世田谷文学館で展示中の小松左京のヴィオラが『小松左京音楽祭』に特別出張決定~オリジナルの音色にこだわる音楽祭

ニュース
音楽
クラシック
2019.11.25
小松左京(写真提供=イオ)、伊藤美香、メイソン&ハムリン社製のピアノ

小松左京(写真提供=イオ)、伊藤美香、メイソン&ハムリン社製のピアノ

画像を全て表示(4件)


2019年11月30日(土)に、成城学園 澤柳記念講堂で開催される小松左京音楽祭』(主催:小松左京音楽祭実行委員会、共催:スリーシェルズ)において、小松左京が実際に使っていたヴィオラの使用がこのほど明らかとなった。

小松左京音楽祭』は、SF作家・小松左京(1931年-2011年)の代表作『日本沈没』を原作とするラジオドラマ版、テレビドラマ版、映画版という3つのサウンドトラックを復元するほか、映画『さよならジュピター』(1984年)や映画『エスパイ』(1974年)、テレビドラマ『宇宙人ピピ』(1965年)の音楽を甦らせるなど、貴重な演奏の数々によって音楽面から小松ワールドを味わい尽くす奇跡のイベントだ。

特別ゲストに、歌謡界の超大物歌手・五木ひろし(テレビドラマ版『日本沈没』の主題歌・挿入歌を歌唱!)、そして日本フォーク界のレジェンドアーティスト・杉田二郎(映画『さよならジュピター劇中歌を歌唱!)を迎え、演奏をオーケストラ・トリプティーク(指揮:松井慶太)とプログレッシヴロックバンドの金属恵比須が務める。小松ファンなら、現在、世田谷文学館で開催中の小松左京展「D計画」(~12月22日)と併せて、絶対にスルーすることのできない要素がふんだんに詰まっている。

この音楽祭では、選曲、出演者などのこだわりもさることながら、演奏楽器へのこだわりも並大抵ではない。

「オリジナルの音」でステージを盛り上げる楽器たち

■小松左京の使っていた楽器を聴く!

小松左京は、若き日に高島忠夫らとバンドを組んでいた事も知られるが、実際に小松が演奏していた楽器「ヴィオラ」を聴くコーナーを設ける。現在、世田谷文学館で展示中の「ヴィオラ」であるが、世田谷文学館の協力により音楽祭のために特別に出張しての演奏となる。演奏をつとめるのは、オーケストラ・トリプティークの団長であり、気鋭のヴィオリストとして注目される伊藤美香(いとう・はるか)が担当する。小松左京が実際に使った楽器で、当時、小松が演奏していた楽曲を演奏。若き日に小松が演奏に使って以来、眠っていた楽器に耳を傾ける。約半世紀ぶりに音を奏でる小松左京のヴィオラを味わえる貴重な機会になるだろう。

伊藤美香

伊藤美香

■東宝スタジオ使われたオリジナルのピアノを使用

2018年、伝説のピアノの修復が完了して、澤柳記念講堂へ移設保存された。世界的に定評のある名器メイソン&ハムリン社製のピアノ(1900年製)だ。1957年に作曲家の伊福部昭が選定して東宝スタジオへ導入、佐藤勝ら、多くの作曲家が愛用した。もちろん多くの東宝映画の録音で使われている。音楽祭では、そのオリジナルの音で東宝特撮サウンドが聴けることとなる。このピアノの修復は、著名なピアニストやアーティストのレコーディングも手掛ける調律師の名取孝浩が担当した(当日の調律も名取が行う)。

■プログレバンド金属恵比須がこだわりのプログレ機材を使用

ラジオ版『日本沈没』や『宇宙人ピピ』で使われる、シンセサイザーのサウンドを再現するために、ヴィンテージ楽器と呼ばれるムーグ・シンセサイザーを2台投入。スペースエコーなどもアナログのオリジナル機材を誇らしげに使い、プログレ・バンドのこだわりのサウンドで原曲の再現を目指す。

オリジナルの楽器、オリジナルサウンドに耳を傾けて小松左京音楽祭を微に入り細に入り深~く楽しもうではないか

公演情報

オーケストラによる『小松左京音楽祭』


■日時:2019年11月30日(土)開演16:00(15時30分開場)終演18時30分
■会場:成城学園 澤柳記念講堂ホール(会場は学園内にあるため学園への入場は開演60分前か)
東京都世田谷区成城6-1-20(小田急線成城学園前駅中央北口)
料金:一般 ¥5,000 (税込)、大学・専門学生 ¥3,000 (税込)、中・高校生 ¥2,000 (税込)
■問合せ:070-5464-5060
 
■予定演目:
・五木ひろし歌唱による「明日の愛」「小鳥」
・杉田二郎歌唱による「さよならジュピター」
・伊福部昭(作曲) 映画「ゴジラ」より
---以下、すべて小松左京原作のラジオ、テレビ、映画作品より---
・冨田勲(作曲) テレビドラマ「宇宙人ピピ」主題歌(メロオケ)
・京建輔(作曲) 映画「エスパイ」より
1.東宝マーク 2.ヨーロッパ国際特急 3.見知らぬ国へ(復元:吉原一憲)
・羽田健太郎(作曲)映画「さよならジュピター」
・田中正史(作曲)ラジオドラマ「日本沈没」より(復元:吉原一憲)
・佐藤勝(作曲)映画「日本沈没」より(組曲構成:樋口真嗣、樋口尚文、西耕一/復元:吉原一憲)
東宝マーク~日本列島~「日本沈没」 テーマII~渡老人~「日本沈没」 テーマI~
東京壊滅II~D2計画II~小野寺の叫び~沈み行く日本II~エンディング
・広瀬健次郎(作曲) TVドラマ「日本沈没」より(組曲構成:樋口真嗣/復元:今堀拓也)
アヴァンティトル~主題歌「明日の愛」TVサイズ(メロオケ)~明日の愛 テーマアレンジ~愛のテーマ~~友情(田所のテーマ)~アイキャッチ~異変~災害~避難作戦~脱出~危機一髪~安堵~悲しみ~小鳥(フルート ソロ)~小鳥(メロオケ)
 
■指揮:松井慶太 コンサートマスター:三宅政弘
■演奏:オーケストラ・トリプティーク、金属恵比須
■主催 小松左京音楽祭実行委員会、共催:スリーシェルズ
■協力 世田谷文学館 後援 世田谷区(予定)
 
■公式サイト:https://www.3s-cd.net/2019-11-30/

イベント情報

小松左京展―D計画―
 


■日程:2019年10月12日(土)~12月22日(日)
[休館日]毎週月曜
※ただし月曜が祝日の場合は開館し、翌平日休館
■会場:世田谷文学館 2階展示室
■料金:
一般=800(640)円
65歳以上、高校・大学生=600(480)円
小・中学生=300(240)円
障害者手帳をお持ちの方=400(320)円(但し大学生以下は無料)
※( )内は20名以上の団体料金
※10月18日(金)は65歳以上無料
※「せたがやアーツカード」割引あり
※障害者手帳をお持ちの方の介添者(1名まで)は無料
※クレジットカードは使用できません

■主催:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
■特別協力:小松左京ライブラリ
■協力:イオ、大阪芸術大学、日本SF作家クラブ
■後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
■公式サイト:https://www.setabun.or.jp/

シェア / 保存先を選択