「談ス」第3弾が明日開幕、大植真太郎「リラックスした状態で走り続けられたら」
「談ス・シリーズ第三弾」ゲネプロの様子。
5月から6月にかけて上演される大植真太郎、森山未來、平原慎太郎による「談ス・シリーズ第三弾」が明日5月15日に開幕。それに先駆けて本日14日に囲み取材とゲネプロが東京・なかのZERO 小ホールにて行われた。
ゲネプロ前の囲み取材に姿を現した3人は、まず意気込みを述べる。平原は「前回からかなり時間も経って、久々に顔を合わせるので、できるだけ新鮮さを損なわないように、仲よくやっていきたいなと思います」と挨拶。大植は「意気込み……意気込みすぎちゃうと力んでしまうので」と笑顔を見せ、「とりあえずあまり意気込まないで、リラックスした状態で走り続けられたら」と語った。
森山は「『談ス・シリーズ』は2014年にふとしたきっかけから始まって、先月は『NUDE展』でもパフォーマンスさせていただいたりと、(このシリーズが)ここまで派生してきたのは素晴らしいことだと思っています」と感慨を述べる。さらに「明日から中野公演が始まり、17都市22公演という大変なスケジュールですけれども、いろいろな都市で上演されるうちに変容していき、変化や進化を繰り返しながら、東京で最終公演を行うまでにどうなっていくのか目撃していただけたら」と続けた。
本作は、テーマとして“境界線”を掲げている。大植は「境界線は、引いてしまえばそこに存在するものになる。でもそこがもし曖昧で、グレーになれば、もっと楽にコミュニケーションができるのではないか。ただ、そんなこと自体も(舞台を)観ているうちに忘れちゃうような、そういう作品になれば」と思いを明かした。
3人の関係性について平原は「三脚の脚みたいに、3人で作品を支えているのかな」と表現。さらに創作を重ねてきたことで「ものの作り方のテンポが上がっていて、僕の手に負えない部分がある」と構成を手がける大植が語ると、平原が「うん、速いね。特に未來は」と続け、森山は「そうかなあ」と返した。
初演時、本シリーズでは対話を通して創作していたことを踏まえ、今回もそのように取り組んでいるかと記者が質問すると、大植は「深い意味での共有や理解は難しい」と返答。平原はその大植の発言を踏まえつつ、「大植さんが言ったのは“もっと深い意味で”ということ。もちろんお互いの考えていることを共有しようとしていますし、稽古の時間がなくなるくらい理解し合おうと話し合っています。そういう意味では今回、やり取りがより活発になったと思います」と述べ、互いへの信頼を語った。
囲み取材後、一般の観客も交えてゲネプロが行われた。舞台上には白い小さなテーブル以外、ほとんど何も置かれていない。そこへバラバラと3人が現れ、森山と大植はそれぞれに身体を動かし、その様子を平原はテーブルに肘をついた姿勢で眺めている。やがて各々の動きが、ほかの誰かへと影響していき……。
本作には明確なストーリーはなく、テーマに沿った動きをするわけでもない。ただ3人は、身体が触れ合うように小さなやり取りを交わし、客席を含めた場の空気を作品に取り込みながらセッションを展開する。そして動きには熱が増し、3人が組んず解れつ絡み合う姿に観客は引き込まれていった。
公演は東京・中野を皮切りに5月から6月にかけて長野、新潟、埼玉、宮城、北海道、愛知、兵庫、徳島、岡山、広島、京都、大阪、福岡、静岡にて行われ、6月7日から11日には東京・よみうり大手町ホールでも上演される。
「談ス・シリーズ第三弾」
2018年5月15日(火)
東京都 なかのZERO 小ホール
2018年5月16日(水)
長野県 まつもと市民芸術館 実験劇場
2018年5月19日(土)
東京都 町田市民ホール
2018年5月20日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
2018年5月21日(月)
埼玉県 埼玉会館 大ホール
2018年5月22日(火)
宮城県 電力ホール
2018年5月24日(木)
北海道 わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
2018年5月26日(土)
愛知県 愛知県産業労働センター ウインクあいち 大ホール
2018年5月27日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2018年5月29日(火)
徳島県 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
2018年5月30日(水)
岡山県 岡山県天神山文化プラザ ホール
2018年5月31日(木)
広島県 JMSアステールプラザ 中ホール
2018年6月1日(金)
京都府 ロームシアター京都 サウスホール
2018年6月2日(土)
大阪府 ナレッジシアター
2018年6月4日(月)
福岡県 都久志会館
2018年6月6日(水)
静岡県 グランシップ 中ホール・大地
2018年6月7日(木)~11日(月)
東京都 よみうり大手町ホール
構成:大植真太郎
振付・出演:大植真太郎、森山未來、平原慎太郎