
仕様：ゲーマーズ限定版Ver.オフショットDVD付 JAN：2900011755846
発行発売：株式会社秋田書店(声優パラダイスR特別編集)
■サイン会イベントも開催決定
2017年2月12日(日)アニメイト渋谷店にて開催
※詳細は、公式にて後日発表予定
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