宝塚歌劇花組トップスター・明日海りおが、退団公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』で神秘的な存在感をみせる
三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』 撮影=田浦ボン
宝塚歌劇花組公演の三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』レヴューロマン『シャルム!』が8月23日(金)、兵庫県・宝塚大劇場で開幕した。
■三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』<作・演出/植田景子>
●青い薔薇の精と田園を愛する少女の運命的な出会い
同作は、比類なきカリスマ性を放つ花組トップスター、明日海りおの退団公演。作・演出を担当したのは、明日海を含む第89期生の初舞台『シニョール ドン・ファン』(2003年月組)も手がけた植田景子。
三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』 撮影=田浦ボン
物語の舞台は、19世紀半ばの大英帝国。同国は産業革命による経済発展を遂げ、ロンドンでは世界初の万国博覧会が大成功。科学の進歩によって生産された品々が次々と消費され、中でも異国からの珍しい植物は大ブームとなっていた。
そんなある日、植物研究家・ハーヴィー(柚香光)は、枯れ果てたウィングフィールドの屋敷の庭を訪れ、そこで「青い薔薇の精」を名乗る男・エリュ(明日海りお)と出会う。そして、かつてのこの屋敷に暮らしていた上流階級の娘・シャーロット(華優希)にまつわる話を知る。なぜこの場所の植物はすべて朽ちてしまったのか、そしてシャーロットはその後どのような運命をたどったのか。
三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』 撮影=田浦ボン
●花組トップスター・明日海りおの匂い立つような美しさ
明日海が演じたエリュは、自然界の掟に背いた罪で、闇と孤独の中に閉じ込められた青い薔薇の精。幻想的かつミステリアスなこのキャラクターを、「匂い立つような美しさ」で観客を魅了してきた明日海ならではの、神秘性あふれる唯一無二の存在感で表現。余韻にたっぷり浸らせる名演をみせている。
花組トップ娘役・華優希が扮したシャーロットは、純真な少女。薔薇の精の存在を信じ、エリュとの出会いによって新たな運命を歩み始めるが、やがて妖精たちとの関係に変化が生じる。想像力が豊かな彼女の成長を、華がのびのびと演じている。
三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』 撮影=田浦ボン
人々が現実だと信じている世界と、目に見えない異次元の世界を交錯させながら描き、「何を信じるか」というメッセージを観る者に投げかける。大人のためのほろ苦く、温かなオリジナル・ミュージカルだ。
◼️三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』<作・演出/稲葉太地>
●明日海りおが久々の軍服姿も披露、花組の世界観に陶酔
三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』の作・演出は、明日海が花組トップスターになって初のレビューとなった『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』(2015年)も担当した稲葉太地。
三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』 撮影=田浦ボン
花と光の都・パリの地下都市を舞台に、現代風にアレンジされた有名クラシック曲などにのせて、大人っぽいタンゴからコミカルなダンスまで花組の色とりどりの姿を堪能できる。また、明日海が久々の軍服姿を披露するなど衣装面も見どころ十分。タイトルにもなった言葉「シャルム」はフランス語で魅力、色香、魔法、呪文を意味するが、まさに明日海率いる花組の世界観に陶酔させられる。
三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』 撮影=田浦ボン
三井住友VISAカード シアターMusical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』、三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』は9月30日まで宝塚大劇場にて、東京宝塚劇場では10月18日から11月24日まで開催される。
取材・文=田辺ユウキ 撮影=田浦ボン
公演情報
三井住友VISAカード シアター
Musical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
作・演出/植田 景子
レヴューロマン『シャルム!』
<兵庫公演>
■日程:2019年8月23日(金)~ 9月30日(月)
■会場:宝塚大劇場(兵庫)
■日程:2019年10月18日(金)~ 11月24日(日)
■会場:東京宝塚劇場(東京)