「斬劇『戦国BASARA』第六天魔王」お市役の高柳明音(SKE48)にインタビュー「プレッシャーをバネに“私のお市”を演じるだけ!」

インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム
2018.3.5
高柳明音

高柳明音

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2018年3月2日(金)よりAiiA 2.5 Theater Tokyoで幕を開ける斬劇『戦国BASARA』第六天魔王に、二代目・お市役として出演するSKE48の高柳明音。初の本格的な殺陣への挑戦となる舞台で自身の身長よりも長い薙刀を振り回し、戦国の世を駆ける。本作には、伊達政宗役の眞嶋秀斗、真田幸村役の松村龍之介、徳川家康役の中尾拳也、石田三成役の沖野晃司、猿飛佐助役の椎名鯛造、片倉小十郎役の井上正大ら殺陣&アクションに定評のある若手俳優が多数参加。さらに約2年ぶりの登場となる浅井長政役の桜田航成をはじめ、後藤又兵衛役の汐崎アイル、島左近役の斉藤秀翼、黒田官兵衛役の伊藤裕一ら斬劇『戦国BASARA』に欠かせないメンバーに加え、二代目・明智光秀役で瀬戸祐介が今回から登場する。織田信長役・唐橋充の存在感あふれる“魔王”はもちろん、新キャラクター・京極マリアを演じる元宝塚 雪組・大湖せしるの妖艶な芝居にも注目が集まる本作の見どころや稽古場エピソードについて、高柳に話を聞いた。

高柳明音

高柳明音

――最初に、出演が決まった時の気持ちから聞かせてください。

戦国BASARA』自体、昔から有名なゲームのタイトルですし、人気の高い舞台なのでお市役で出演が決まった時は少なからずプレッシャーがありました。出演が決まってから前作の「小田原征伐」を観劇させていただいたのですが、男性キャストが激しく斬り合う姿を見て「この中に私が入れるのかな?」とますます不安になりましたね(苦笑)。

――前回公演は女性キャストがひとりも出ていなかったこともあり、男性キャストは遠慮なく大暴れしていましたからね。そんな戦場(いくさば)に高柳さんが出演することを知ったファンは気が気ではなかっただろうなと。

ファンの方たちの中には、もともと舞台作品である斬劇『戦国BASARA』が好きという方もいて、「お市を演じると聞いてビックリしました」という反応がありました。私は今までの芝居でも“闇”をまとったキャラクターを演じたことがないので「新しい高柳明音が見られるのを楽しみにしています」と言っていただけたのは嬉しかったのですが、お市はゲームでも人気のキャラクターですし、初代・お市役の玉置成実さんが素晴らしかったというお話は各方面から聞いていたので、作品ファンの方々は「アイドルが演じるの? 大丈夫?」と不安に感じていると思います。でもその不安をいい意味で裏切りたいです!

高柳明音

高柳明音

――先に演じた方がいる限り、比べられてしまうのは仕方のないことだとしても、実際に幕が開いたら「なかなかやるじゃないか」とうならせたいですよね。

そうですね。プレッシャーもありますが、何より私自身もオタクのようなところがあって、原作ものの舞台を観に行くのが好きなんです。二次元から飛び出してきたようなキャラクターを目の前にした時の「これだ!」という感動を、私のお市にも感じていただきたい気持ちはすごくあります。出演が決まった時、初代・お市役の玉置さんがTwitterに「頑張ってね」と書き込みをしてくださって、さらに以前共演したSKE48メンバーを通じて「何かあったら連絡してね」というメッセージもいただけて、その言葉がとても心強かったです。

――演じるにあたって玉置さんのお市も研究したんでしょうか?

最初、私もそうした方がいいのかなと思ったんですけど、玉置さんが「“見本”として観てしまうと、それに似せようとしてしまう。私は私のお市だし、明音ちゃんは明音ちゃんのお市でいいと思うから、ゲームやアニメは見ても私の映像を観てマネしようと思わなくていいよ」と言ってくださったんです。なので過去公演の映像はあえて観ないようにしています。今は“私のお市”に近づくため、ひたすらアニメとゲームを見ながらボイスを聞いて、薙刀を振るって動きの研究をしています。

高柳明音

高柳明音

――ゲームファンとしては、ゲームと同じモーションが舞台上で再現されると「あの技をやってくれた!」と滾(たぎ)るものがあります。

私も「この動き、あのシーンに生かせるな」とアニメやゲームを見ながら感じますし、実際にそういうシーンも出て来るので、ご観劇くださる方は「あ、ここだ!」って見つけてくれたらうれしいです(笑)。

――ところで、お市と言えば常に夫の浅井長政が横に居るイメージなのですが、浅井長政役の桜田航成さんからは、どんな言葉をかけていただきましたか?

衣裳を着た私の姿を見て「うん、お市っぽい」と言ってくださいました。一番近くでお市を見てきた長政様役の桜田さんにそう言っていただけて嬉しかったし、見た目だけでなく中身もちゃんとお市にならなければと一層気持ちが引き締まりましたね。お市を演じるうえで「この言い回しは、お市だったらこうするんじゃないかな」とか「お市のシーンで参考になるかもしれないから」とDVDを貸してくださったり、桜田さんには本当に支えていただいてます。

――玉置さんが演じたお市の芝居からは、狂気と共に妖艶な雰囲気が感じられましたし、今回発表された高柳さんのお市のビジュアルからはひたむきさと儚さが感じられます。人それぞれ感じ方は異なると思いますが、どちらのお市も魅力的だと思います。

ありがとうございます。観劇してくださる方たちにも、そう言っていただけるように頑張ります。

高柳明音

高柳明音

――今回の舞台で殺陣に初挑戦しますが、稽古では苦戦されていますか?

