舞台『ボーイズ・イン・ザ・バンド ~真夜中のパーティー~』製作発表 安田顕の“ヤスケン伝説”が次々と暴かれる!?
(前列左から)浅利陽介、大谷亮平、安田顕、鈴木浩介、渡部豪太(後列左から)川久保拓司、太田基裕、馬場徹、富田健太郎
安田顕が主演を務める、舞台『ボーイズ・イン・ザ・バンド ~真夜中のパーティー~』の製作発表が2020年2月22日(土)、都内にて行われ、安田のほか、馬場徹、川久保拓司、富田健太郎、浅利陽介、太田基裕、渡部豪太、大谷亮平、鈴木浩介が上演台本・演出を務める白井晃と共に出席した。
本作は1968年にオフ・ブロードウェイにて初演され、以降1000回を超える上演を重ねてきた傑作会話劇。真夏のニューヨークを舞台に、ゲイの友人たちによる一夜の誕生パーティーでの出来事を通してLGBTの人々を取り巻く社会の現実やそれぞれのアイデンティティ、愛憎などを真正面から描いている。2018年にリバイバル上演されると翌年のトニー賞で演劇リバイバル作品賞を受賞した。
日本でも1983年以降数多くのカンパニーによって上演され続けてきたが、今回の公演では新たな訳と白井による新演出によって新しい作品として生まれ変わる事となる。
白井晃
会見冒頭の挨拶で白井は「50年前に書かれた感情と今では大きく変わっていることもありますが、相変わらず変わっていないものもあるのでは」とコメントし「その部分を描ければ」と語った。白井は「この作品の中にはまだAIDSというものが出てきてないんです。この作品が世に出た後、AIDSが生まれ、LGBTの世界に生きる人々がもっと多く報じられるようになり、共生共有していこう、という社会になってきた。でもどこかで動物の本能的に自分を守りたいと思う気持ちがあり、LGBTの人たちを厄介な存在として見ているのではないかと。この作品で見せたいのはパーティーの中でなく外の社会なんです」と作品が持つテーマについて語っていた。
安田顕
主人公マイケル役の安田は「2020年のオリンピックイヤーの夏を、白井さんの演出のもと、このキャストの皆さんと共に過ごしたいと思います。人生の中で思い出に残る夏になるように精いっぱい務めたいです」と気合を入れる。
馬場徹
マイケルの恋人ドナルド役を務める馬場は「この作品を今やる意味を模索しながらすばらしい作品にしていきたい」と思いを述べていた。
川久保拓司
川久保が演じるのは真面目な数学教師のハンク役。「この豪華メンバーで芝居をやらせていただけることにワクワクしています。オリンピックより熱い空間を味わいたい」と笑顔を見せる。
富田健太郎
誕生パーティーのプレゼントとして派遣されてくる男娼のカウボーイ役を演じる富田は「僕個人の夢でもあるシアターコクーンに立つというのが感慨深いです。この素晴らしい先輩たちと夏を駆け抜けたい」と意気込んだ。
浅利陽介
インテリアデザイナーのエモリー役を務める浅利は「コロナウイルスの影響がある中、お集りいただきありがとうございます」と取材陣をねぎらいつつ「LGBTの方だけじゃなく、そうでない人が生きづらさをどういうところで感じているのかな、そこが両者の共通点だと思うので、観に来てくださったお客様にそんなテーマを伝え、本作が生きる糧になれば」と力を込める。
太田基裕
ファッションカメラマン・ラリー役の太田は「初めましてのキャスト、スタッフの方ばかり。そのなかで作品の一部になれれば」と喜びを言葉にする。
渡部豪太
アフリカ系アメリカ人のバーナード役を務める渡部は「小さい時からアメリカ人になりたいと思っていたらついにアメリカ人の役がきてすごく嬉しいです」と何故か隣に座る鈴木に訴えるように話す。「今もアメリカ人になりたいです。今日は頑張って英語で喋りたい」とさらに鈴木にロックオンしたまま話を続けると「なんで僕に向かってしゃべってるの?」と鈴木からツッコミが入り、一同大笑い。
「何で僕に向かって喋ってんの?」と渡部さんに突っ込む鈴木さん
大谷亮平
メンバー内では唯一のストレート、アラン役の大谷は、「台本の初稿を読ませていただき、めちゃくちゃ面白かった。同時に会話の内容が凄く衝撃的で、自分にとって今回大きなチャレンジになる」と前を向く。
鈴木浩介
そしてこの夜のパーティーの主役・ハロルド役を演じる鈴木は「白井さんのもと、安田さんを中心に素晴らしい作品を作っていきたい。皆の足を引っ張らないように頑張りたい」と語った。
質疑応答では、安田に今回初めて白井の演出を受けることについて心境を問われると「とにかくお稽古がすごく大好きな先輩と伺っております」と、ちらちら白井に視線を送りながら答える。「ビシビシとご指導をいただければ(笑)」と語る。そして「先ほど僕らの宣伝用の写真を撮影する大会が行われまして……? ん、大会? 『ドキッ!男だらけの撮影大会』!?」と昭和の懐かしいネタを繰り出すと渡部が大笑い。その後安田は白井からの撮影指示がスピーディーに終わったと語り、「お稽古中の演出もそれくらいにしていただけたら」とリクエスト。これには白井もほんのりニヤリ。「……あんまり笑っていらっしゃらない」とさらに安田が困ったように突っ込んでいた。
来世の伴侶が決まった瞬間(笑)
男として男に惚れた、というエピソードがあるかという質問をしたところ、川久保が「僕は安田顕さまに惚れたと思ったことがある」と口火を切る。「何回か(安田と)舞台で共演させていただき、舞台上ではストイックな部分を見て、台詞の入り方などずば抜けて素晴らしく」とリスペクトをしたものの「お酒が入ると、だらしないというかどうしようもない」と“ヤスケン伝説”を紐解く。その話を受けて安田は「福岡で舞台をして終わってから屋台で飲んでいて、アハハハと屋台の柱によっかかったら屋台ごとつぶれちゃいまして」と残念エピソードを披露し、登壇者も取材陣も大笑い。すると安田と共演歴のある鈴木が「安田さんと飲んでいても、絶対に『ノー』と言わない安田さんに惚れるなあと。来世では結婚しようと思います」と笑いを誘う。すると安田も「同じ墓に入ってください」とさらに笑いを取っていた。
一方、大谷も「安田さんはお酒を飲むと漢気が増して凄くカッコいいんですが、鈴木さんも……」と語り出す。「ドラマで共演した時に(お酒を飲み過ぎて)苦しまれてる場面を何度か見たんですが、本番はバシッと決めていた。直前まで休まれていたのに、オンとオフの切り替えがすごいなと思った」と暴露。安田は「とりあえず、アレですね。白井さん、(稽古中は)禁酒にしましょう」と提案しながら大笑いしていた。
安田さんと鈴木さんのトークで皆大笑いの1時間でした!
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
公式サイト: https://www.bib-stage.jp