中井智彦が『シラノ・ド・ベルジュラック』を熱く語る 試写会付トークショー『J WAVE J me SPECIAL PREVIEW 「シラノ・ド・ベルジュラック」』開催

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2020.2.26
(左から)サッシャ、中井智彦

(左から)サッシャ、中井智彦

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2020年3月13日(金)より、松竹ブロードウェイシネマ第四弾として『シラノ・ド・ベルジュラック』が公開される。これに先立ち、2月25日(火)に試写会付きのトークショー『J WAVE J me SPECIAL PREVIEW 「シラノ・ド・ベルジュラック 」』が開催された。

トークショーには、ミュージカルの舞台で活躍し、J WAVE「STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL」のナビゲーターを務める中井智彦が登壇、MC はJ WAVE ナビゲーターで、『シラノ・ド・ベルジュラック』予告編のナレーションを担当したサッシャが行った。

MCのサッシャの呼び込みで中井が入場すると、盛大な拍手が沸き起こった。二人は初対面だったが、事前の打ち合わせですっかり意気投合し、登場からなごやかな雰囲気でトークショーが始まった。

サッシャから作品の感想を問われると、中井は「最終的に涙で前が見えなくなった。眼鏡をはずして、ふいてというのを何度繰り返しても、涙が止まらなかった。そして、ケヴィン・クラインは憧れの俳優で、名演に心を打たれた 」と答えた。また本作品は 2007 年のものであるが、どう思うかと聞かれたところ、「実は昨日ロンドンから帰ってきたばかりだが、その時のキャスティングでなければ、成立しない舞台というのがある。デヴィッド・ルヴォー演出で、ケヴィン・クラインジェニファー・ガーナーダニエル・サンジャタという2007 年のこの時でしか成立しない舞台。この舞台の映像化で、最高のものが観られる。」と絶賛した。

ケヴィン・クラインの演技について質問がなされると、「僕はオペラ座の怪人で 500 回以上ラウルという役を演じていた。どれ一つとして同じものはない。脚本の中に生き方が載っていると思っています。ケヴィン・クラインはシラノという役を抱きしめている。」 と語った。

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

サッシャが作品について「言葉の海に、放り込まれたみたいに寄せてくる波が次から次へとやってくるようだ」と話すと、中井は「ストレートプレイだから、言葉の波に溺れる幸福感を感じます。コンプレックスのある人間は少なくないが、そのコンプレックスを知的な言葉で埋め尽くす。これもキャスティングの妙で、イケメンなら美しい言葉はいらないが、この物語は、コンプレックスあっての美しい言葉が生きる。」と答えた。

また中井は、ジェニファー・ガーナーが演じたロクサーヌやクリスチャンを演じたダニエル・サンジャタの演技にも注目。ロクサーヌは美しさを兼ね備えて理想を追い求める女性を、クリスチャンはイケメンで、いかに頭が足りないように演じることで、さらにシラノを魅力的に魅せていると舞台人の中井ならではの発言も飛び出した。

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

『シラノ・ド・ベルジュラック』より (C)Carol Rosseg

シラノについては、「美しい女性ロクサーヌは、理想を求め続け、それにシラノはさらに美しい言葉で毎日をうめつくしてくれる、なんて素敵なんだ」と、うっとりした表情を見せる場面もあった。

また『松竹ブロードウェイシネマシリーズ』で好きな作品を問われると「『42ndストリート』がとても観たかったのだが、地方公演で観られなかった。しかしブロードウェイシネマは英語が苦手な僕でも日本語字幕で楽しく観られることに感激です。今回この作品を通して、『松竹ブロードウェイシネマ』を知ることができてよかった」と答えた。

俳優として『レ・ミゼラブル』や『オペラ座の怪人』といった数々の歴史ある舞台に立つというのは、どんな心境かという質問におよぶと「劇団四季時代に浅利慶太さんから言われたのは、その役を最大限に吸収して、その後、全部捨てろ、と。演じるのでなくてその人になる、役を生きる。」と答えた。

サッシャが「その役として演じるから、同じセリフが繰り返されるのではなく、怒りや喜びは毎回違ってくるのですか?」との質問に中井は「そこが、舞台の面白さ」と力強く語り、舞台の面白さを『シラノ・ド・ベルジュラック』が推してくれているとも話していた。

最後に中井は、「役者の観たいクローズアップした表情も観られるし、舞台は全体を見ることができるのが楽しみのひとつだが、自分の観たいところでカット割りをしてくれると自然に引き込まれる。そしてストレートプレイで音楽があまりないが、演技を際立たせる手法として効果的に使われている点にも注目してほしい。(『シラノ・ド・ベルジュラック』のように)こんなに芝居の面白さを感じることのできる作品はない。2007年の、この時でしか実現しえなかった舞台を存分に感じていただければと思います」と来場者にメッセージを送り、温かい拍手に包まれて、イベントは終了した。

中井智彦(なかい ともひこ)プロフィール

中井智彦

中井智彦

東京芸術大学卒。卒業時に同声会賞を受賞。
2007年ミュージカル「レ・ミゼラブル」でデビュー。艶のあるバリトンボイスを持ち味に、圧倒的な表現力と歌唱力で、ミュージカルやライブを中心に活動中。2010年から5年間、劇団四季に所属。「美女と野獣」(野獣役)と「オペラ座の怪人(ラウル役)はそれぞれ約500ステージをつとめる。

劇団四季退団後、自ら企画/構成/演出/作曲を手がける独り舞台「詩人・中原中也の世界」を発表。ミュージカル・舞台に加え、制作・コンサート活動も精力的に行う。サラブライトマン日本ツアーにバックコーラスとして参加。テレビ東京系「THEカラオケ★バトル」出演。

CDは1stCD「私の歌を聴いてくれ」(サウンドプロデュース:シングライクトーキング西村智彦)/CD&BOOK「詩人・中原中也の世界-在りし日の歌-」/ライブ録音CD「愛せぬならば」「ひそかな夢」「見果てぬ夢」がある。

FRIDAY 22:30-23:00
「STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL​」
※J-WAVEホームページより

サッシャ

サッシャ

サッシャ

ドイツ・フランクフルト出身。日本語、ドイツ語、英語のトライリンガル。ドイツ人の父と日本人の母の間にドイツで生まれ、小学校4年生の時に日本に移住。
FMラジオ局J-WAVE「STEP ONE」ナビゲーター、日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」ナビゲーター。
また、スポーツ実況アナウンサーとしてモータースポーツ、自転車レース、J.League、バスケットボールそしてヨットレースなどを担当。


MONDAY-THURSDAY 09:00-13:00
「STEP ONE」
インターネットラジオ
「Music Hyper Market」
※J-WAVEホームページより

上映情報

『シラノ・ド・ベルジュラック』
2020年3月13日(金)より 東劇他全国順次公開
 
■演出:デヴィッド・ルヴォー
■原作:エドモン・ロスタン
■翻訳・脚色:アントニー・バージェス
■出演:ケヴィン・クライン
ジェニファー・ガーナー ダニエル・サンジャタ
〈米国 / ビスタサイズ /141 分 /5.1ch 〉 日本語字幕スーパー版
 
■松竹ブロードウェイシネマ公式アカウント
 
■『シラノ・ド・ベルジュラック』予告編: https://youtu.be/vTT8Oy5gIbM
■配給:松竹
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