【DPF 2018 クイックレポ】COUNTRY YARD 晴天に砂塵舞うCHAOS STAGEがライブハウスに
COUNTRY YARD
DEAD POP FESTiVAL 2018【CHAOS STAGE】 COUNTRY YARD
2日目の折り返し地点に到達したこのタイミングで、CHAOS STAGEにはCOUNTRY YARDが登場。Keisaku “Sit” Matsu-ura(Vo/Ba)、Hayato Mochizuki(Vo/Gt)、Yu-ki Miyamoto(Gt/Cho) というメンバー3名にサポートドラマー・SAMBU(NAMBA69)が加わった編成だ。
「Orb」でスタートすると、そのまま「ここでやんなきゃいけないことなんて一個もねえ! ロックミュージックは自由!」(Keisaku)と「Alternative Hearts」へ突入。オーディエンスはガンガンと拳を上げ、クラウドサーフも頻発しているその光景は、砂埃が舞っている点を除いては、ライブハウスでのそれにほぼ近い。一方、Keisakuの澄んだボーカル、それを押し上げるHayatoとYu-kiの歌声はどこまでも飛んでいけそうで、青い空によく似合っていた。
タイムテーブルを見て、観客がお目当てのバンドに印をつける行為になぞらえて、「俺たちがどれだけ届けられるか、みんなにどれだけ伝えられるか、全部その場次第だ。マルも三角も四角も要らねえ」「今日は俺たちがバンドとしてもう一個カッコよくなれるチャンス!」と語るKeisaku。その気合いに応えるようにオーディエンスが大きな歌声を上げ、それに伴い、リズム隊の力強さが増してギターがギュインと唸り、Keisakuがマイクをスタンドごと引っ掴んでオーディエンスの方へ向け――と、曲数を重ねながら、互いに気持ちを交わしていく。
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ラストは「Don't Worry, We Can Recover」。階段をひとつずつ上がるようにキーの上がるサビが特徴的なこの曲は、暗がりから生まれる希望の象徴のよう。終盤には、SAMBUのおかげでステージに立てていることに触れながら、「次が見えるんだな、失敗しても。バンドマンもそう。失敗して、次はどうしたらいいんだろうって考えて。それでもまた失敗するかもしれないけどそうやって進んでいく」と語る場面もあったが、彼らが唄い続けてきたのはまさしくそういうことである。ライブハウス発・4ピースサウンドの泥臭い響きは、私たちの「今」をも真正面から肯定してくれた。
文=蜂須賀ちなみ 撮影=Yasumasa Handa
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