池袋でフレッシュな音楽とダンスを楽しむ「サラダ音楽祭」、大野和士+都響+Noismらが<歌う!聴く!踊る!>

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2020.8.28

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2020年9月5日(土)・6日(日)、東京芸術劇場(東京・池袋)で「トーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル 2020(TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2020)」、通称「サラダ音楽祭」が開催される。6日の音楽祭メインコンサートでは、大野和士・指揮、東京都交響楽団(都響)がモーツァルトやラヴェルの名曲を演奏。さらに独特な舞踊表現で高い評価を得ているダンスカンパニー「Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)」が初参加。音楽祭メインコンサートでオーケストラの演奏とともに『Fratres Ⅲ』(音楽:ペルト/フラトレス~ヴァイオリン、弦楽と打楽器のための)と『Adagio Assai』(音楽:ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章)を上演する。(文章中敬称略)

大野和士 (c)Rikimaru Hotta

大野和士 (c)Rikimaru Hotta


 

■「Sing and Listen and Dance 歌う!聴く!踊る!」をコンセプトに3年目の開催

サラダ音楽祭は、赤ちゃんから大人まで、誰もが気軽に音楽の楽しさを体感できる音楽祭として、2018年に誕生。「Sing and Listen and Dance~歌う!聴く!踊る!」をコンセプトに、都響が豊島区と連携してワークショップやミニコンサートなどを行い、2019年はのべ5日間で約3万6000人を動員した。

3年目となる2020年は、本来は4日間の開催予定であったが、昨今の新型コロナウィルスの影響により2日間に日程を縮小して開催される。5日は赤ちゃんをはじめ、小さな子供の入場も可能な「OK!オーケストラ」、6日「音楽祭メインコンサート」の2つのプログラムを実施する。

「OK!オーケストラ」は司会に横山だいすけ(NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」11代目歌のお兄さん)を迎え、《ビリーブ》で歌声も披露する予定だ。また、喜歌劇『軽騎兵』序曲や歌劇『カルメン』より「前奏曲」といったよく知られた名曲のほか、ゲーム音楽『ドラゴンクエストⅤ』天空の花嫁 より「序曲のマーチ」といった親しみやすい曲などが演奏される予定。さらにこの音楽祭のために結成されたダンスユニット「スーパーエイト」の踊りもコンサートを盛り上げる。振付はコンドルズの近藤良平であるのも注目だ。

■Noismの新作『Fratres Ⅲ』『Adagio Assai』を生オケで鑑賞する機会

6日「音楽祭メインコンサート」のダンスカンパニーNoismの初参加は、今年の注目ポイントのひとつといえる。

Noismはバレエやダンスのファンにとっては非常によく知られたカンパニー。日本初の公共劇場専属舞踊団として2004年4月に新潟市の「りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館」で設立され、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住して活動。ヨーロッパやロシア、アメリカなど世界各地のダンスフェスティバルなどに招聘されるなど、新潟から世界へ向けて芸術を発信している。

芸術監督の金森穣は17歳で渡欧し、バレエ『ボレロ』などで有名な振付家である故・モーリス・ベジャールに師事。その後ネザーランド・ダンス・シアター(NDT2)在籍中に演出振付家としてデビューした。Noismで金森ならではの独自言語ともいえる振付作品を発表するほか、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)でオペラ『青ひげ公の城』の演出・振付を行うなど、多岐にわたって活躍している。

金森 穣 (c)Kishin Shinoyama

金森 穣 (c)Kishin Shinoyama

今回上演されるダンス作品は『Fratres Ⅲ』(音楽:ペルト/フラトレス~ヴァイオリン、弦楽と打楽器のための)と『Adagio Assai』(音楽:ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章)。先頃新潟で行われた公演で発表されたもので、オーケストラとの共演はこの音楽祭が初めてとなる。バレエ・ダンスファンにとっては滅多にないレアな機会ともいえるだろう。

このほかラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』やミヨー『バレエ音楽《屋根の上の牡牛》 op.58』、ソプラノの臼木あいが参加してのモーツァルトの『モテット《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》 K.165(158a)』の演奏が予定されている。

(c)Kishin Shinoyama

(c)Kishin Shinoyama

ちなみに「サラダ音楽祭」は「Sing and Listen and Dance」の「SaLaD」による。オーケストラや踊り、歌など、さまざまなテイストの盛り合わせのような音楽祭、味わってみたい。

公演情報

TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2020
トーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル 2020(サラダ音楽祭)

 
■開催日:2020年9月5日(土)・6日(日)
■会場:東京芸術劇場/池袋エリア(周辺施設)
■主催:東京都、公益財団法人東京都交響楽団
■共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場、豊島区

 
OK!オーケストラ
(※は販売終了)
■日時:2020年9月5日(土)14:00開演
■会場:東京芸術劇場 コンサートホール
■指揮:大野和士
■司会・歌:横山だいすけ*
■振付:近藤良平
■ダンス:スーパーエイト(サラダ音楽祭ダンサーズ)
■管弦楽:東京都交響楽団
■曲目:
すぎやまこういち/交響組曲『ドラゴンクエストⅤ』天空の花嫁 より「序曲のマーチ」
ビゼー/歌劇『カルメン』より「前奏曲」
ベルリオーズ/序曲《ローマの謝肉祭》op.9 [ダンス付き]
杉本竜一/ビリーブ*
スッペ/喜歌劇『軽騎兵』序曲

 
音楽祭メインコンサート
■日時:2020年9月6日(日)16:00開演
■会場:東京芸術劇場 コンサートホール
■指揮:大野和士
■演出・振付:金森 穣
■ダンス:
Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)
金森 穣、井関佐和子、山田勇気、池ヶ谷奏、ジョフォア・ポプラヴスキー、井本星那、林田海里、チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、スティーヴン・クィルダン、タイロン・ロビンソン、鳥羽絢美、西澤真耶、三好綾音
■ソプラノ:臼木あい*
■ピアノ:江口 玲**
■ヴァイオリン:矢部達哉***
■管弦楽:東京都交響楽団
■曲目:
モーツァルト/モテット《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》 K.165(158a)*
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章 [ダンス付き]**
ダンス『Adagio Assai』
ペルト/フラトレス~ヴァイオリン、弦楽と打楽器のための [ダンス付き]***
ダンス『Fratres Ⅲ』
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ミヨー/バレエ音楽《屋根の上の牡牛》 op.58

■公式サイト:https://salad-music-fes.com/
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