音楽劇『星の王子さま』東京公演の初日開幕 昆夏美、伊礼彼方らのコメントが公開
左・昆夏美 右・伊礼彼方 撮影:刑部アツシ
2020年2月8日(土)東京芸術劇場シアターイーストにおいて、音楽劇『星の王子さま』が東京公演の初日を迎えた。初日開幕直前に公開ゲネプロが行われ、王子さま役で主演の昆夏美、飛行士役の伊礼彼方、さらに脚本・演出の青木豪からコメントが寄せられた。
2016年1月以来の再演となった本作だが、昆夏美を筆頭に高い歌唱力を誇るキャストたちが揃い、中でもメインは飛行士役の伊礼彼方は廣川三憲と共に複数の多彩なキャラクターを演じ分けるなど、見どころも豊富な作品となっている。舞台のピアノ演奏のほかに、薔薇の役も担うピアニスト松木詩奈、笠松泰洋作曲による音楽も素晴らしく、脚本・演出の青木豪によって音楽劇の形で創出された新たな『星の王子さま』の世界が再び東京と兵庫で展開される。
昆夏美 撮影:刑部アツシ
昆夏美 撮影:刑部アツシ
伊礼彼方 撮影:刑部アツシ
【脚本・演出:青木豪コメント】
4年前にこの音楽劇を初演して、多くのお客様からご好評をいただき、キャストスタッフ共に再演を望んできた作品です。ようやく再演の運びとなり、たいへん嬉しく思っています。
名作というものは大抵どうしても解けない謎を孕んでいるもので、その謎は解けないことがわかっているのに、なぜかとても魅力的で、今回の稽古場でも台本を読み、原作のページをめくっては「実はこういう意味なんじゃないか」という議論を重ねました。解答が出ることよりも、謎について皆で話し合うことが楽しく、それが「星の王子さま」が名作たる由縁なのではないか、とも思います。初演より深化した音楽劇 『星の王子さま』をぜひお楽しみください。
【王子さま役:昆夏美コメント】
読む年代や環境によって感じ方が変わる書物はたくさんあると思いますが、「星の王子さま」は、その代表と言っても過言ではないと思います。私は初演の際は作品をお客様に伝えることに必死でした。今回は存分に話し合いながらお稽古をした再演です。
私が王子さまを演じるときに大事にしているのは「自分の大切な人や場所はなにか」ということを、作品を通してお客様に感じていただくこと。そのために王子さまの旅の物語をきちんとお客様に伝えたい。観終わったあと、自分にとって大切な人や場所に思いを馳せて、温かい気持ちになっていただけたらうれしいです。
【飛行士役ほか:伊礼彼方コメント】
穏やかで温かい時間が感じられ、終演するとまた作品に帰りたいと思わせる僕にとって特別な作品です。
大切なものを失うという経験をしたにもかかわらず、日常に戻ると飛行士は大切な人とギクシャクしてしまう、変われなくて譲れない、そうしたどうしようもないところがあるからこそ人間なのだと思わせる大人のための作品です。
稽古の際に初演では気づかなかった疑問に気づき、稽古場にいる全員で作品を深めたと思います。
音楽と作品世界を是非お楽しみください。