NEWS加藤シゲアキ、自身の短編小説『染色』で舞台脚本に挑戦 主演は正門良規(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)
(左から)加藤シゲアキ、正門良規(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)
2020年6月4日(木)~21日(日)東京・東京グローブ座、6月25日(木)~28日(日)大阪・エブノ泉の森ホールにて、NEWSの加藤シゲアキが2015年に上梓した短編集の一編を舞台化する『染、色』が上演されることが決定した。
2015年に出版された、加藤の短編小説集『傘をもたない蟻たちは』(KADOKAWA/角川文庫刊)に収録された『染色』は、美大生のリアルな日常と葛藤を描く青春小説。
主人公・市村(正門良規)は周りに才能を認められ、彼女もいて、何不自由なく過ごす美大生。同時に、そんな毎日を退屈に感じながら日々を送っている。ある日、壁にグラフィティアートを落書きする謎の女性・美優と出会うと、彼女の不思議な魅力に魅せられた市村は、彼女と一緒に行動するようになり、退屈だった日常に変化が訪れていく……。
美大生特有の葛藤を描いた原作は、加藤自身が知人から美大に関する情報収集をすることで、美大生の現実が如実に描かれていると話題となった。
そんな本作を著者である加藤が、初の舞台脚本に挑戦する。加藤は作家としていくつもの作品を生み出し、自著の映画化・ドラマ化もされてきたが、舞台化&脚本は自身初の試みとなる。
主演を務めるのは19年に結成された関西ジャニーズJr.のユニット“Aぇ! group”のメンバーで、ドラマや映画にも出演する正門良規。「映画 少年たち」やドラマ「恋の病と野郎組」などにも出演し、ドラマ「スカーレット」ではヒロイン喜美子の妹・直子の恋人である鮫島を好演したことで注目を集めた。19年に『僕らAぇ! groupって言いますねん』でグループ単独初主演を果たした正門が、本作で自分の才能と葛藤する等身大の美大生を演じる。
そして演出は、『埒もなく汚れなく』、『夜、ナク、鳥』、『わたし、と戦争』等、現代の問題を描き続けてきた瀬戸山美咲が務める。彼女は自身が作・演出を担当する劇団「ミナモザ」での公演だけにとどまらず、「アズミ・ハルコは行方不明」、「リバーズ・エッジ」などの映画脚本や、舞台の外部公演では、昨年演出した『THE NETHER』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。さらに第70回芸術選奨文部科学大臣賞新人賞も受賞するなど活躍目覚ましい演出家だ。本作ではクリエイターとなる加藤と共に、“才能”という壁に向きあう若きアーティストたちの生々しい葛藤と日常を鮮やかに演出する。
加藤は、主演舞台『グリーンマイル』(17)で演出×主演としてタッグを組んだ演出家・瀬戸山と、今度は演出×脚本としてタッグを組み直し、自身の作品の世界と可能性を広げていく。
原作・脚本:加藤シゲアキ コメント
「加藤さんの作品をどれか舞台化しませんか?」スタッフからそう相談されたのが始まりでした。
そのとき僕の頭に浮かんだのは、『傘をもたない蟻たちは』という短編集の冒頭に収められた『染色』という作品でした。
自分自身が今作を舞台で観たいと思ったのです。
「でしたら加藤さん、戯曲を書きませんか」スタッフから次にそう言われました。
仕事がいくつか重なっている時期だったのでお断りしようと思ったのですが、ふと脳内に戯曲化された『染色』が広がりました。そしてその内容は原作とは少し違ったストーリーでした。
妖艶な気配はそのままに、美大生たちが織りなす群像劇。これは自分にしかできないのではないか。
原作者だからこそ、大胆に変更することが可能なのではないか。そう思い直し、この話をお受けすることにしました。
とはいえ原作とは異なる内容に、同名のタイトルを付けていいのか。試行錯誤した揚げ句、『染、色』という形で、読点を加えることにしました。
『染色』であり『染色』ではない。そんな不思議な戯曲をお届けできたらと思い、目下NEWSのライブの準備と合わせて執筆中でございます。舞台でしか表出させることのできない僕の世界を、ぜひ楽しんでください。
演出:瀬戸山美咲 コメント
このたび、ご縁がつながり、加藤シゲアキさんの初劇作を演出させていただくことになりました。青春時代特有の危うさ、美しさに満ちた『染色』という短編小説が、新たな戯曲『染、色』として生まれ変わります。何者かになりたい、でも、それが何かもわからない。そんな普遍的な若者の魂の彷徨を描いたこの作品の主人公に、フレッシュさとまっすぐさを持ち合わせた正門良規さんはぴったりだと思います。今の正門さんだけが発することができる光のようなものを引き出せたらいいなと思っています。
主演:正門良規 コメント
主演舞台をこんなにも早く、そして、加藤シゲアキくんの作品で務められるという事がとても光栄です。
役者としての経験も少なく、お芝居もまだまだ未熟で不安もありますが、主演として役と向き合えることに心から喜びを感じています。市村と美優の出会いが物語にどういう影響を与え、どのような変化をもたらしていくのか、原作ファンの方はもちろん、はじめて物語に触れられる方にも、舞台『染、色』の世界を楽しんで頂けるように精一杯頑張ります。