【山人音楽祭クイックレポ】G-FREAK FACTORY 意地と情熱、その歩みが導いた絶景フィナーレ
G-FREAK FACTORY
山人音楽祭2017 【赤城ステージ】 G-FREAK FACTORY
先に登場した原田季征(Gt)、吉橋伸之(Ba)、家坂清太郎(Dr)をはじめとしたバンドメンバーたちによるサイケなジャムから、茂木洋晃(Vo)が悠然と登場、口上を述べる……という出だしは、昨年の『山人音楽祭』はじめ、G-FREAK FACTORYのライブで何度も観たもの。が、曲が始まって照らされた場内の絶景、初めて観た。アリーナだけでなく弧を描くスタンド席の隅々に至るまで埋め尽くした1万2000人。昨年も相当なものだったが、今年は段違いだ。
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「ヤーマン」の掛け声と原田のギターを機にフロアが弾んだ「日はまだ高く」や、茂木がアリーナでクラウドスタンディング状態のまま歌い、叫んだ「Too oLD To Know」、「平和とは」「音楽とは」など尽きることない数多の問いとともに歌われたバラード「ダディ・ダーリン」などのアンセムが激情とともに放たれていく一方、ここ最近の楽曲がセットリスト上で大きな存在感を放っていたことも見逃せない。抑揚を極端に排したメロディと歌唱が三味線との斬新な融合を果たし、ダンサブルなグルーヴを増幅させた「REAL SIGN」や、ジャンルを超えロックミュージックとして普遍性を獲得した「風林花山」などは、20年が経過してなお進化する彼らの姿を見せつけてくれた。
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「こんな景色見たら、やめらんないよね」と来年以降を見据えた発言や、「信じられない光景をありがとう! ありがとう、山人!!」という素直な感謝に、観客たちが大喝采で応える。ラストはNAIKA MCとの2MCで届けた「KTKZ TO TAIYO」、今日の出演者がステージ上に勢揃いした「らしくあれと」で締めくくられた、今年の『山人音楽祭』。何より僕らの胸を打ったのは、地元・群馬および『山人音楽祭』に向けられた情熱だった。
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いくら言葉を尽くしても足りない、伝えきれないとばかりに声を枯らし叫び続けた茂木は、地元・群馬に立ち続ける自身を「お山の大将」としながらも、その山を日本で一番大きくすればいい、そうやって20年意地を張ってきたのが今なのだ、そう言った。そう。が早々に売り切れたことも、お客さんがトリまでほとんど帰らずに場内を埋めたことも、“上毛かるたコール&レスポンス”という無茶なローカルネタが成立してしまう空間ができていたことも、アンコールで無数のバックライトの光が揺れたことも、終演後に観客が口々に「楽しかった」と噛みしめていたことも、全てこれまでバンドとフェスが歩んだ歴史の上にある。
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茂木の言葉を借りれば、全てが「あるべくして今日ここにあるもの」であり、「これが、北関東オールドルーキー、地元群馬ローカルヤンキー、G-FREAK FACTORYだ!」。
そしてこれが、群馬が誇る『山人音楽祭』だ。
取材・文=風間大洋 撮影=HayachiN
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1. SOMATO
2. 日はまだ高く
3. REAL SIGN
4. 風林花山
5. Too oLD To Know
6. ダディ・ダーリン
7. EVEN
[ENCORE]
8. KTKZ TO TAIYO
9. らしくあれと