去年の年末から共演の皆さんより一足早く個人稽古を始めているんですけど、まずは薙刀に慣れるところから始まって、1対1で敵を相手に戦って3人を相手にするところまで進歩しました。でも本稽古が始まったら一気に敵が7人くらいまで増えて「はわわわ~」という感じです(苦笑)。

――入れ代わり立ち代わり、四方八方から斬りかかって来るから怖いでしょう?

でも長政様が常に近くにいてくれる安心感と、アンサンブルの方が上手く斬られてくださるので、何とか「お市、強い!」「高柳、強い!」というふうに見せられていると思います。普段はダンスをやっているので、舞台上での立ち位置やフォーメーションを覚えるのは得意なんですけど、自分の身長より長い薙刀を人に当たらないように振り回しながらとなると本当に大変で……間違えた方向に振ってしまうと身体ごと持っていかれてしまうので戻すのも難しいし、「間違ってませ~ん」みたいな感じで誤魔化せもしないですから(笑)。でも、音楽が付いてカウントを取るようになったら、ある時から殺陣がスッと身体に入ってくるようになりました。

高柳明音

高柳明音

――演出のヨリコジュンさんについても伺いたいのですが、どんな印象の方ですか?

今回初めて一緒にお仕事をさせていただいたんですけど、「最初に自分のやりたいようにやってみていいよ」と言ってくださって、それを見たうえで「ここはこうしようか」と変更を加えたり、セリフも「こういう言い回しに変えても大丈夫ですか?」って聞くと「そこに意味があるなら大丈夫」と、役者の意見もくみ取って受け入れてくださる優しい方でした。元々あった台本から変わったシーンもけっこうあるんですけど、その場のインスピレーションを大事に、よりいい作品になるように柔軟に対応するところがステキだなって思いましたね。二幕にちょっと面白いシーンがあるんですけど、そういうネタ的なところはキャストが揃ってからみんなで作っていったんです。役者の意見を大事にしてくれるヨリコさんだからこそ出来たシーンなのかなとすごく思いました。ヨリコさんはもちろん、スタッフの方たちの“バサラ愛”もスゴイんですよ! 効果音担当の方は2人で10数人が戦っているシーンに音を付けているんです。刀の動きとバッチリ合っていて、動体視力がすごいなと感動しました。キャスト&スタッフ、この作品に関わる全ての人にリスペクトできる舞台だなって思います。

――今回も映像がたくさん使われるのでしょうか?

はい。本番では映像とのリンクが大事になると思いますが、今回のストーリー自体が“リンク”という言葉がカギになってくるので、そこも意識していただけるとより楽しめるんじゃないかと思います。本番まであと数日と迫り、まだまだ稽古で殺陣を突き詰めていきたい気持ちと、新鮮な気持ちのまま本番に臨みたい想いで胸がザワザワしていますが、ここまで来たらあとはもう流れに身を任せて、共演のみなさんとスタッフさんを信じて、しっかりと私のお市を舞台上で“生きる”だけだと思っています。お市はもちろん、各武将の勇姿を目に焼き付けに、ぜひ劇場にお越しいただきたいと思います!

――最後に、高柳さんが思う今回の舞台の見どころと、観劇を楽しみにしているみなさんへのメッセージをお願いします。

ネタバレになってしまうのであまり詳しく言えないですけど、『戦国BASARA』ファンは涙なくしては観られない作品になっています。ファンの方たちの“バサラ愛”に比べたら私なんてまだまだですけど、そんな私でも思わず「……尊い」という言葉が出てしまうようなシーンがたくさんあるので、ぜひ楽しみに劇場に来ていただけたらと思います。多分、1回観ただけじゃ「は?」「ほぉ~」「えぇっ!?」ってなると思いますが、そのシーンの“意味”が分かった瞬間に自分がプレイヤーになった気持ちになれるんじゃないかなって、すごく思いました。あ~、これ以上は言えない!(笑)

舞台写真 (C)斬劇「戦国BASARA」製作委員会 (C)曳野若菜

舞台写真 (C)斬劇「戦国BASARA」製作委員会 (C)曳野若菜

斬劇『戦国BASARA』第六天魔王は、3月2日(金)からAiiA 2.5 Theater Tokyoにて東京公演が開幕。その後、3月16日(金)から3月18日(日)まで森ノ宮ピロティホールにて大阪公演が上演される。特別イベント登壇者やゲスト武将が登壇するアフタートークの日程、そのほか公演に関する詳細は公式HPにてご確認を。


取材・文・写真=近藤明子

公演情報

斬劇『戦国BASARA』第六天魔王

《東京公演》
日程:2018年3月2日(金)~3月11日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo
《大阪公演》
日程:2018年3月16日(金)~3月18日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール

■構成・演出・映像:ヨリコジュン
■原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
■企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)、山本真(CAPCOM)
■出演者:眞嶋秀斗、松村龍之介、中尾拳也、沖野晃司/椎名鯛造、井上正大、瀬戸祐介/ 汐崎アイル/斉藤秀翼、桜田航成/高柳明音(SKE48)、大湖せしる/伊藤裕一/唐橋充

■公式HP:http://www.basara-st.com/
(C) CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
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